【国家総合職】合格者が教える、判断推理の位置関係を攻略するコツ【年度の開始前後におけるテナントの位置関係】

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本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。

神社の境内で休憩していたら、どこからともなく野良猫が現れて、私の面前を通り過ぎていきました。
しばらく遠目で観察していると、建物の足下にある芝生に身体をこすりつけてゴロゴロし始めました。
晴れた昼下がりに、ちょっとした幸せを添える一幕でした。

前回は、工場の積み残しを解消するのに必要な作業員の数を求める問題をやりましたね。
ニュートン算の問題です。基本の解き方を確認できる内容になっているので、解いてない方はぜひ挑戦してみてください。

今回のテーマは「位置関係」です。
位置関係は、「あること」に注目するだけで見通しが格段に良くなります。
以下の記事で詳しく説明しているので、まだ見てない方は参考にしてください!

演習問題:年度の開始前後におけるテナントの位置関係

図のような2階建てのビルにある10部屋には、テナント募集中の空室を除き1室につき1つの店舗が入っている。このビルにおいて、新しい年度の開始(X年4月1日〜)に伴い、営業を終了した店舗と新たに営業を開始した店舗がそれぞれいくつかあった。いま、A〜F店およびその他の店舗について、次のことが分かっているとき、X年4月1日の前後における空室の部屋の増減について確実にいえるのはどれか。ただし、店舗間における部屋の移動はなかったものとする。

  • A店は新しい年度が開始する以前から営業しており、X年4月1日以後も営業していた。
  • A店の隣にある店は、新しい年度の開始に伴い別の店に替わっていた。
  • B店およびC店は、X年4月1日より以前から営業している。
  • D、E、Fの3店は、新しい年度の開始に伴い新たに営業を開始した。
  • B店がある階において、新しい年度の開始に伴い営業を終了した店舗はなかった。
  • C店の真上にはA店がある。また、C店の真向かいには営業中の店がある。
  • D店の真上には、X年4月1日より以前は営業中の店があったが、新しい年度の開始に伴い空室になった。
  • E店の隣と真向かいの部屋には営業中の店舗があるが、同じ階の階段の隣の部屋は空室である。
  • F店の部屋は、X年4月1日より以前は空室であった。また、F店の両隣は空室で、うち片方はX年4月1日以前より空室だった。さらに、F店の真向かいと真下には営業中の店がある。

2階建てビルの間取り図

  1. 新しい年度の開始とともに、空室の数は2室減った。
  2. 新しい年度の開始とともに、空室の数は1室減った。
  3. 新しい年度の開始前後で空室の数は同じだった。
  4. 新しい年度の開始とともに、空室の数は1室増えた。
  5. 新しい年度の開始とともに、空室の数は2室増えた。

新年度の開始に伴うビルのテナントの変化を明らかにする問題です。
A〜F以外にも店舗が存在し得ることに注意しましょう。
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。

それでは、解説スタート!

解説

選択肢を見ると、X年4月1日の前後における空室の数の増減を問われているので、X年4月1日より前と後、両方の店舗の位置関係を明らかにしなければなりません。
以下、次図のように各部屋を番号で区別します。

番号による部屋の区別
番号による部屋の区別

さて、位置関係では「条件文の長さ」が重要です

解法のポイント
位置関係は制約の厳しい条件から
文量の多い条件に注目

本問でいうと、 9つ目の条件F店の部屋は、X年4月1日より以前は空室であった。また、F店の両隣は空室で、うち片方はX年4月1日以前より空室だった。さらに、F店の真向かいと真下には営業中の店がある が最も情報量が多くなってます。
そこで、ここはヒントの最も多いF店から手を付けるのがベター。

F店の位置を特定

条件の「F店の両隣は空室で、〜さらに、F店の真向かいと真下には営業中の店がある」という箇所に注目です。
両隣に部屋がある、ということなので、F店は「102」あるいは「202」のいずれかです。
このうち、真下に店(=部屋)があるのは「202」なので、X年4月1日以後はここにF店があります。

また、「F店の部屋は、X年4月1日より以前は空室であった」より、X年4月1日以前の「202」は空室だったと決まります。
ここまでを図に書き込みます。

F店の場所が確定
F店の場所が確定
モクセイ
モクセイ

○印は何かしらの店舗が入ってるって意味ね

残りはA〜E店の場所ですが、いきなり部屋の位置を特定しようとすると難しくなります。
一足飛びにならず、まずはA〜E店がそれぞれ何階にあるのかを考えます

A〜Eを1階と2階に振り分ける

6つ目の条件の前半C店の真上にはA店がある。また、〜 より、Aは2階、Cは1階と決まります。
また、 7つ目の条件D店の真上には、X年4月1日より以前は営業中の店があったが、新しい年度の開始に伴い空室になった の「D店の真上には、〜店があった」という記述より、Dは1階です。

次にB店について、 5つ目の条件B店がある階において、新しい年度の開始に伴い営業を終了した店舗はなかった および 7つ目の条件D店の真上には、X年4月1日より以前は営業中の店があったが、新しい年度の開始に伴い空室になった より、B店はD店と同じ階、すなわち1階でなければなりません。

あとはE店ですが、 8つ目の条件E店の隣と真向かいの部屋には営業中の店舗があるが、同じ階の階段の隣の部屋は空室である の「E店の〜、同じ階の階段の隣の部屋は空室である」という部分に注目です。
この記述はX年4月1日以後のことを述べたものですが、前の図によると、X年4月1日以後の「205」には営業中の店舗があります。
よって、E店は1階にあり、X年4月1日以後の「105」は空室となります。

ここまでを図示すると次のようになります。

A〜E店の階層が確定
A〜E店の階層が確定
モクセイ
モクセイ

この時点でX年4月1日以前の振り分けも決まるよ

3つ目の条件B店およびC店は、X年4月1日より以前から営業している および 4つ目の条件D、E、Fの3店は、新しい年度の開始に伴い新たに営業を開始した より、X年4月1日以前はB店とC店が1階、A店が2階となります。

X年4月1日以後の位置関係が確定

ここまでの図を見ると、条件「C店の真上にはA店がある」を満たすには、C店が「104」で、A店が「204」となるしかありませんね。
さらにここから、条件「E店の隣と『真向かいの』部屋には営業中の店舗がある」より、E店の場所も「101」に決まります。

モクセイ
モクセイ

「真向かいの部屋」がE店のことだとすれば辻褄が合うね

AとCとEの場所が確定
AとCとEの場所が確定

あとはB店とD店の場所(それぞれ「102」または「103」)ですね。

D店は 7つ目の条件D店の真上には、X年4月1日より以前は営業中の店があったが、新しい年度の開始に伴い空室になった および 4つ目の条件D、E、Fの3店は、新しい年度の開始に伴い新たに営業を開始した を考えると、該当するのは「103」しかありません。
これにより、B店の場所も「102」に決まります。

BとDの場所が確定
BとDの場所が確定

これでX年4月1日以後の見取り図が完成しました。(「205」はいわゆる「その他の店舗」です)

モクセイ
モクセイ

その他の店舗ってなんやねん

X年4月1日以前の位置関係が確定→見取り図の完成

X年4月1日以前の見取り図も、与えられた条件から決まります。

まず、 5つ目の条件B店がある階において、新しい年度の開始に伴い営業を終了した店舗はなかった より、「101」と「103」と「105」は、X年4月1日以前は全て空室であったことが分かります。

また、 2つ目の条件A店の隣にある店は、新しい年度の開始に伴い別の店に替わっていた より、X年4月1日以前の「205」には別の「その他の店舗」が営業していたことになるので、○印を書き込みます。

そして、 7つ目の条件D店の真上には、X年4月1日より以前は営業中の店があったが、新しい年度の開始に伴い空室になった について、これは「203」のことを述べた記述なので、X年4月1日以前は○印となります。
これと 9つ目の条件の前半F店の部屋は、X年4月1日より以前は空室であった。また、〜 より、X年4月1日以前の「201」は空室となります。

モクセイ
モクセイ

X年4月1日以前の見取り図もこれで完成

X年4月1日前後の見取り図が完成
X年4月1日前後の見取り図が完成

X年4月1日前後で空室の数を比べると、空室の数は5室→3室と2室減っています。

よって、1が正解です。

おわりに:位置関係では条件文の長さも重要なヒント

お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?

位置関係は、まず文量の多い条件文に注目すると手際よく進めます。

新年度の開始前後における店舗の見取り図を完成させる問題でした。
新年度の前後、別々の見取り図を用意する必要がありますが、混同しないように注意です。
解説の通り、「以後」→「以前」と一つずつ扱えばOKです。

あとは、A〜Fとは別に「その他の店舗」があるのも注意です。
見落とさないよう、問題文をよく読みましょう。
ABCでない「その他」があるのはレアケースですが、与えられた条件はよく確認するよう心がけたいところですね。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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次回もお楽しみに!

略解

以下、説明のため、次図のように各部屋を番号で区別する。

番号による部屋の区別

番号による部屋の区別

条件「F店の両隣は空室で、〜さらに、F店の真向かいと真下には営業中の店がある」より、F店の両隣には部屋があり、かつ真下に店がある。
この条件を満たすのは「202」のみであるから、X年4月1日以後は「202」にF店がある。
また、「F店の部屋は、X年4月1日より以前は空室であった」という記述より、X年4月1日以前の「202」は空室であったことも分かる。
(次図において、○印は何かしらの店舗が営業していることを示す)

F店の場所が確定

F店の場所が確定

次に、A〜E店のある階について、条件「C店の真上にはA店がある」より、Aは2階、Cは1階と決まる。
また、「D店の真上には、〜店があった」より、Dは1階である。
さらにB店について、条件「B店がある階において、新しい年度の開始に伴い営業を終了した店舗はなかった」および「D店の真上には、X年4月1日より以前は営業中の店があったが、新しい年度の開始に伴い空室になった」より、B店はD店と同じ1階にあると分かる。
残るE店は、「E店の〜、同じ階の階段の隣の部屋は空室である」に注目すると、前の図によれば、X年4月1日以後の「205」には営業中の店舗がある。
よって、E店は1階にあり、X年4月1日以後の「105」は空室である。

A〜E店の階層が確定

A〜E店の階層が確定

ここで、条件「B店およびC店は、X年4月1日より以前から営業している」および「D、E、Fの3店は、新しい年度の開始に伴い新たに営業を開始した」より、X年4月1日以前はB店とC店が1階、A店が2階である。

この図より、条件「C店の真上にはA店がある」を満たすには、C店が「104」、A店が「204」となるしかない。
このことと条件「E店の隣と『真向かいの』部屋には営業中の店舗がある」より、E店の場所も「101」に決まる。

AとCとEの場所が確定

AとCとEの場所が確定

D店は条件「D店の真上には、X年4月1日より以前は営業中の店があったが、新しい年度の開始に伴い空室になった」より、該当するのは「103」しかない。
これにより、B店の場所も「102」に決まる。

BとDの場所が確定

BとDの場所が確定

あとは条件からX年4月1日以前の見取り図を完成させる。
まず、条件「B店がある階において、新しい年度の開始に伴い営業を終了した店舗はなかった」より、「101」と「103」と「105」は、X年4月1日以前は全て空室である。
また、条件「A店の隣にある店は、新しい年度の開始に伴い別の店に替わっていた」より、X年4月1日以前の「205」には別の「その他の店舗」が営業していたことになる。
そして、条件「D店の真上には、X年4月1日より以前は営業中の店があったが、新しい年度の開始に伴い空室になった」は「203」のことを述べた記述であるから、X年4月1日以前は「203」に「その他の店舗」があったと分かる。
これと条件「F店の両隣は空室で、うち片方はX年4月1日以前より空室だった」より、X年4月1日以前の「201」は空室となる。

以上から、X年4月1日前後で空室の数を比べると、空室の数は5室→3室と2室減っている。

よって、正解は1である。

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