クラス内アンケート結果の分析

こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。

対応関係の問題はどうしても説明が長くなるので、解説の文章を書くのが大変。
図形の問題は図が多めなので説明は少なくて済むけど、図を用意するのが大変。
結論:数的の解説を作るのって大変

前回は、6人の社員の配属先を推測する問題をやりましたね。
国家総合職の数的処理で毎年必ず出題のある対応関係の問題なので、解いてない方はぜひ挑戦してみてください。
もう解いた方は、解き方の要点を必ず記憶し、いつでも引き出せるようにしておきましょう。
参考書で得た知識を使いこなすには問題演習が効果的ですが、1回解いただけで満足してはいけません。
解説を読んで理解するところまではいいのですが、読んだだけでいざ自力で問題を解こうとすると、途中思わぬところで手が止まってしまう、という現象におちいることはよくあります。
解説を読み解いて「理解したつもり」の状態になっているのですね。
1回解いただけだと、この「理解したつもり」に気づくことができません。
知識はアウトプットできてこそ価値のあるものですよね。
新しい問題を解いたら、忘れないうちにもう一度ゼロから自力で解いてみるのをおすすめします。
解き直すことで記憶が強化されますし、「理解したつもり」だった箇所に気づいて再び解説を読み込むことで、新たな発見もあると思います。
復習がバッチリな方は、本日の問題へ参りましょう!

本日の演習問題

ある学校のクラスの生徒を対象に、4つの質問A〜Dからなるアンケート調査を実施した。質問A〜Dは全て「はい」か「いいえ」で答えられる形式で、このクラスの生徒は全員いずれかの回答をした。このクラスの生徒とアンケートの結果について、次のことが分かっているとき、確実にいえるのはどれか。

  • このクラスの生徒の総数は36人以上であった。
  • 質問Aに「はい」と答えた生徒数はクラス全体の80%であった。
  • 質問Aに「はい」と答えた生徒の50%は、質問Bにも「はい」と答えた。
  • 質問Bに「いいえ」と答えた生徒のうちの25%は、全ての質問に「いいえ」と答えた。
  • 質問Cに「はい」と答えた生徒は、質問AまたはBにも「はい」と答えた。
  • 質問Dに「はい」と答えた生徒は25人であった。
  • 全ての質問のうち、1つ以上に「はい」と答えた生徒は34人であった。
  1. 質問Aに「はい」と答えた生徒のうち、質問Bに「いいえ」と答えた生徒は20人であった。
  2. 質問Bに「はい」と答えた生徒は18人であった。
  3. 質問CにもDにも「はい」と答えた生徒は5人であった。
  4. 全ての質問のうちの1つ以上に「はい」と答えた生徒のうち、質問AとBとCに「いいえ」と答えた生徒は2人であった。
  5. 全ての質問に「いいえ」と答えた生徒は8人であった。

クラス内アンケートの結果を分析する問題です。
クラスの生徒数に関する条件がありますが、具体的な数を特定することはできるでしょうか?
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。

それではスタート!

詳しい解説

選択肢を見るに、それぞれの質問に対し「はい(またはいいえ)」と答えた生徒数を具体化する必要がありそうですね。
そのためには、生徒数が全部で何人なのかを明らかにしなければなりません。
(全生徒数が分かれば、例えば質問Aに「はい」と答えた生徒数が分かります)
よって、とりあえず全生徒数を\(x\)とおいて、それぞれの質問に対し「はい(またはいいえ)」と答えた生徒の人数を\(x\)で表してみます。

まず、条件「質問Aに「はい」と答えた生徒数はクラス全体の80%」より、Aの「はい」は\(\frac{4}{5}x\)人です。
これより、Aの「いいえ」は\(\frac{1}{5}x\)人です。

また、条件「全ての質問のうち、1つ以上に「はい」と答えた生徒は34人」より、全て「いいえ」の生徒数は\(x-34\)人となります。
これと条件「質問Bに「いいえ」と答えた生徒のうちの25%は、全ての質問に「いいえ」と答えた」より、Bが「いいえ」の生徒のうちの25%(=\(\frac{1}{4}\))が\(x-34\)人なので、Bが「いいえ」の生徒数は\(4(x-34)\)人ですね。
これより、Bが「はい」の生徒数は\(x-4(x-34)=136-3x\)人となります。

以上を表にすると次のようになります。

はいいいえ
A\(\frac{4}{5}x\)\(\frac{1}{5}x\)
B\(136-3x\)\(4(x-34)\)
C
D\(25\)\(x-25\)
1つ以上\(34\)\(x-34\)(※)

ここで、(※)のセルは全ての質問に「いいえ」と答えた人数を表します。

この表を見ると、セルは全て整数なので、\(x\)は5の倍数でなければなりません。
これと条件「生徒の総数は36人以上」より、\(x=40, 45, 50, ……\)となります。

しかし、\(x=45\)とすると、Aに「はい」と答えた生徒数は36人となりますが、条件「全ての質問のうち、1つ以上に「はい」と答えた生徒は34人」を超えてしまいます。
これは\(x\)が50以上の場合も同様なので、\(x=40\)だけが条件を満たします。

よって、このクラスの生徒数は40人と決まります。
これより、改めて表に記入すると次のようになります。

はいいいえ
A\(32\)\(8\)
B\(16\)\(24\)
C
D\(25\)\(15\)
1つ以上\(34\)\(8\)

Cに関しては人数の条件がなく、推測できないので表はこれで完成です。

この表をもとに選択肢を検討すると、確実に正しいといえるのは4だけです。
したがって、4が正解です。

おわりに

お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?

アンケート結果を集計する問題でした。
全生徒数を\(x\)とおいて、\(x\)が5の倍数でなければならないことに気づけるかどうか、が一つのポイントだったように思います。
条件の1つ目で、クラスの生徒の総数に関する記述があるのを手がかりに気づいてほしいところ。
そこから、「はい」「いいえ」の人数を\(x\)で表す方針が立てば完璧です。
条件を一つずつ検討し、順番に人数を明らかにしていきましょう。
Cだけは「はい」「いいえ」の人数を確定させることができませんが、確実に正しい選択肢が一つ選べればOKなので、今回は空欄で問題ありません。
国家総合職では、結論が1通りに決まらないのは割とありがちです。
ある程度の量の情報が確定したのであれば、選択肢を検討してみるのが良いでしょう。
それで選択肢が一つ選べるのであれば、全ての項目が確定しなくても気にする必要はありません。
正解と思われる選択肢をマークして、早々に他の問題に移るのが賢明です。
完璧に追求しても1点は1点なので、少しでも多くの問題に解答する方が得点は伸びやすいです。
数的処理では、あまり完璧主義になりすぎないことをおすすめします。

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次回もお楽しみに!

略解

このクラスの生徒の総数を\(x\)とおくと、条件「質問Aに「はい」と答えた生徒数はクラス全体の80%」より、Aに「はい」と答えた生徒の数は\(\frac{4}{5}x\)人
よって、Aに「いいえ」と答えた生徒の数は\(\frac{1}{5}x\)人

また、条件「全ての質問のうち、1つ以上に「はい」と答えた生徒は34人」より、全ての質問に「いいえ」と答えた生徒の数は\(x-34\)人
これと条件「質問Bに「いいえ」と答えた生徒のうちの25%は、全ての質問に「いいえ」と答えた」より、Bに「いいえ」と答えた生徒の数は\(4(x-34)\)人
これより、Bに「はい」と答えた生徒の数は\(x-4(x-34)=136-3x\)人

  はい いいえ
A \(\frac{4}{5}x\) \(\frac{1}{5}x\)
B \(136-3x\) \(4(x-34)\)
C    
D \(25\) \(x-25\)
1つ以上 \(34\) \(x-34\)(※)

(※)のセルは全ての質問に「いいえ」と答えた人数を表す。

表より、\(x\)は5の倍数でなければならない。
これと条件「生徒の総数は36人以上」より、\(x=40, 45, 50, ……\)

ここで、\(x=45\)とすると、Aに「はい」と答えた生徒数は36人であるが、これは条件「全ての質問のうち、1つ以上に「はい」と答えた生徒は34人」に反する。
これは\(x\)が50以上の場合も同様であるから、\(x=40\)

  はい いいえ
A \(32\) \(8\)
B \(16\) \(24\)
C    
D \(25\) \(15\)
1つ以上 \(34\) \(8\)

この表をもとに選択肢を検討すると、確実に正しいといえるのは4だけである。
よって、正解は4である。

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