3チームによるサッカーの総当たり戦

こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。

前回は、模様のある紙片を3×2の長方形に並べる問題をやりましたね。
条件に沿って、6枚の紙片を配置する問題です。
与えられた条件を正しく解釈し、そこから言えることを発展させて考察を進めるという、数的処理では基本となる解法のスタンスを試されるような内容になっています。
まだ問題を見てない方は、ぜひ挑戦してみてください。
解き終わったら復習も忘れずにしてくださいね。
自力で解答を得られるまで何度も解き直しを繰り返すといいでしょう。
解き直しの過程では、最後まで解ききれず悔しい思いもするかもしれませんが、手詰まったときこそ成長のチャンスなのだと捉えましょう。
なぜ手が止まったのかを自問して、ご自分の中に生じた疑問を解決する考え方を解説から学ぶのです。
これを繰り返すことで、一つの解法を多角的に解釈できるようになり、同様の解法を利用する初見の問題に対処できる力が身に付きます。
まずはご自分が好きな問題から、解き直しを日々の学習に取り入れて確固たる応用力を獲得しましょう!

復習がバッチリな方は、本日の問題へ参りましょう!

本日の演習問題

あるサッカーの大会に参加したA、B、Cの3チームが総当り戦を行った。第1試合がA対B、第2試合がB対C、第3試合がC対Aであった。次のことが分かっているとき、第2試合と第3試合のCの得点の和は何点か。

  • 第1試合におけるAとBの得点の和と、第3試合におけるCとAの得点の和の比は、9:5であった。
  • 第1試合と第3試合のAの得点の和と、第1試合と第2試合のBの得点の和の比は、2:1であった。
  • 第2試合において、BとCの得点の比は4:3であった。
  • Bについて、第2試合の得点は第1試合の得点より2点多かった。
  • 各試合において、対戦した2チームの得点は、0点以上10点未満であった。
  1. 3点
  2. 4点
  3. 5点
  4. 6点
  5. 7点

サッカーの総当たり戦における得点をテーマにした問題です。
各チームの各試合の得点を具体的に求める方針がよいでしょう。
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。

それではスタート!

詳しい解説

第1試合のAの得点を\(a\)、第2試合のBの得点を\(b\)とします。表にすると次のような感じです。

第1試合第2試合第3試合
A\(a\)
B\(b\)
C

すると、条件「Bについて、第2試合の得点は第1試合の得点より2点多かった」より、第1試合のBの得点は\(b-2\)と表せます。

さらに、条件「第2試合において、BとCの得点の比は4:3」より、第2試合のCの得点は\(\frac{3}{4}b\)と表せます。
(ここで、各試合の得点は整数なので、\(b\)は4の倍数であることが分かります)

残った第3試合のCとAの得点は、それぞれ\(c\)、\(d\)とでもおきましょう。

第1試合第2試合第3試合
A\(a\)\(d\)
B\(b-2\)\(b\)
C\(\frac{3}{4}b\)\(c\)

次に、比に関する各条件を文字式を使って表します。

一つ目、条件「第1試合におけるAとBの得点の和と、第3試合におけるCとAの得点の和の比は、9:5」より、\(a+b-2:c+d=9:5\)

二つ目、条件「第1試合と第3試合のAの得点の和と、第1試合と第2試合のBの得点の和の比は、2:1」より、\(a+d:2b-2=2:1\)
これより、\(b=1+\frac{a+d}{4}\)

\(b\)は整数であるはず、なので、\(a+d\)は4の倍数です。
条件「各試合において、対戦した2チームの得点は、0点以上10点未満」に注意すると、
\(a+d=0 or 4 or 8 or 12 or 16\)

対応する\(b\)の値をそれぞれ求めると、
\((a+d, b)=(0, 1)、(4, 2)、(8, 3)、(12, 4)、(16, 5)\)

ここで、\(b\)は4の倍数でなければならなかったことを思い出しましょう。
これによると、\((a+d, b)=(12, 4)\)のみが正しいと分かります。

これを一つ目の比に代入することにより、
\(a+2:c+d=9:5\)
すなわち、\(a=\frac{9}{5}(c+d)-2\)

\(a\)は整数なので、\(c+d=0, 5, 10, 15, ……\)となるはずですが、このうちで条件「各試合において、対戦した2チームの得点は、0点以上10点未満」を満たすのは\(c+d=5\)しかありません。
このとき、\(a=7\)

\(a+d=12\)なので、\(d=5\)かつ\(c=0\)となりますね。

第1試合第2試合第3試合
A75
B24
C30

以上より、第2試合と第3試合のCの得点の和は、3+0=3です。

よって、1が正解です。

おわりに

お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?

サッカーの総当たり戦における各チームの得点を明らかにする問題でした。
分からない数値を文字でおいて、与えられた比の条件と「得点は整数である」という条件を併用しながら、試合ごとの各チームの得点を数値として具体化します。
解説を聞くと、何てことない問題だったと思われた方も多いのではないでしょうか。
しかし、こうした問題でも初見でしかも本番の緊張感がある中で解くのは案外難しいものです。
本番だったら差が付きやすい問題の一つかもしれません。
耐性を付けるために、日頃から当日の緊張感を意識した環境で問題演習するのは大いに効果があると思います。
一番いいのは模試を受けてみることですが、撃沈するとモチベーションがかなり下がるので一長一短ですね。
他の方法ですと、程々に静かな場所で時間を計って解く、というのもおすすめです。
できれば本番と同じ量の問題を用意して、一気に解くのが望ましいですが、これやるとかなり疲れます。
他の科目の勉強もあるでしょうから、一問ずつ時間を決めて解く、というのでも十分だと思います。
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本番を意識して一気に解くのもいいですし、表示された中から何問かだけピックアップして解く、という使い方もできるので、ぜひご活用ください。

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次回もお楽しみに!

略解

第1試合のAの得点を\(a\)、第2試合のBの得点を\(b\)とすると、条件「Bについて、第2試合の得点は第1試合の得点より2点多かった」より、第1試合のBの得点は\(b-2\)と表せる。

また、条件「第2試合において、BとCの得点の比は4:3」より、第2試合のCの得点は\(\frac{3}{4}b\)と表せる。
(各試合の得点は整数なので、\(b\)は4の倍数であることが確定)

残りの第3試合のCとAの得点は、それぞれ\(c\)、\(d\)とおく。

  第1試合 第2試合 第3試合
A \(a\) \(d\)
B \(b-2\) \(b\)
C \(\frac{3}{4}b\) \(c\)

条件「第1試合におけるAとBの得点の和と、第3試合におけるCとAの得点の和の比は、9:5」より、\(a+b-2:c+d=9:5\)

二つ目、条件「第1試合と第3試合のAの得点の和と、第1試合と第2試合のBの得点の和の比は、2:1」より、\(a+d:2b-2=2:1\)
これより、\(b=1+\frac{a+d}{4}\)

\(b\)は整数であるから、\(a+d\)は4の倍数である。
条件「各試合において、対戦した2チームの得点は、0点以上10点未満」に注意すると、
\(a+d=0 or 4 or 8 or 12 or 16\)

対応する\(b\)の値をそれぞれ求めると、
\((a+d, b)=(0, 1)、(4, 2)、(8, 3)、(12, 4)、(16, 5)\)

ここで、\(b\)は4の倍数であるから、\((a+d, b)=(12, 4)\)

これを一つ目の比に代入すると、
\(a+2:c+d=9:5\)
すなわち、\(a=\frac{9}{5}(c+d)-2\)

\(a\)は整数であるから、\(c+d\)は5の倍数である。
5の倍数のうちで、条件「各試合において、対戦した2チームの得点は、0点以上10点未満」を満たすのは\(c+d=5\)のみである。
このとき、\(a=7\)

\(a+d=12\)なので、\(d=5\)および\(c=0\)

  第1試合 第2試合 第3試合
A 7 5
B 2 4
C 3 0

したがって、4が正解である。

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