くじ引きの景品の位置関係

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本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。
記事の投稿なしに、増えないサイトの訪問者数ばかりチェックしがち。

前回は、取り出した数字の和が取り得る値の合計を求める問題をやりましたね。
国家総合職で出題の多い確率分野とも関連の深い、場合の数の問題なので、解いてない方はぜひ挑戦してみてください。
もう解いた方も、時間が経ったらもう一回解いてみることをおすすめします。
一度解説を読んだ問題でも、いざ解き直してみると、案外最後までたどり着けないことがあるものです。
勉強して得た知識を本番で活用するには、実際に手を動かして解く作業がどうしても必要になります。
解説を読んで理解することと、それを自ら再現することは似て非なるものです。
だからこそ、解説を読んで終わりにせず、あとで自力で正解を導き出す練習まで行うのが最も効果的な勉強法といえます。
少なくとも1回くらいは、ゼロから正解へたどり着く経験を積み重ねてほしいものです。
どんどん新しい問題に挑戦するのも一つの勉強法ですが、それを得点につなげるために、ぜひ復習を日々の学習に取り入れてみてください。
復習がバッチリな方は、本日の問題へ参りましょう!

本日の演習問題

3×4のマス目を持つ棚が2つある。いま、この棚の各マス目に対し、図のようにそれぞれ異なる番号を割り振った上で景品を1つずつ配置し、くじで引いた番号の位置にある景品がもらえるゲームを行う。A〜Gの7人がこのゲームに参加し、それぞれ1回ずつくじを引いた結果について次のことが分かっているとき、確実にいえるのはどれか。
ただし、くじには図に示すいずれかの数字が書かれているものとする。

  • 棚1と棚2を合わせて、1段目の景品を当てた人は1人、2段目の景品を当てた人は3人、3段目の景品を当てた人は3人であった。
  • 横に隣り合うマスの景品を当てた者はいなかった。
  • 誰かが当てたマスの真上および真下(2つ上と2つ下も含む)にあるマスの景品を当てた者はいなかった。
  • 棚1と棚2で番号の下二桁が同じマス(例:124と224)にある景品を当てた者はいなかった。また、CとE以外の者が当てた番号の各桁の数字は全て異なっていた。(例:123、124など)
  • A、F、Gは下一桁が1または4の番号の景品を当て、このうちFのみが異なる段の景品を当てた。
  • C、D、E、FはBより下の段にある景品を当てた。
  • DとEは同じ棚の同じ段にある景品を当てた。

2つの棚

  1. Aの景品の位置は「231」であった。
  2. Bの景品の位置は「234」であった。
  3. Cの景品の位置は「222」であった。
  4. Eの景品の位置は「122」であった。
  5. Gの景品の位置は「134」であった。

A〜Gの7人が当てた景品の位置関係を調べる問題です。
条件から分かることを整理しながら、一歩ずつ進めていきましょう。
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。

それではスタート!

詳しい解説

条件「C、D、E、FはBより下の段にある景品を当てた」より、Bは3段目の景品を当てていることが分かります。(もしBが2段目なら、条件「1段目の景品を当てた人は1人」に合わなくなります)

かつ、条件「1段目の景品を当てた人は1人、2段目の景品を当てた人は3人」より、C、D、E、Fのうちの3人が2段目で、残る1人が1段目なので、3段目の3人はAとBとGであるところまで決まります。

さらに、条件「DとEは同じ棚の同じ段にある景品を当てた」より、DとEは2段目になります。
また、条件「CとE以外の者が当てた番号の各桁の数字は全て異なっていた」より、Dが当てた景品は棚1の「123」または「124」のどちらかです。
これによりEは棚1の2段目で、「121」あるいは「122」のいずれかになります。
(Dの位置によって隣り合わない方に決まります)

DとEが棚1の2段目であることが確定
DとEが棚1の2段目であることが確定

次に、条件「A、F、Gは下一桁が1または4の番号の景品を当て」に注目しましょう。
まずFについて、Fは1段目または2段目で、かつ「当てた番号の各桁の数字は全て異なって」いるので、Fが当てたのは「124」または「214」のいずれかになります。
しかし、「123」あるいは「124」はDであり、2人の景品の位置が隣り合うことはないので、Fが「124」である可能性はなくなります。
これにより、Fの景品は「214」と決まります。

Fの位置が確定
Fの位置が確定

またAとGについては、ともに3段目で、かつ「当てた番号の各桁の数字は全て異なって」いることから、「134」と「231」と「234」が候補です。
ただし、「214」がFであることと、条件「誰かが当てたマスの真上および真下(2つ上と2つ下も含む)にあるマスの景品を当てた者はいなかった」より、「234」は候補から外れます。
したがって、AとGの景品は「134」および「231」のいずれかです(AとGの振り分けは確定しません)。

そして、AまたはGが「134」であることより、Dの景品は「123」であることが決まり、これによりEの景品が「121」であることも確定します。

DとEの位置が確定
DとEの位置が確定

残るはBとCですね。
まずBについては、3段目であること、および「当てた番号の各桁の数字は全て異なって」いることより、「132」しかありません。

最後にCですが、2段目であることと他の人と隣り合わないという条件、および条件「誰かが当てたマスの真上および真下(2つ上と2つ下も含む)にあるマスの景品を当てた者はいなかった」から、「222」と「223」が候補に上がります。
しかし、条件「棚1と棚2で番号の下二桁が同じマス(例:124と224)にある景品を当てた者はいなかった」と、Dが「123」であることより、「223」は候補から外れます。
これにより、Cの景品の位置は「222」に決まります。

BとCの位置が確定
BとCの位置が確定

以上をもとに選択肢を検討すると、確実に正しいといえるのは3しかありません。
よって、3が正解です。

おわりに

お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?

くじ引きの景品を題材にした、位置関係の問題でした。
これが本番であれば、まず与えられた図を書き写し、そこへ条件から分かることを順に書き込んでいくことになるかと思われます。
所詮はメモ書きなので自分が分かるように書けばそれで十分なわけですが、普段の勉強では、解説にある表のフォーマットにも気を配ってみてください。
本問であれば、棚の数字の下に空白のセルを作って、そこにA〜Gを書き込んでいくのが良いでしょう。
解説では省略してますが、例えば「誰かと隣り合う位置」など、入る可能性のない場所は斜線で消しながら進めると多少は考察がしやすくなると思います。
(なぜ省略したのか……図を作ったあとに気がついたんです)
普段の勉強なら、表のフォーマットを真似て作り、解説の手順を追って考察してみるのも効果的です。
日頃の勉強で自分の中の表のレパートリーを増やしておくと、本番での対応力につながるはずです。

国家総合職では、位置関係は対応関係に次いで重要度の高い分野となっています。
先述した表を真似て書く勉強法も活用しながら、様々なパターンに当たって経験値を積み重ねましょう。
対応関係も含め、位置関係の問題は地頭がものを言う分野だと思われがちですが、「制約条件の強い条件から考える」など、ある程度は定式化できる部分もあるので、諦めずに色んな問題にチャレンジしてみてください。
問題演習には、ぜひ本サイトもご活用ください。

本サイトでは、今後もこうした演習用の問題をアップしていく予定なので、ブックマークなどして気軽に訪れてもらえたらうれしいです。
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次回もお楽しみに!

略解

条件「C、D、E、FはBより下の段にある景品を当てた」より、Bは3段目の景品を当てたことが分かる。
かつ、条件「1段目の景品を当てた人は1人、2段目の景品を当てた人は3人」より、C、D、E、Fのうちの3人が2段目で、残る1人が1段目であるから、3段目の3人はAとBとGである。

このことと、条件「DとEは同じ棚の同じ段にある景品を当てた」より、DとEは2段目である。
また、条件「CとE以外の者が当てた番号の各桁の数字は全て異なっていた」より、Dが当てた景品は「123」または「124」のいずれかである。
これによりEは「121」あるいは「122」であると決まる。

DとEが棚1の2段目であることが確定

DとEが棚1の2段目であることが確定

次に、条件「A、F、Gは下一桁が1または4の番号の景品を当て」について、Fは1段目または2段目で、かつ「当てた番号の各桁の数字は全て異なって」いるから、Fが当てたのは「124」または「214」のいずれかである。
しかし、「123」あるいは「124」はDであることから、Fが「124」である可能性はなくなる。
これにより、Fの景品は「214」に決まる。

Fの位置が確定

Fの位置が確定

またAとGについて、ともに3段目で、かつ「当てた番号の各桁の数字は全て異なって」いることから、「134」と「231」と「234」が候補となる。
ただし、「214」がFであることと、条件「誰かが当てたマスの真上および真下(2つ上と2つ下も含む)にあるマスの景品を当てた者はいなかった」より、「234」は除外される。
したがって、AとGの景品は「134」および「231」のいずれかである(AとGの振り分けは確定しない)。

そして、AまたはGが「134」であることより、Dの景品は「123」であることが決まり、これによりEの景品が「121」であることも確定する。

DとEの位置が確定

DとEの位置が確定

ここでBについて、3段目であることおよび「当てた番号の各桁の数字は全て異なって」いることより、「132」に決まる。

最後にCについて、2段目であることと他の人と隣り合わないという条件、および条件「誰かが当てたマスの真上および真下(2つ上と2つ下も含む)にあるマスの景品を当てた者はいなかった」から、「222」と「223」が候補である。
しかし、条件「棚1と棚2で番号の下二桁が同じマス(例:124と224)にある景品を当てた者はいなかった」と、Dが「123」であることより、「223」は候補から外れる。
これにより、Cの景品の位置は「222」に決まる。

BとCの位置が確定

BとCの位置が確定

これをもとに選択肢を検討すると、確実に正しいといえるのは3だけである。
よって、正解は3である。

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