こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。
前回は、製品の故障率と海外/国内製の割合に関する問題でした。
ウォーミングアップに丁度いい難易度な問題です。
ぜひ解いてみてください。
もう解いた方は、お疲れ様でした。
復習の重要性は言うに及ばずですが、やり方も大切です。
本サイトでは、特に「解法の一般化」をオススメしています。
解法を学ぶときは、ぜひ
「他の問題に活用できそうな考え方はないかな?」
と積極的に探してみてください。
過去問と全く同じ問題が試験で出ることはほぼないので、目の前の解法を丸暗記してもあまり意味がありません。
あくまでも「似た」問題に対応できるように対策することが必要です。
本サイトにある「解法のポイント」みたいな感じに、自分なりに解法を一般化して頭に入れるようにしましょう!
復習がバッチリな方は、本日の問題へ参りましょう!
本日の演習問題
あるカラオケ大会で、A〜Eの5名からなるチームが優勝し、賞金として\(N\)万円を受け取った。A〜Eは、この賞金を5人で山分けすることとした。Aは全体の\(\frac{1}{4}\)を、BはA以外の4人が受け取る金額の\(\frac{1}{5}\)を、それぞれ受け取った。また、CはAとBが受け取る金額の\(\frac{1}{4}\)を、DはCとEが受け取る金額を合計した金額を、それぞれ受け取った。Eが受け取った金額が20万円であったとすると、Dが受け取った金額はいくらか。
- 10万円
- 15万円
- 25万円
- 30万円
- 40万円
4
賞金の山分け問題です。
総額が\(N\)と与えられているので、問題文の内容を定式化してみましょう。
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。
それではスタート!
詳しい解説
数的処理の第一手として、条件を図表にするか、数式化するかを考えてみるのは有効です。
本問では、総額が文字(=\(N\)万円)で与えられていることをヒントに、
「条件を数式化してみよう」
と発想できるとGoodです。
A〜Eの金額をそれぞれ\(A\)〜\(E\)のようにおいて、条件を数式化したものが次表です。
\(A\) | \(B\) | \(C\) | \(D\) | \(E\) | \(N\) |
\(\frac{1}{4}N\) | \(\frac{1}{5}(N-A)\) | \(\frac{1}{4}(A+B)\) | \(C+20\) | \(20\) | \(A+B+C+D+20\) |
未知数が5つ(\(A\)〜\(D\)と\(N\))に対し、方程式は5つ。
ということは、方程式を連立させれば解を得ることができますね。
ほしいのはDの金額なので、それ以外の\(A\)〜\(C\)および\(N\)を\(D\)を使って表していきましょう。
まずDの式より\(C\)を求めると、
\[
D=C+20 \rightarrow C=D-20
\]
この結果を使うと、\(N\)を\(D\)で表せます。
\(C=\frac{1}{4}(A+B)\)に\(N\)の式を使って、\(A\)と\(B\)を消去しましょう。
\begin{eqnarray}
C &=& \frac{1}{4}(A+B)=\frac{1}{4}(N-C-D-20) \\
\rightarrow N &=& 5C+D+20=5(D-20)+D+20 \\
&=& 6D-80
\end{eqnarray}
これとAの式より、\(A\)を\(D\)で表せます。
\begin{eqnarray}
A &=& \frac{1}{4}N \\
&=& \frac{3}{2}D-20
\end{eqnarray}
これとBの式より、
\begin{eqnarray}
B &=& \frac{1}{5}(N-A)=\frac{1}{5}{(6D-80)-(\frac{3}{2}D-20)} \\
&=& \frac{9}{10}D-12
\end{eqnarray}
以上を\(N\)の式に代入すれば、\(D\)が求められます。
\begin{eqnarray}
N &=& A+B+C+D+20 \\
&=& \frac{22}{5}D-32=6D-80 \\
∴D &=& 30(万円)
\end{eqnarray}
よって、4が正解です。
おわりに
お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?
カラオケ大会の賞金を山分けする問題でした。
条件を数式化する発想ができれば、あとは迷うことなく解けるでしょう。
途中、分数の計算がありますが、計算ミスには注意です。
前回に続き、国家総合職にしてはやや平易なレベルの出題です。
受験される方は、こういう問題を取りこぼさないように練習しましょう。
冒頭で「解法の一般化」を勧めてますが、計算でミスしがちな方は、ぜひ手を動かして解き直す作業も取り入れてみてください。
計算の数をこなすことが、計算ミスを減らすことにつながります。
最後までお読みいただきありがとうございました!
本サイトでは、今後もこうした演習用の問題をアップしていく予定なので、ブックマークなどして気軽に訪れてもらえたらうれしいです。
また、運営のやる気UPと記事のクオリティアップにつながりますので、ご意見やご感想などありましたら、お気軽にコメントにてお知らせください!
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略解
A〜Eの金額をそれぞれ\(A\)〜\(E\)とおき、条件を数式化する。
\(A\) | \(B\) | \(C\) | \(D\) | \(E\) | \(N\) |
\(\frac{1}{4}N\) | \(\frac{1}{5}(N-A)\) | \(\frac{1}{4}(A+B)\) | \(C+20\) | \(20\) | \(A+B+C+D+20\) |
Dの式より、
\[
D=C+20 \rightarrow C=D-20
\]
この結果と\(C=\frac{1}{4}(A+B)\)、および\(N\)の式より、
\begin{eqnarray}
C &=& \frac{1}{4}(N-C-D-20) \\
\rightarrow N &=& 5C+D+20 \\
&=& 6D-80
\end{eqnarray}
これとAの式より、
\begin{eqnarray}
A &=& \frac{1}{4}N \\
&=& \frac{3}{2}D-20
\end{eqnarray}
これとBの式より、
\begin{eqnarray}
B &=& \frac{1}{5}(N-A)=\frac{1}{5}{(6D-80)-(\frac{3}{2}D-20)} \\
&=& \frac{9}{10}D-12
\end{eqnarray}
以上を\(N\)の式に代入する。
\begin{eqnarray}
N &=& A+B+C+D+20 \\
&=& \frac{22}{5}D-32=6D-80 \\
∴D &=& 30(万円)
\end{eqnarray}
したがって、4が正解である。
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