模様のある紙片の並べ方

こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。
買い物で小銭がちょうど0枚になったときのささやかな喜び。

前回は、一人暮らし経験と留年の関連性に関する調査の問題をやりましたね。
数量推理の問題です。
判断推理の中では、どうしても対応関係や空間図形といった花形分野の陰に隠れがちですが、一定の頻度で出題されているため、対策をおろそかにはできません。
まだ問題を見てない方は、ぜひ挑戦されることをおすすめします。
解き終わった後の復習も大切です。
解法を自分の道具として使いこなせるまで、繰り返しチャレンジしてみてください。
解き直す度に新たな発見があるはずです。
それはご自身の成長の証でもあります。
初めはなかなか最後まで解き切れずに悔しい思いをするかもしれませんが、繰り返し学習すれば必ず解法をマスターできます。
そうした苦労を経て身に付けた知識は、必ず本番で役に立ちます。
まずはご自分が好きな問題だけでもいいので、解き直しを日々の学習に取り入れましょう!

復習がバッチリな方は、本日の問題へ参りましょう!

本日の演習問題

図1のように、縦3マス×横3マスの計9つのマス目を持つ正方形の紙片に、それぞれ互いに異なるマスに色を塗り、これらをA〜Fとする。いま、これら6枚の紙片を、以下の条件に従い、図2のような縦3枚×横2枚の長方形状に配置する。

  • 各紙片は、隣接する全ての紙片との境界に、必ず色の塗られたマスが存在するように置く。(図3のような置き方はできない。)
  • 各紙片の色が塗られたマスは、隣接する全ての紙片の色が塗られたマスと接する部分が必ずある。(図4のような置き方はできない。)

このとき、図2の※の位置に置くことのできる紙片を全て挙げたものとして正しいのは、次のうちどれか。
ただし、各紙片は必要に応じて回転させてもよいが、裏返さないものとする。

紙片A〜F

紙片を3×2に配置

  1. AとC
  2. CとF
  3. EとF
  4. CとEとF
  5. AとCとF

色付きの紙片を3×2に配置する問題です。
条件を正しく把握して、あり得る紙片の並べ方を調べましょう。
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。

それではスタート!

詳しい解説

長方形の各ブロックを、次図のように「一」〜「五」と名付けて区別します。

長方形のブロックを番号で区別
長方形のブロックを番号で区別

条件「各紙片は、隣接する全ての紙片との境界に、必ず色の塗られたマスが存在するように置く」より、CとFは四隅のいずれかに置かなければなりません。

実際に置いてみると分かりますが、CまたはFを2行目(三または四)に配置すると、どうしても図3のような状況が起こってしまいます。

そこで、CとFを一、二、五のうちのどこに置くかで場合分けし、条件を満たす配置を検討します。

(i)(C、F)=(一、二)のとき
次の図にしたがって順に検討しましょう。

(i)で可能な配置を考える
(i)で可能な配置を考える

まず、CとFを配置したものが図 iー1ですが、これによるとEの場所は五に決まります。
なぜなら、Eを三または四に置いた場合、それぞれCまたはFの色付きのマスと接することができないからです。

よって、Eの場所は五に決まり、図 iー2のように置くことができます。
(Eについては左に90°回転させたものでも可)

あとはAとBを三と四に置くことになりますが、図3のような状況を回避するためには、図 iー3の2パターンのいずれかの配置でなければなりません。
これらを実際に置いてみると、条件を満たすのは(三、四)=(A、B)となる場合のみであることが分かります。
(もう一方ではBとEで色付きのマスが接しないため不適)

(i)で可能な配置
(i)で可能な配置

(ii)(C、F)=(一、五)のとき
同じように、次の3つの図に沿って考えます。

(ii)で可能な配置を考える
(ii)で可能な配置を考える

(C、F)=(一、五)を配置したものが図 iiー1です。
これによると、Eの場所は二とするしかありません。(図 iiー2)
あとはAとBですが、図 iiー3の2通りの配置にするしかないのは(i)と同じです。
これらを実際に置いてみると、条件を満たすのは(A、B)=(四、三)のパターンのみです。

(ii)で可能な配置
(ii)で可能な配置

(iii)(C、F)=(二、一)のとき

(iii)で可能な配置を考える
(iii)で可能な配置を考える

(C、F)=(二、一)として配置したものが図 iiiー1です。
これより、Eの場所は五に決まります。(図 iiiー2)
なぜなら、三に置いた場合はFと、四に置いた場合はDと、それぞれ色付きのマスが接しないからです。
あとはAとBの配置ですが、やはり2パターンをそれぞれ置いてみると、(A、B)=(三、四)が条件を満たします。

(iii)で可能な配置
(iii)で可能な配置

(iv)(C、F)=(二、五)のとき

(iv)で可能な配置を考える
(iv)で可能な配置を考える

(C、F)=(二、五)として配置したものが図 ivー1です。
例によって、Eの配置が1箇所に決まる……と思いきや、今回のケースはEをどこにおいても条件を満たしません。
実際に置いてみると分かりますが、Eの場所が一の場合はCと、三の場合はFと、四の場合はDと、それぞれ色付きのマスが接しないからです。
よって、(C、F)=(二、五)で条件を満たす置き方はない、という結論になります。

(v)(C、F)=(五、一)のとき

(v)で可能な配置を考える
(v)で可能な配置を考える

(C、F)=(五、一)として配置したものが図 vー1です。
このケースも、Eをどこに置いても色付きのマスが接しない箇所が出てくるので、条件を満たす配置は不可能、ということになります。

(vi)(C、F)=(五、二)のとき

(vi)で可能な配置を考える
(vi)で可能な配置を考える

(C、F)=(五、二)を配置したものが図 viー1です。
これより、条件を満たすにはEを三に置くしかありません。(図 viー2)
ここからBの場所を考えると、一に置いても四に置いても、条件を満たすことができません。
(いずれも色付きのマスが接しない箇所がある)
よって、このケースも条件を満たす配置は不可能、ということになります。

以上より、※の位置に置くことのできる紙片は、CとEとFの3つです。

よって、4が正解です。

おわりに

お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?

色の付いた紙片を条件にしたがって配置する問題でした。
CとFが四隅のいずれかにしか配置できないことに気づけば、個々のケースをしらみ潰しに検討できます。
場合分けのパターンは6通りとやや多いですが、焦らずに一つずつ調べましょう。
結果論にはなりますが、後半の3パターンは全て条件を満たさないので、前半の3通りの配置が確定した時点で4を選んで次に進むのもアリかもしれません。
数的処理は時間との勝負なので、そうやって手間を減らす工夫をするのはとても重要なことです。
日頃の問題演習でも、「時間短縮する方法はないかな?」という視点を意識して持つようにしてみてください。
本番で全く初見の問題に対して最短ルートを見出すのは難しいかもしれませんが、問題のカテゴリによってはある程度お決まりの解き方があったりするので、そうした問題だけでも対処法を知っておくと、心理的なアドバンテージが得られるでしょう。
本サイトでも、なるべく時短のテクニックがあれば紹介していくので、隅々まで読んでもらえると新たな気づきが得られると思います。
逆に、読者の皆さんの方で「こんな解き方はどうかな?」というものがあれば、ぜひコメントでシェアしていってもらえると嬉しいです!

本サイトでは、今後もこうした演習用の問題をアップしていく予定なので、ブックマークなどして気軽に訪れてもらえたらうれしいです。
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次回もお楽しみに!

略解

長方形の各ブロックを、次図のように「一」〜「五」と名付けて区別する。

長方形のブロックを番号で区別

長方形のブロックを番号で区別

条件「各紙片は、隣接する全ての紙片との境界に、必ず色の塗られたマスが存在するように置く」より、CとFは四隅のいずれかに置かなければならない。

以下、CとFを一、二、五のうちのどこに置くかで場合分けし、検討する。

(i)(C、F)=(一、二)のとき

(i)で可能な配置を考える

(i)で可能な配置を考える

まず、CとFを配置すると図 iー1となる。
これによると、条件「各紙片の色が塗られたマスは、隣接する全ての紙片の色が塗られたマスと接する部分が必ずある」から、Eの場所は五に決まる。(図 iー2)

残ったAとBの置き方は、条件「各紙片は、隣接する全ての紙片との境界に、必ず色の塗られたマスが存在するように置く」を考慮すると、図 iー3の2通りが考えられる。
これらのうち、三と四に置いて条件を満たすことができるのは、(A、B)=(三、四)である。

(i)で可能な配置

(i)で可能な配置

(ii)(C、F)=(一、五)のとき

(ii)で可能な配置を考える

(ii)で可能な配置を考える

(C、F)=(一、五)を配置した図 iiー1によると、条件からEの場所は二に決まる。(図 iiー2)
残ったAとBの置き方は図 iiー3の2通りで、このうち条件を満たすのは(A、B)=(四、三)である。

(ii)で可能な配置

(ii)で可能な配置

(iii)(C、F)=(二、一)のとき

(iii)で可能な配置を考える

(iii)で可能な配置を考える

(C、F)=(二、一)として配置した図 iiiー1において、Eの場所は五に決まる。(図 iiiー2)
残ったAとBの配置は、図 iiiー3の2パターンのうち、(A、B)=(三、四)が条件を満たす。

(iii)で可能な配置

(iii)で可能な配置

(iv)(C、F)=(二、五)のとき

(iv)で可能な配置を考える

(iv)で可能な配置を考える

(C、F)=(二、五)として配置したものが図 ivー1である。
この場合、Eの場所が一、三、四のいずれであっても条件「各紙片は、隣接する全ての紙片との境界に、必ず色の塗られたマスが存在するように置く」を満たさない。
よって、(C、F)=(二、五)で条件を満たす置き方はない。

(v)(C、F)=(五、一)のとき

(v)で可能な配置を考える

(v)で可能な配置を考える

(C、F)=(五、一)として配置したものが図 vー1である。
この場合、Eの場所が二、三、四のいずれであっても条件「各紙片は、隣接する全ての紙片との境界に、必ず色の塗られたマスが存在するように置く」を満たさない。
よって、(C、F)=(五、一)で条件を満たす置き方はない。

(vi)(C、F)=(五、二)のとき

(vi)で可能な配置を考える

(vi)で可能な配置を考える

(C、F)=(五、二)として配置したものが図 viー1である。
これより、条件を満たすEの場所は三しかない。(図 viー2)
しかし、ここからBの場所を考えると、一と四のいずれも、条件を満たすことができない。
よって、(C、F)=(五、二)で条件を満たす置き方はない。

以上より、※の位置に置くことのできる紙片は、CとEとFの3つである。

したがって、4が正解である。

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