【国家総合職】数的処理の対応関係を解くコツ、教えます【じゃんけんの勝敗で得点が決まるゲーム】

こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。

自販機で飲み物を買おうと財布を広げたら、新500円玉しかなかったので「ここぞ」と思って機械に投入したら見事に返却されました。
どうやら新しい硬貨に対応していなかったようでした。
ならば紙幣で、と再び財布を広げたら1万円札しかありませんでしたとさ。

前回は、寄宿舎に居住する者の部屋の位置関係を明らかにする問題をやりましたね。
国家総合職で頻出の、位置関係をテーマにした問題なので、まだ解いてない方はぜひ挑戦してみてください。

今回のテーマは「対応関係」です。
対応関係で絶対に忘れてはならない「最初の一手」を知ってますか?
以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください!

モクセイ
モクセイ

まだ読んでない方は先にこっちを見ておくとこのあとの解説を理解しやすいかも

演習問題:じゃんけんの勝敗で得点が決まるゲーム

A〜Eの5人が、計4回行われるじゃんけんの勝敗によって決まる得点を競うゲームに参加した。参加者ははじめに各回のじゃんけんに参戦するか否かを選択できる。参戦した場合、勝者は得点を1点獲得し、敗者は得点を1点失う。参戦しなかった場合は得点を獲得することも失うこともない。次のことが分かっているとき、確実に正しいといえるのはどれか。
ただし、5人ともそれぞれ最低1回はじゃんけんに参戦したものとし、あいことなるケースは考えなくてよい。また、5人とも最初は0点の状態からスタートし、勝負の過程で得点が負の数になることはあり得るものとする。

  • じゃんけんに2回参戦した者は、AとBとDの3人であった。
  • じゃんけんの勝者は各回とも1人で、D以外の4人はいずれかの回で勝者となった。
  • C以外の4人は第1回目のじゃんけんに参戦した。
  • Eが勝者となった回のじゃんけんに、Aは参戦したが、Bは参戦しなかった。
  • 第2回目のじゃんけんに参戦した者は3人で、第2回目が終了した時点で合計得点が0点だった者は3人であった。
  • 第3回目のじゃんけんに参戦した者は2人で、第3回目が終了した時点で合計得点が0点だった者は3人であった。
  1. 第4回目のじゃんけんが終了したときのBの合計得点は0点であった。
  2. 第4回目のじゃんけんが終了したときのCの合計得点は0点であった。
  3. Cは第3回目のじゃんけんに参戦し、敗者となった。
  4. Dは第3回目のじゃんけんに参戦した。
  5. Eは全ての回のじゃんけんに参戦した。

じゃんけんの勝敗で得点が決まる大会の問題です。
勝敗だけでなく、「参戦しない」という選択もあり得ることを忘れずに。
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。

それでは、解説スタート!

解説

対応関係の問題でおなじみの「最初の一手」は、本問にも有効です。

解法のポイント
対応関係は表で可視化する
まずは適切なフォーマットを用意すること

表の内容は、条件と選択肢から決めるんでしたね。
本問では「どの回に誰が勝って(あるいは負けて)何点得たのか」が重要です。
つまり、表にすべき項目は「各回」の「参加者(A〜E)」と「得点」の3つです。

モクセイ
モクセイ

表したい項目が3つあるときは、数字を書き込む形式がいいよ

次のような表を用意し、得点を書き込みましょう。

第1回第2回第3回第4回
A
B
C
D
E

まず第1回目ですが、 3つ目の条件C以外の4人は第1回目のじゃんけんに参戦した より、参加者はAとBとDとEです。
Bが参戦していることから、第1回目でEは負けていることが分かります。( 4つ目の条件Eが勝者となった回のじゃんけんに、Aは参戦したが、Bは参戦しなかった より)

この条件と 1つ目の条件じゃんけんに2回参戦した者は、AとBとDの3人であった 、および 2つ目の条件じゃんけんの勝者は各回とも1人で、D以外の4人はいずれかの回で勝者となった を考えると、Eが勝った回でAは負けているので、残りの1回(=第1回目)は勝たなければなりません。

これより、第1回目の結果は次のようになります。

第1回第2回第3回第4回
A1
B−1
C
D-1
E-1
モクセイ
モクセイ

不参加の場合は「—」を記入しておくよ

ここまでで、まだ「Eが勝者となった回のじゃんけん」が明らかになっていませんね。
そこで、ここからは「Eが勝者となった回のじゃんけん」が何回目なのかを決め打ちして考えてみます。

(i)「Eが勝者となった回のじゃんけん」が第2回目の場合
第2回目については、 5つ目の条件第2回目のじゃんけんに参戦した者は3人で、第2回目が終了した時点で合計得点が0点だった者は3人であった をもとに考えます。

第2回目の勝者がEである場合、Aもこの回には参戦しているので、残る1人はCかDのいずれかです。
このうち、「第2回目が終了した時点で合計得点が0点」を満たすにはDが参戦して負けるしかありませんね。

モクセイ
モクセイ

これで「第2回目が終了した時点で得点が0点」の者はAとCとEに決まるよ

なお、条件「じゃんけんに2回参戦した者は、AとBとDの3人」より、AとDはこれ以降のじゃんけんには参戦しません。

第1回第2回第3回第4回
A1-1
B−1
C
D-1-1
E-11

次の第3回目について、 6つ目の条件第3回目のじゃんけんに参戦した者は2人で、第3回目が終了した時点で合計得点が0点だった者は3人であった をもとに、参戦者と勝敗を明らかにします。

先の表より、参戦者の組み合わせは3通りあります。
(BとC)、(BとE)、(CとE)のいずれかです。

(i-a)(BとC)の場合
参戦者が(BとC)であるとすると、Bが勝者(=Cは敗者)となれば、「第3回目が終了した時点で合計得点が0点だった者」はAとBとEの3人なので条件に合います。
このとき、第4回目はCとEの勝負で、Cが勝者、Eが敗者となり、表が完成します。

第1回第2回第3回第4回
A1-1
B−11
C-11
D-1-1
E-11-1

次の第3回目について、 2つ目の条件の後半〜、D以外の4人はいずれかの回で勝者となった より、Eは第3回目では敗者で、Bが勝者となります。
このとき、「第3回目が終了した時点で合計得点が0点だった者」はAとBとCの3人です。
第4回目はやはりCとEの勝負で、Cが勝者、Eが敗者となり、表が完成します。

(i-b)(BとE)の場合
参戦者が(BとE)であるとすると、「D以外の4人はいずれかの回で勝者となった」より、Eは第3回目では敗者で、Bが勝者となります。
このとき、「第3回目が終了した時点で合計得点が0点だった者」はAとBとCの3人です。
第4回目はやはりCとEの勝負で、Cが勝者、Eが敗者となり、表が完成します。

第1回第2回第3回第4回
A1-1
B−11
C1
D-1-1
E-11-1-1

(i-c)(CとE)の場合→×
参戦者が(CとE)であるとすると、同様にEは敗者(Cは勝者)と決まりますが、このとき「第3回目が終了した時点で合計得点が0点だった者」はAしかおらず 6つ目の条件第3回目のじゃんけんに参戦した者は2人で、第3回目が終了した時点で合計得点が0点だった者は3人であった を満たしません。

(ii)「Eが勝者となった回のじゃんけん」が第3回目の場合→×
6つ目の条件の前半第3回目のじゃんけんに参戦した者は2人で、〜 および 4つ目の条件Eが勝者となった回のじゃんけんに、Aは参戦したが、Bは参戦しなかった より、第3回目に参戦したのはAとEで、Aは敗者、Eは勝者です。
このことを表に記入したものが以下です。
なお、Aは第2回目と第4回目に参戦しないことが決まります。

第1回第2回第3回第4回
A1-1
B−1
C
D-1
E-11

ところが、この表によると、第2回目が終了した時点の合計得点が0点となれる者がBとCの2人だけなので、 5つ目の条件の後半〜、第2回目が終了した時点で合計得点が0点だった者は3人であった を満たすことができません。

モクセイ
モクセイ

Aは1点で確定してて、Dが勝者となることはなく、かつEは第3回目の勝利が決まっているからね

(iii)「Eが勝者となった回のじゃんけん」が第4回目の場合→×
4つ目の条件Eが勝者となった回のじゃんけんに、Aは参戦したが、Bは参戦しなかった より、第4回目の結果を表に記入すると以下のようになります。

モクセイ
モクセイ

Aは第2回と第3回には参戦しないことが決まるよ

第1回第2回第3回第4回
A1-1
B−1
C
D-1
E-11

この表によると、第2回目の終了時に合計得点が0点となれる者がBとCしかおらず、 5つ目の条件の後半〜、第2回目が終了した時点で合計得点が0点だった者は3人であった を満たすことができません。

結局、全ての条件を満たすケースは(i-a)と(i-b)の2通りのみで、これをもとに選択肢を検討すると、確実に正しいといえるのは1しかありません。

よって、1が正解です。

おわりに:対応関係は「表」で解く

お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?

対応関係は、表のフォーマットを作ることから始まります。
どんな項目を盛り込むかは、与えられた条件と選択肢から判断できます

計4回のじゃんけんの勝敗で決まる得点を競う問題でした。
「C以外の4人は第1回目のじゃんけんに参戦した」という条件があるので、第1回目の勝敗から検討を始めるのがベター。
そこからは「Eが勝者となった回のじゃんけん」を決め打ちして、あとはしらみ潰しです。
場合分けが入れ子構造になってますが、途中で混乱しないように注意しましょう。

モクセイ
モクセイ

樹形図で現在地をイメージしよう

結果論ですが、この問題も(i)で2通りのパターンが明らかになった時点で一度選択肢を検討してみるのも戦略としてはアリです。
数的処理はタイムマネジメントが超重要なので、より短時間で解答に至れる方法があれば貪欲に取り入れることをおすすめします。
このサイトに書かれているやり方の他にも、ぜひご自分に合った抜け道がないか、模索してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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次回もお楽しみに!

略解

まず第1回目について、条件「C以外の4人は第1回目のじゃんけんに参戦した」より、参加者はAとBとDとEである。
条件「Eが勝者となった回のじゃんけんに、〜、Bは参戦しなかった」より、第1回目でEは敗者であったことが分かる。
また、この条件と「じゃんけんに2回参戦した者は、AとBとDの3人」および「じゃんけんの勝者は各回とも1人で、D以外の4人はいずれかの回で勝者となった」より、Eが勝った回でAは負けているから、残りの1回(=第1回目)でAは勝者であったと分かる。
これより、第1回目の結果は次表の通りである。

  第1回 第2回 第3回 第4回
A 1      
B −1      
C      
D -1      
E -1      

次に、「Eが勝者となった回のじゃんけん」が何回目なのかによって場合分けし考察を進めます。

(i)「Eが勝者となった回のじゃんけん」が第2回目の場合
条件「第2回目のじゃんけんに参戦した者は3人で、第2回目が終了した時点で合計得点が0点だった者は3人であった」に基づいて考える。
第2回目の勝者がEである場合、Aもこの回には参戦しているから、残る1人はCかDのいずれかとなるが、「第2回目が終了した時点で合計得点が0点」より、Dが参戦して敗者となれば条件を満たします。

なお、条件「じゃんけんに2回参戦した者は、AとBとDの3人」より、AとDはこれ以降のじゃんけんには参戦しないことが決まる。

  第1回 第2回 第3回 第4回
A 1 -1
B −1    
C    
D -1 -1
E -1 1    

次の第3回目については、条件「第3回目のじゃんけんに参戦した者は2人で、第3回目が終了した時点で合計得点が0点だった者は3人」をもとに考察する。

先の表より、参戦者の組み合わせは(BとC)、(BとE)、(CとE)のいずれかである。

参戦者が(BとC)であるとすると、Bが勝者(Cは敗者)となれば、「第3回目が終了した時点で合計得点が0点だった者」はAとBとEの3人となり条件を満たす。
このとき、第4回目はCとEの勝負で、Cが勝者、Eが敗者となる。

  第1回 第2回 第3回 第4回
A 1 -1
B −1 1
C -1 1
D -1 -1
E -1 1 -1

参戦者が(BとE)であるとすると、条件「D以外の4人はいずれかの回で勝者となった」より、Eは第3回目では敗者で、Bが勝者となる。
第4回目はやはりCとEの勝負で、Cが勝者、Eが敗者となる。

  第1回 第2回 第3回 第4回
A 1 -1
B −1 1
C 1
D -1 -1
E -1 1 -1 -1

参戦者が(CとE)であるとすると、同様にEは敗者(Cは勝者)と決まりますが、このとき「第3回目が終了した時点で合計得点が0点だった者」はAしかおらず条件を満たさない。

(ii)「Eが勝者となった回のじゃんけん」が第3回目の場合
条件「第3回目のじゃんけんに参戦した者は2人」および「Eが勝者となった回のじゃんけんに、Aは参戦した」より、Aは敗者、Eは勝者と決まる。
このとき、Aは第2回目と第4回目に参戦しないことが確定する。

ところがこの場合、第2回目が終了した時点の合計得点が0点となれる者がBとCの2人しかおらず、条件「第2回目が終了した時点で合計得点が0点だった者は3人」を満たさない。

(iii)「Eが勝者となった回のじゃんけん」が第4回目の場合
条件「Eが勝者となった回のじゃんけんに、Aは参戦したが、Bは参戦しなかった」より、Aは第2回と第3回には参戦しないことが決まる。
ところがこの場合、第2回目の終了時に合計得点が0点となれる者がBとCしかおらず、条件「第2回目が終了した時点で合計得点が0点だった者は3人」を満たさない。

以上より、選択肢を検討すると、確実に正しいのは1しかない。

よって、正解は1である。

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