メーカーにおける故障品と海外製品の割合

こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。
もし空を自由に飛べる能力をゲットしたら、まず高所恐怖症を克服したい。

前回は、正方形とひし形を重ね合わせてできる共通領域の面積問題でした。
面積+αな内容の問題です。
ぜひ解いてみてください。

もう解いた方は、お疲れ様でした。
初めて解いたときの感動をそのままに、「復習」にも取り組みましょう。
復習でぜひチャレンジしてほしいのが、「解法の一般化」です。
学んだ解法を、目の前の問題だけでなく同じようなカテゴリの問題に活用しやすい形に読み替える方法のことです。
出会った問題の解法をそのまま丸暗記するだけでは、残念ながら数的処理の力はあまり伸びません
というのも、過去に出題された問題が、今後そのまま出てくる可能性は極めて低いからです。
初見の問題に対処するには、この「解法の一般化」が有効打となるでしょう。
今日からでも取り組むことをオススメします!

復習がバッチリな方は、本日の問題へ参りましょう!

本日の演習問題

ある機械メーカーの倉庫において、出荷前の製品群から無作為に取り出した1つが故障している確率は5%であり、故障している製品群のうち30%は海外製であることが分かっている。また、この倉庫における国内製の製品と海外製の製品の比率は4:1である。このとき、取り出した1つの製品が次のようなケースに当てはまる確率として正しい組み合わせはどれか。

A:故障しており、かつ海外製である確率
B:故障しているか、または海外製である確率

           A                  B

  1. 1.5%   17.2%
  2. 1.5%   23.5%
  3. 1.5%   34.5%
  4. 4%    21%
  5. 4%    81%

製品の故障率と国内製か海外製か、の問題です。
求めるのは確率ですが、実質的には集合に関する問題とも捉えられますね。
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。

それではスタート!

詳しい解説

倉庫にある全ての製品の個数を1としたら、AとBにあてはまる製品はそれぞれ何%あるか、と聞かれてます。
見かけ上は確率の問題ですが、集合の考え方を援用できます。
「倉庫の全製品」という全体集合の中に、「故障している製品」と「海外製の製品」という2つの部分集合があるわけです。
Aは共通部分、Bは和集合ですね。
これらの要素が全体に占める割合を求めましょう。

「全体に占める割合」というと何やらすごそうですが、難しく考えなくて大丈夫。
計算上は確率をそのまま割合に読み替えるだけでOKです。

集合といえば「ベン図」です。
本問でも現時点で分かっていることをもとにベン図を描いてみましょう。
いつも言ってますが、条件を可視化することが大切です。

Aの確率を求める
Aの確率を求める

ちなみに「この倉庫における国内製の製品と海外製の製品の比率は4:1」より、海外製の割合(確率)は0.2となります。

Aの確率は、問題文中の「故障している確率は5%であり、故障している製品群のうち30%は海外製」という箇所から求められます。
5%ある故障品のうちの30%が海外製、ということなので、故障品かつ海外製の製品を選ぶ確率は

A:0.05 × 0.3 = 0.015 → 1.5%

この結果を利用すれば、Bの確率も簡単に分かります。
Bは和集合ですから、2つの部分集合の和から共通部分を引けばOKです。

B:0.05 + 0.2 – 0.015 = 0.235 → 23.5%

よって、2が正解です。

おわりに

お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?

確率の皮をかぶった集合の問題でした。
つまるところ、2集合の共通部分と和集合を求めるだけです。
集合の考え方が活用できるところにさえ気づければ、さほど難しくなく解けた方も多いのでは、と思います。
この問題、ぶっちゃけて言うと国家総合職にしてはちょっと簡単すぎでは?というレベルです。
しかし、これも過去に出題のあった問題に似せて作ったものなんです。
国家総合職でも、これくらい平易な問題が出ることはあります。
今、数的処理が苦手で諦めようとしている方にはぜひとも知ってほしい事実です。
本番で見かけたら、絶対に正解したい一問でした。

最後までお読みいただきありがとうございました!

本サイトでは、今後もこうした演習用の問題をアップしていく予定なので、ブックマークなどして気軽に訪れてもらえたらうれしいです。
また、運営のやる気UPと記事のクオリティアップにつながりますので、ご意見やご感想などありましたら、お気軽にコメントにてお知らせください!

この記事が参考になったら、ぜひシェアしてください!

次回もお楽しみに!

略解

与えられた条件をベン図で表すと次図のようになる。

Aの確率を求める

Aの確率を求める

図のように、Aは2集合の共通部分にあたる。
5%ある故障品のうちの30%が海外製である、という条件より、故障品かつ海外製の製品を選ぶ確率は次のように求められる。

A:0.05 × 0.3 = 0.015 → 1.5%

一方、Bは和集合であるから、Aの結果を利用して次のように求められる。

B:0.05 + 0.2 – 0.015 = 0.235 → 23.5%

したがって、2が正解である。

コメント

タイトルとURLをコピーしました