こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。
今日は天気が良かったので、軽い運動もかねて2駅分の距離を歩きました。
暑すぎず寒すぎない気候の中を歩くのは非常に気分が良かったです。
普段はPCとにらめっこなので自然の音を聴いて癒やされてますが、やっぱりリアルの自然に触れる機会というのは大事にしたいですね。
皆さんも試験勉強が煮詰まってきたなーと思ったら、ぜひ外に出て自然に触れてみてください!
前回は、与えられた条件下で新規顧客の人数を最大化する問題をやりましたね。
国家総合職の数的処理にありがちなテーマの問題なので、解いてない方はぜひ挑戦してみてください。
今回のテーマは「対応関係」です。
対応関係で最初にすべきことは決まってます。
これができると、その後の考察がスムーズに進み、結果として正解にたどり着きやすくなります。
以下の記事で詳しく説明しているので、参考にしてください。

まだの方は先に見ておくとこの後の解説を理解しやすいかも
演習問題:配属先と勤続年数の対応関係
ある会社では、入社1年目から3年目までの社員A〜Fの6人を営業部、総務部、人事部のいずれかに配属させることが決まっている。A〜Fの専門性を調べると、文系と理系がちょうど3人ずついることが分かったので、配属先を決めるにあたっては、各部署に文系と理系を1人ずつ配分することにした。なおこの会社では、人材教育の一環として、入社2年目以下の社員には、必ず指導役として自分より1年長く勤めている社員を男女1人ずつ割り当てることとしている。
いま、A〜Fの配属先について、次のことが分かっているとき、確実にいえるのはどれか。
ただし、A〜Fの中に入社1年目、2年目、3年目の社員が少なくとも1人ずつはいるものとする。
- 2人の社員の指導にあたっているのはAだけである。
- Aと同じ専門性を持つ社員のうち、総務部と人事部に配属される者の性別は互いに異なる。
- 営業部に配属される2人は、同年入社の女性社員である。
- Bは女性社員で、Cから指導を受けており、BとCはともに文系である。
- DとEの性別は異なるが、同じ部署への配属が決まっている。
- EとFは性別が同じで、EはFよりも勤続年数が短い。
- Aの配属先は総務部である。
- Bは入社1年目の女性である。
- Cは入社2年目で、配属先は営業部である。
- Dは文系で、配属先は人事部である。
- Eは女性社員で、入社1年目である。
5
6人の社員を3つの部署に配分する問題です。
それぞれに性別、勤続年数、専門性、配属部署という4つの属性が存在します。
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。
それでは、解説スタート!
解説
例によって、まずは表を作るところから始めます。
まずは適切なフォーマットを用意すること
- 項目が2つ→○×式
- 項目が3つ→数字など書き込み式
表の内容は、条件と選択肢から判断するんでしたね。
本問では、「人(A〜F)」と「性別」、「年数」、「文理」、「部署」が問題です。

5つもあるの!?
驚いた方、無理もありません。
対応関係で必要な要素といえば、ほとんどが2〜3個程度ですからね。
表にしたい項目が多い本問は、表の作り方も少し工夫が必要です。
具体的には、社員(A〜F)と4つの属性(性別、年数、文理、部署)の対応関係を調べます。
5つの項目を同列に扱うのではなく、「人」という項目だけを特別扱いするのがミソです。
(人、性別、年数、文理、部署) → (人)×(性別、年数、文理、部署)
こうすると、「人と性別」、「人と年数」、「人と文理」、「人と部署」という2要素からなる表を4つ並べればよいのだ、と考えられます。

分配法則みたいな感じで
そんなわけで、○×式の表を4つ、横に並べたものを用意します。
男 | 女 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 文 | 理 | 営業部 | 総務部 | 人事部 | |
A | ||||||||||
B | × | ○ | ○ | × | ||||||
C | ○ | × | ||||||||
D | ||||||||||
E | ||||||||||
F |
表にはすでに
4つ目の条件Bは女性社員で、Cから指導を受けており、BとCはともに文系である
の内容を書き込んであります。
今のところ、表に書き込める情報はこれだけなので、あとは条件を紐解きながら都度記入していくことにしましょう。
条件をていねいに読み解く
人材教育に関する条件入社2年目以下の社員には、必ず指導役として自分より1年長く勤めている社員を男女1人ずつ割り当てる および 年数に関する条件A〜Fの中に入社1年目、2年目、3年目の社員が少なくとも1人ずつはいる について、これらを満足するには、2年目と3年目の社員が男女それぞれ少なくとも1人ずつ(計4人)いなくてはなりません。
また、
3つ目の条件営業部に配属される2人は、同年入社の女性社員である
より、1年目、2年目、3年目のいずれかに女性が2人いることになります。
仮にこの2人が1年目であるとすると、2年目と3年目の社員は男女それぞれ1人ずつなので、2年目の2人(男女)が1年生2人を指導することになります。
しかし、これは
1つ目の条件2人の社員の指導にあたっているのはAだけである
に反します。
そこで、今度は「同年入社の女性社員」2人が2年目であると仮定してみると、2年目の社員としてはもう1人、男性の社員がいなくてはなりません。
あとは1年目が1人(性別は不明)、3年目が2人(男女)となりますが、この場合も3年目の男女が2年目の社員3人を指導することになるので、「Aだけ」の条件に反します。
結局、「同年入社の女性社員」2人は3年目でなくてはならないことになります。
つまり、1年目が1人(性別は不明)、2年目が2人(男女)、3年目が3人(男女女)という内訳になります。
このとき、1年目の1人を2年目の2人が指導し、2年目の2人を3年目の3人が指導するので、3年目の男性社員(=A)だけが2年目の2人を指導することになり、条件を満たします。

男女なのか、女男なのか、そこが問題だ(←何の話?)
また、勤続年数ごとの内訳を見ると、営業部に配属の「同年入社の女性社員」とは、3年目の女性社員2人のことを指しているのだと分かります。
この「3年目の女性社員2人」が具体的にB〜Fのうちの誰にあたるのかを考えます。
BはCの指導を受けているので3年目ではない(=2年目以下)ですね。
さらに、
3つ目の条件DとEの性別は異なるが、同じ部署への配属が決まっている
より、DとEの配属は営業部以外のどこかになります。
したがって、残ったCとFが「3年目の女性社員2人」にあたるのだと分かります。
ここまでで分かったことを記入した表が以下です。
男 | 女 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 文 | 理 | 営業部 | 総務部 | 人事部 | |
A | ○ | × | × | × | ○ | × | ||||
B | × | ○ | × | ○ | × | × | ||||
C | × | ○ | × | × | ○ | ○ | × | ○ | × | × |
D | ○ | × | × | × | ||||||
E | × | ○ | × | × | ||||||
F | × | ○ | × | × | ○ | × | ○ | ○ | × | × |
3年目の3人と営業部の2人が確定しましたね。
ちなみに、営業部のCとFのうち、Cが文系なのでFは理系です。
また、
6つ目の条件の前半EとFは性別が同じで、〜
よりEは女性社員で、
5つ目の条件の前半DとEの性別は異なるが、〜
よりDは男性社員であることも確定します。
あと分かっていないのは、1年目の1人(性別は不明)と2年目の2人(男女)が誰なのかということと、Aの配属先です。
ここで、
2つ目の条件Aと同じ専門性を持つ社員のうち、総務部と人事部に配属される者の性別は互いに異なる
について考えてみます。
Aの文理は不明ですが、営業部の2人はすでに確定しているので、Aは総務部か人事部のどちらかです。
すると、AとDはともに男性なので、文理は異なっていなければなりません。
仮にAが文系(=BとCと専門が同じ)であるとすると、残ったDとEとFは理系となります。
しかし、
5つ目の条件DとEの性別は異なるが、同じ部署への配属が決まっている
を考えると、DとEの文理は異なっていなければなりません。
これより、AとEは理系(=Fと同じ)であると決まります。(BとCとDは文系)
また、Bは3年目であるCの指導を受けているので、2年目です。
Bは女性なので、2年目のもう1人(男性)はDであると分かります。
これにより、1年目はE(女性)であることも決まります。
さらに、
5つ目の条件DとEの〜、同じ部署への配属が決まっている
より、AとBも同じ部署です。
条件から確定できるのはここまでで、AとB(およびDとE)が総務部または人事部のいずれであるのかは判断できず、以下の通り、AとBが総務部である場合と人事部である場合の2通りが可能性として残ります。
男 | 女 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 文 | 理 | 営業部 | 総務部 | 人事部 | |
A | ○ | × | × | × | ○ | × | ○ | × | ○ | × |
B | × | ○ | × | ○ | × | ○ | × | × | ○ | × |
C | × | ○ | × | × | ○ | ○ | × | ○ | × | × |
D | ○ | × | × | ○ | × | ○ | × | × | × | ○ |
E | × | ○ | ○ | × | × | × | ○ | × | × | ○ |
F | × | ○ | × | × | ○ | × | ○ | ○ | × | × |
男 | 女 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 文 | 理 | 営業部 | 総務部 | 人事部 | |
A | ○ | × | × | × | ○ | × | ○ | × | × | ○ |
B | × | ○ | × | ○ | × | ○ | × | × | × | ○ |
C | × | ○ | × | × | ○ | ○ | × | ○ | × | × |
D | ○ | × | × | ○ | × | ○ | × | × | ○ | × |
E | × | ○ | ○ | × | × | × | ○ | × | ○ | × |
F | × | ○ | × | × | ○ | × | ○ | ○ | × | × |

「理系のやつが総務とか人事とか行かないだろ」ってツッコミはナシで
以上をもとに選択肢を検討すると、確実に正しいと言えるのは5だけですね。
したがって、5が正解です。
おわりに:対応関係は表とともに
お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?
○×を記入するタイプの表を作って条件を整理する、対応関係の問題でした。
対応関係では、とにかく表を作ることを第一に考えてください。
対応関係の問題は、特に国家総合職では「超」頻出なので、色んな出題パターンに触れて経験値を積んでおく必要があります。

対応関係の記事はこちらから
繰り返しますが、対応関係の問題は、初めにどのような表を用意するかが明暗を分けます。
項目の内容や数は問題によりけりですが、表の形式でありがちなのは、
- 文字や数値を書き込む形式
- ○×を記入する形式
1つ目は「誰が」とか「何を」を直接書き込む形式なので、知りたい情報がダイレクトに分かる表となります。
ただし、「〜はあり得ない」という否定の情報を扱えないところがやや不便ですね。
例えば本問であれば、配属先が「営業部である」という情報は表せても、「総務部ではない」とか「人事部ではない」という情報までは載せられません。
その点、2つ目の○×形式は、「営業部である」という事実の裏にある「総務部ではない」とか「人事部ではない」という情報も表すことができます。
対応関係では、この「〜ではない」というのも貴重な情報なので、これを書き出して整理できるのは大きなメリットです。
ただし、○×形式は二者択一の表現しかできない分、より多くのセルを用意しなくてはならず、表自体が煩雑になりやすいデメリットもあります。
これは時間の制約がシビアな数的処理では結構致命的だったりします。
本問でも最終的に2パターンの分岐が残りましたが、表を2つ手書きしなければならないのは結構な手間ですよね。
結局はどちらも一長一短なので、問題によって使い分けるしかないです。
どちらのパターンにも対応できるように、過去問や本サイトを活用しながら、よく準備しておきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!
本サイトでは、今後もこうした演習用の問題をアップしていく予定なので、ブックマークなどして気軽に訪れてもらえたらうれしいです。
また、運営のやる気UPと記事のクオリティアップにつながりますので、ご意見やご感想などありましたら、お気軽にコメントにてお知らせください!
いいねボタンだけでも押して行っていただけると、投稿の励みになりますので、ぜひポチッとよろしくお願いします!
次回もお楽しみに!
略解
人の社員と4つの属性(性別、勤続年数、専門性、配属部署)の対応関係を調べるため、以下のような表を用意する。
男 | 女 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 文 | 理 | 営業部 | 総務部 | 人事部 | |
A | ||||||||||
B | × | ○ | ○ | × | ||||||
C | ○ | × | ||||||||
D | ||||||||||
E | ||||||||||
F |
条件「入社2年目以下の社員には、必ず指導役として自分より1年長く勤めている社員を男女1人ずつ割り当てる」
および
「A〜Fの中に入社1年目、2年目、3年目の社員が少なくとも1人ずつはいる」
より、2年目と3年目の社員が男女それぞれ少なくとも1人ずつ(計4人)いることになる。
また、条件「営業部に配属される2人は、同年入社の女性社員」より、1年目、2年目、3年目のいずれかに女性が2人いる。
仮にこの2人が1年目であるとすると、2年目と3年目の社員は男女それぞれ1人ずつで、2年目の2人(男女)がそれぞれ1年生2人を指導することになり不適。
また、2人が2年目であると仮定すると、2年目の社員としてはもう1人、男性の社員がいる。
あとは1年目が1人(性別は不明)、3年目が2人(男女)となるが、この場合も3年目の男女が2年目の社員3人を指導することになり不適。
これより、「同年入社の女性社員」2人は3年目であると分かる。
このとき、1年目が1人(性別は不明)、2年目が2人(男女)、3年目が3人(男女女)である。
この場合、1年目の1人を2年目の2人が指導し、2年目の2人を3年目の3人が指導するから、3年目の男性社員(=A)だけが2年目の2人を指導することになり、条件を満たす。
また、勤続年数ごとに見ると、3年目の女性社員2人は営業部であると分かる。
この2人がB〜Fの誰であるかについて、BはCの指導を受けているので3年目ではない(=2年目以下)。
さらに、条件「DとEの性別は異なるが、同じ部署への配属が決まっている」より、DとEは営業部ではない。
したがって、残ったCとFが「3年目の女性社員2人」であると分かる。
ここまでを表にしたものが以下である。
男 | 女 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 文 | 理 | 営業部 | 総務部 | 人事部 | |
A | ○ | × | × | × | ○ | × | ||||
B | × | ○ | × | ○ | × | × | ||||
C | × | ○ | × | × | ○ | ○ | × | ○ | × | × |
D | ○ | × | × | × | ||||||
E | × | ○ | × | × | ||||||
F | × | ○ | × | × | ○ | × | ○ | ○ | × | × |
営業部のCとFのうち、Cが文系なのでFは理系である。
また、「EとFは性別が同じ」よりEは女性社員で、「DとEの性別は異なる」よりDは男性社員である。
ここで、条件「Aと同じ専門性を持つ社員のうち、総務部と人事部に配属される者の性別は互いに異なる」について、営業部の2人はすでに確定しているから、Aは総務部か人事部のいずれかである。
これより、AとDはともに男性であるから、文理は異なる。
仮にAが文系(=BとCと同じ)であるとすると、残ったDとEとFは理系である。
しかし、これは条件「DとEの性別は異なるが、同じ部署への配属が決まっている」に反する。
これより、AとEは理系(=Fと同じ)である。(BとCとDは文系)
また、Bは3年目であるCの指導を受けているから2年目である。
Bは女性だから、2年目のもう1人(男性)はDであると分かる。
これにより、1年目はE(女性)であることが決まる。
さらに、条件「DとEの〜、同じ部署への配属が決まっている」より、AとBも同じ部署である。
条件から決まるのはここまでで、AとBの配属先が総務部と人事部のいずれであるのかは確定せず、可能性として以下の2パターンが残る。
男 | 女 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 文 | 理 | 営業部 | 総務部 | 人事部 | |
A | ○ | × | × | × | ○ | × | ○ | × | ○ | × |
B | × | ○ | × | ○ | × | ○ | × | × | ○ | × |
C | × | ○ | × | × | ○ | ○ | × | ○ | × | × |
D | ○ | × | × | ○ | × | ○ | × | × | × | ○ |
E | × | ○ | ○ | × | × | × | ○ | × | × | ○ |
F | × | ○ | × | × | ○ | × | ○ | ○ | × | × |
男 | 女 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 文 | 理 | 営業部 | 総務部 | 人事部 | |
A | ○ | × | × | × | ○ | × | ○ | × | × | ○ |
B | × | ○ | × | ○ | × | ○ | × | × | × | ○ |
C | × | ○ | × | × | ○ | ○ | × | ○ | × | × |
D | ○ | × | × | ○ | × | ○ | × | × | ○ | × |
E | × | ○ | ○ | × | × | × | ○ | × | ○ | × |
F | × | ○ | × | × | ○ | × | ○ | ○ | × | × |
これより、正解は5である。
コメント