列の両端が黒球となる確率

こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。
最近Googleが私の記事を認識してくれず、更新しても検索結果に表示されない……
日頃の行いは悪くはないはずなのに、なぜなのか。

前回は、クラス内アンケートの結果を集計する問題をやりましたね。
国家総合職の数的処理に多い、論理的に考察して数量を明らかにしていく問題を扱っているので、解いてない方はぜひ挑戦してみてください。
もう解いた方も、時間を空けて再度解き直してみてください。
勉強して得た知識は、本番で使えてこそ意味のあるものですよね。
知識を使いこなすには、自力で最後まで解く練習が必要となってきます。
解説を読んで納得しても、いざ自分で解こうとすると手が止まる、ということはよくあります。
「理解したつもり」になっている状態ですね。
解き直しにより、自分が理解しきれていない箇所をあぶり出すことができます。
そこを踏まえて改めて解説を読むことにより、理解が進んで「使える知識」に変わってきます。
新しい問題を解いたら、あとで必ず解き直しして、「使える知識」を増やしていってください。
復習がバッチリな方は、本日の問題へ参りましょう!

本日の演習問題

白球3つとと黒球3つの計6つが、「白黒白黒白黒」の順に横一列に並んでいる。いま、この並びから2つの球を任意に選び出して置いてある場所を入れ替える、という操作を2回繰り返すとき、両端が黒球となる確率はいくらか。

  1. \(\frac{2}{15}\)
  2. \(\frac{8}{45}\)
  3. \(\frac{5}{27}\)
  4. \(\frac{5}{9}\)
  5. \(\frac{3}{5}\)

確率の問題です。
確率の基本は数え上げですが、ただ闇雲に数えるのではなく、規則性に基づいて省力化を図ることも大切です。
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。

それではスタート!

詳しい解説

分かりやすさのため、「白黒白黒白黒」と並んだ球を文字列「AaBbCc」に置き換えて説明します。
(白球が大文字、黒球が小文字に対応しています)

まず、2回の操作で両端が小文字となるためには、1回目の操作が終わったときの両端の文字が「大文字と小文字」または「小文字と小文字」のいずれかでなければなりません。
(1回目終了時に「大文字と大文字」だと、残りの1回で両端を小文字にすることができません)
したがって、以下では1回目の操作の結果が(i)大文字と小文字の場合と(ii)小文字と小文字の場合に分けて考えます。

(i)大文字と小文字の場合
1回目の操作で両端が大文字と小文字になるのは、1回目に選ばれる文字が(A, B)、(A, C)、(a, c)、(b,c)、(A, c)のいずれかであるか、または中間の4文字B、C、a、bのうちから2つ選ばれる\({}_4 \mathrm{C}_2=6\)通りのいずれかであればよく、計11通りです。

ここから2回目の操作で両端が小文字となるためには、端の大文字と中間の小文字(2つ)が選ばれればよいので2通りです。

よって、この場合に両端が小文字となるケースは、全部で11×2=22通りあります。

(ii)小文字と小文字の場合
1回目の操作で両端が小文字となるのは、Aと中間の小文字(aまたはb)が選ばれる2通りです。
2回目は端の小文字(2つ)のいずれかと中間の小文字(1つ)が選ばれる2通りと、両端の小文字が選ばれる1通り、それから中間の4文字から2つが選ばれる6通りの計9通りがあります。

よって、この場合に両端が小文字となるケースは、全部で2×9=18通りあります。

以上より、2回の操作で両端が小文字となる場合の数は22+18=40通りとなります。
起こりうる全ての場合の数は\({}_6 \mathrm{C}_2×{}_6 \mathrm{C}_2=225\)通りです。
これより、2回の操作で両端が小文字となる確率は\(\frac{40}{225}=\frac{8}{45}\)

したがって、2が正解です。

おわりに

お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?

数え上げるタイプの確率の問題でした。
設定そのものはシンプルでしたが、いざ解いてみると場合分けが必要だったり、意外と手間のかかる問題だったと思います。
まずは1回目の操作終了時の状況が、「大文字と小文字」または「小文字と小文字」または「大文字と大文字」の3通りであることに気づくことが大切です。
なおかつ、「大文字と大文字」のパターンは除外でき、2通りの場合分けで済むことを見抜く必要があります。
あとはそれぞれの場合で条件に合う操作を列挙するだけですが、必要に応じて組み合わせや順列の考え方を援用して、効率よくカウントしましょう。
組み合わせや順列を活用することで、数え忘れや同じものを2回カウントしてしまうのを防げるので、積極的な活用をおすすめします。
国家総合職では毎年1問くらいは確率の問題が出ているので、ぜひとも対策しておきたいですね。
確率につながる分野として、場合の数も確実に対策しておきましょう。
本サイトで扱った問題も参考になるかと思いますので、こちらからのぞいてみてください。

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次回もお楽しみに!

略解

以下では、「白黒白黒白黒」と並んだ球を文字列「AaBbCc」に置き換えて説明する。

1回目の操作の結果、両端が「大文字と大文字」であった場合、2回目の操作で両端を小文字にすることは不可能である。
よって、1回目の操作の結果、両端が(i)大文字と小文字の場合と(ii)小文字と小文字の場合に分けて考えればよい。

(i)大文字と小文字の場合
1回目の操作で両端が大文字と小文字になるのは、1回目に選ばれる文字が(A, B)、(A, C)、(a, c)、(b,c)、(A, c)のいずれかであるか、または中間の4文字B、C、a、bのうちから2つ選ばれる\({}_4 \mathrm{C}_2=6\)通りのいずれかであればよく、計11通り。
ここから2回目の操作で両端が小文字となるためには、端の大文字と中間の小文字(2つ)が選ばれる2通りがあるから、2回の操作で両端が小文字となる場合の数は11×2=22通り。

(ii)小文字と小文字の場合
1回目の操作で両端が小文字となるのは、Aと中間の小文字(aまたはb)が選ばれる2通りがある。
2回目は端の小文字(2つ)のいずれかと中間の小文字(1つ)が選ばれる2通りと、両端の小文字が選ばれる1通り、それから中間の4文字から2つが選ばれる6通りの計9通りがあるから、2回の操作で両端が小文字となる場合の数は、2×9=18通り。

起こりうる全ての場合の数は\({}_6 \mathrm{C}_2×{}_6 \mathrm{C}_2=225\)通りであるから、求める確率は、\(\frac{22+18}{225}=\frac{8}{45}\)

よって、正解は2である。

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