条件を満たす自然数の数え上げ

こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。

前回は、12枚のカードを多数回シャッフルする問題でした。
似たような問題に対応できるように、解法のポイントを説明しています。
ぜひ解いてみてください。

もう解いた方は、お疲れ様でした。
せっかく学んだのですから、忘れる前に見返して学び直すことをおすすめします。
復習するときは、解説の丸暗記に終始するのではなく、個々の問題から似た問題に活用できる要素を抽出して頭に入れることが大切です。
本サイトにある「解法のポイント」をご自分でも探してみることが必要、ということです。
個々の解説は目の前の問題にしか通用しないので、いかにしてそれを一般化するかが明暗を分けるでしょう。
本サイトを活用するなら、ぜひ「解法のポイント」に重点を置いて勉強してみてください!

復習がバッチリな方は、本日の問題へ参りましょう!

本日の演習問題

次の条件を満たす自然数の数と、これらの自然数を全て合計した値の一の位の数字の組み合わせとして正しいのはどれか。

  • 桁数は4桁から8桁までである。
  • 7である位はちょうど4つあり、そのうちの1つは先頭の位である。また、7以外の位は全て1である(例:777117)

  自然数の数 合計値の一の位

  1. 60通り   3
  2. 60通り   7
  3. 70通り   0
  4. 70通り   1
  5. 70通り   5

条件に合う自然数を数え上げて合計する問題です。
計算は要領よく。
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。

それではスタート!

詳しい解説

本問は、「条件を満たす自然数の数」と「合計値の一の位の数字」の2つを求める必要があります。

自然数の数から調べます。
桁数ごとに条件を満たす数字を数え上げましょう。

4桁の場合、条件を満たすのは「7777」の1通りのみです。

5桁の場合、条件を満たす自然数を「7□□□□」と表現すると、4つある□のうちの3つに「7」が入るので、\({}_4 \mathrm{C}_3=4\)通り

6桁の場合、同様に「7□□□□□」と表現すると、5つの□のうち3つに「7」が入るので、\({}_5 \mathrm{C}_3=10\)通り

7桁の場合、「7□□□□□□」の6つの□のうち3つに「7」が入るので、\({}_6 \mathrm{C}_3=20\)通り

8桁の場合、「7□□□□□□□」の7つの□のうち3つに「7」が入るので、\({}_7 \mathrm{C}_3=35\)通り

以上より、条件を満たす自然数は全部で70通りです。

続いて、合計値の一の位を求めましょう。

以下、\(n\)桁の自然数の一の位の数を\(a_n\)と表します。

\(n=4\)のとき、条件を満たすのは「7777」だけなので、\(a_4=7\)

\(n=5\)のときは、一の位の数字(1 or 7)によって場合分けします。
一の位が「1」であるものは「77771」の1通りです。
よって、一の位が「7」であるものは、\(4-1=3\)通りとなります。
これより、\(a_5=1+7×3=22→2\)

\(n=6\)のとき、一の位が「1」であるものは、自然数を「7□□□□1」のように表せば、4つの□のうち3つに「7」が入るので、\({}_4 \mathrm{C}_3=4\)通り
よって、一の位が「7」であるものは、\(10-4=6\)通り
これより、\(a_6=1×4+7×6=46→6\)

\(n=7\)のとき、一の位が「1」であるものは、自然数を「7□□□□□1」のように表せば、5つの□のうち3つに「7」が入るので、\({}_5 \mathrm{C}_3=10\)通り
よって、一の位が「7」であるものは、\(20-10=10\)通り
これより、\(a_7=1×10+7×10=80→0\)

\(n=8\)のとき、一の位が「1」であるものは、自然数を「7□□□□□□1」のように表せば、6つの□のうち3つに「7」が入るので、\({}_6 \mathrm{C}_3=20\)通り
よって、一の位が「7」であるものは、\(35-20=15\)通り
これより、\(a_7=1×20+7×15=125→5\)

以上より、合計値の一の位は、\(a_4+a_5+a_6+a_7+a_8=20→0\)

よって、3が正解です。

おわりに

お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?

条件に合う自然数を数え上げ、合計値の一の位を求める、という2ステップの問題でした。
自然数を扱ってはいますが、実質的には場合の数にカテゴライズされる問題です。
先頭の桁を「7」で固定したら、残り3つの「7」が入る場所を組合せで数え上げましょう。
なお、選択肢の「合計値の一の位」が全て異なっていることを利用して、一の位だけ求めて解答すれば、多少の時間短縮になるでしょう。
もし一の位が分からなければ、自然数だけ数え上げて残りの3択から当てずっぽうに解答するのもアリです。
それでも5択から選ぶよりは正解する確率が高いですからね。

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次回もお楽しみに!

略解

条件を満たす4〜8桁の自然数について、桁数ごとに「自然数の数」と「合計値の一の位」を調べる。
以下、\(n\)桁の自然数の一の位の数を\(a_n\)と表す。

\(n=4\)のとき、条件を満たす自然数は「7777」の1通りのみであり、\(a_4=7\)

\(n=5\)のとき、条件を満たす自然数を「7□□□□」と表現すると、4つある□のうちの3つに「7」が入るので、\({}_4 \mathrm{C}_3=4\)通り
このうち、一の位が「1」であるものは「77771」の1通り。
よって、一の位が「7」であるものは、\(4-1=3\)通り。
これより、\(a_5=1+7×3=22→2\)

\(n=6\)のとき、同じく自然数を「7□□□□□」と表現すると、5つの□のうち3つに「7」が入るので、\({}_5 \mathrm{C}_3=10\)通り
このうち、一の位が「1」であるものは、「7□□□□1」のように表せば、4つの□のうち3つに「7」が入るので、\({}_4 \mathrm{C}_3=4\)通り
よって、一の位が「7」であるものは、\(10-4=6\)通り
これより、\(a_6=1×4+7×6=46→6\)

\(n=7\)のとき、「7□□□□□□」の6つの□のうち3つに「7」が入るので、\({}_6 \mathrm{C}_3=20\)通り
このうち、一の位が「1」であるものは、「7□□□□□1」のように表せば、5つの□のうち3つに「7」が入るので、\({}_5 \mathrm{C}_3=10\)通り
よって、一の位が「7」であるものは、\(20-10=10\)通り
これより、\(a_7=1×10+7×10=80→0\)

\(n=8\)のとき、「7□□□□□□□」の7つの□のうち3つに「7」が入るので、\({}_7 \mathrm{C}_3=35\)通り
このうち、一の位が「1」であるものは、自然数を「7□□□□□□1」のように表せば、6つの□のうち3つに「7」が入るので、\({}_6 \mathrm{C}_3=20\)通り
よって、一の位が「7」であるものは、\(35-20=15\)通り
これより、\(a_7=1×20+7×15=125→5\)

以上より、条件を満たす自然数は全部で70通りである。
また、合計値の一の位は、\(a_4+a_5+a_6+a_7+a_8=20→0\)

したがって、3が正解である。

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