こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本ブログ、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。
前回は、移動経費が最小となるようにミーティング会場を選ぶ問題でしたね。
本日は第7回目です。いつものように、まずは問題文のチェックから始めて参りましょう!
本日の演習問題
あるレストランでは、定食と飲み物をセットで注文することができる。飲み物はコーヒー(200円)、紅茶(150円)、ウーロン茶(100円)、麦茶(50円)の4つの中から選ぶことができる。A、B、C、Dは、3日間連続でこのレストランを訪れ、いずれの日も定食に飲み物を追加して注文した。この3日間の飲み物の注文状況について、以下のことが分かっているとき、確実にいえるのは次のうちどれか。
- 3日間のうち、どの日も4人の注文した飲み物は互いに異なっていた。
- 3日間の間は、4人とも1度注文した飲み物を再度選ばなかった。
- 3日間の飲み物代の合計は、A、B、C、Dの順に安くなっていた。
- 3日間のうち2日だけ、CはBよりも高い飲み物を注文した。
- 日数とともに飲み物代が高くなっていった者が1人いた。
- Aについて、ある日の飲み物代を翌日の飲み物代が上回るような2日間があった。
- Aはコーヒー、紅茶、ウーロン茶の順に注文した可能性がある。
- Bはコーヒー、紅茶、麦茶の順に注文した可能性がある。
- Cは麦茶、コーヒー、ウーロン茶の順に注文した可能性がある。
- 麦茶はDが注文した翌日にCが注文した可能性がある。
- 紅茶はBが注文した翌日にDが注文した可能性がある。
4
ABCDと飲み物の対応関係を考える問題ですね。ABCDを縦列に、日にちを横列においた表を作って、何日目に何を頼んだのかを整理して紐解いていくとうまくいきそうだな、と発想します。
1日目 | 2日目 | 3日目 | |
A | |||
B | |||
C | |||
D |
以下、この問題を詳しく解説しますが、回りくどいのが苦手な方は一番下の略解だけ見る、でも大丈夫です。
それではスタート!
詳しい解説
前項でも述べましたが、まずは表を作って与えられた情報を整理するところから始めましょう。
A〜Dを縦列、飲み物を横列に並べた以下のような表を作成します。
1日目 | 2日目 | 3日目 | |
A | |||
B | |||
C | |||
D |
与えられた情報をもとに、誰が何日目に何を頼んだのか明らかにしていきます。
まず条件アより、A〜Dの4人はそれぞれ3日間違う飲み物を選んでいます。
ここで、飲み物は全部で4種類なので、4人はそれぞれ3日間の中で注文しなかった飲み物が一つずつあることになります。
すると、3日間で注文した飲み物の組み合わせは次の4通りしかなく、これらがA〜Dに対応します。
(コーヒー、紅茶、ウーロン茶)=450円
(コーヒー、紅茶、麦茶)=400円
(コーヒー、ウーロン茶、麦茶)=350円
(紅茶、ウーロン茶、麦茶)=300円
合計額を併記しました。これと条件ウより、A〜Dとの対応は以下のように決まります。
A:(コーヒー、紅茶、ウーロン茶)
B:(コーヒー、紅茶、麦茶)
C:(コーヒー、ウーロン茶、麦茶)
D:(紅茶、ウーロン茶、麦茶)
4人が注文した飲み物の組み合わせが分かったので、次はそれぞれどんな順番で飲み物を注文したかを考えます。
まずは「何日目か?」という部分は後回しにして、ある日の4人の飲み物の注文状況を明らかにします(=表の縦の並びを確定させます)。以下では、日にちを代わりにa、b、cとおいてます。
条件エについて、仮にCがコーヒー、ウーロン茶、麦茶の順に注文したとすると、Bの注文の順番はどうなるでしょうか?
a | b | c | |
A | |||
B | |||
C | コーヒー | ウーロン茶 | 麦茶 |
D |
aにおいてCはコーヒー(200円)を注文しているので、この日はBが何を注文したとしてもCの金額を上回ることはありませんね。
したがって、条件エの言う「2日」のうちの1日はaであることが確定します。
仮に残りの1日がbであるとすると、Cはウーロン茶(100円)なので、必然的にBは麦茶(50円)となります。このとき、cでは飲み物代はB<Cとなるはずですが、Cは最安の麦茶(50円)を選んでいるためB<Cを満たすことができません。
このことから、条件エの言う「2日」とはaとcであったと決まります。
これと条件アを満たすようなBの注文の順番を考えます。
まずbではB>Cなので、Bは麦茶を注文するしかありません。
Bはあとコーヒーと紅茶を注文してますが、条件アより、Bはaで紅茶、cでコーヒーとなります。
ここまでで以下のような表ができます。
a | b | c | |
A | |||
B | 紅茶 | 麦茶 | コーヒー |
C | コーヒー | ウーロン茶 | 麦茶 |
D |
条件アに注意しながら、AとDの飲み物も決めていきます。
まず、aではすでにBとCがコーヒーと紅茶を注文しているので、Aはウーロン茶と決まります。
すると、消去法でaにおけるDの注文は麦茶であったと分かります。
a | b | c | |
A | ウーロン茶 | ||
B | 紅茶 | 麦茶 | コーヒー |
C | コーヒー | ウーロン茶 | 麦茶 |
D | 麦茶 |
すると、cでAは紅茶を注文したことになります。
これによりcにおけるDの注文はウーロン茶と決まり、表の残りの部分が完成します。
a | b | c | |
A | ウーロン茶 | コーヒー | 紅茶 |
B | 紅茶 | 麦茶 | コーヒー |
C | コーヒー | ウーロン茶 | 麦茶 |
D | 麦茶 | 紅茶 | ウーロン茶 |
これで縦の並びは確定したので、ここからはabcがそれぞれ何日目であったのかを考察します。
単純な並べ替えであれば、3!=6通りを列挙する羽目になりますが、条件オより、たかだか4通りについて考えれば済むことが分かります(=条件オに当てはまるのがA〜Dのうち誰なのか、で4通り)。
Aの1日目が何だったかによって場合分けします。
(i)Aの1日目がコーヒーの場合
コーヒーは最も値段が高いので、1日目と2日目では条件カを満たし得ず、条件カに合うのは2日目と3日目、ということになります。
すると、b→a→cの並びが1つ目の候補として考えられます。
1日目(b) | 2日目(a) | 3日目(c) | |
A | コーヒー | ウーロン茶 | 紅茶 |
B | 麦茶 | 紅茶 | コーヒー |
C | ウーロン茶 | コーヒー | 麦茶 |
D | 紅茶 | 麦茶 | ウーロン茶 |
このとき、Bが条件オを満たしています。
(ii)Aの1日目が紅茶の場合
この場合はc→a→bとc→b→aのいずれも候補となります。
1日目(c) | 2日目(a) | 3日目(b) | |
A | 紅茶 | ウーロン茶 | コーヒー |
B | コーヒー | 紅茶 | 麦茶 |
C | 麦茶 | コーヒー | ウーロン茶 |
D | ウーロン茶 | 麦茶 | 紅茶 |
1日目(c) | 2日目(b) | 3日目(a) | |
A | 紅茶 | コーヒー | ウーロン茶 |
B | コーヒー | 麦茶 | 紅茶 |
C | 麦茶 | ウーロン茶 | コーヒー |
D | ウーロン茶 | 紅茶 | 麦茶 |
このうち、c→a→bは条件オを満たす者がいないので不適となります。
一方、c→b→aはCが条件オを満たします。
(iii)Aの1日目がウーロン茶の場合
この場合はa→b→cとa→c→bのいずれも候補となります。
1日目(a) | 2日目(b) | 3日目(c) | |
A | ウーロン茶 | コーヒー | 紅茶 |
B | 紅茶 | 麦茶 | コーヒー |
C | コーヒー | ウーロン茶 | 麦茶 |
D | 麦茶 | 紅茶 | ウーロン茶 |
1日目(a) | 2日目(c) | 3日目(b) | |
A | ウーロン茶 | 紅茶 | コーヒー |
B | 紅茶 | コーヒー | 麦茶 |
C | コーヒー | 麦茶 | ウーロン茶 |
D | 麦茶 | ウーロン茶 | 紅茶 |
このうち、a→b→cは条件オを満たす者がいないので不適です。
一方、a→c→bはAとDが条件オを満たします。
結果、全ての条件を満たす順序は、b→a→c、c→b→a、a→c→bの3通りとなります。
1日目(b) | 2日目(a) | 3日目(c) | |
A | コーヒー | ウーロン茶 | 紅茶 |
B | 麦茶 | 紅茶 | コーヒー |
C | ウーロン茶 | コーヒー | 麦茶 |
D | 紅茶 | 麦茶 | ウーロン茶 |
1日目(c) | 2日目(b) | 3日目(a) | |
A | 紅茶 | コーヒー | ウーロン茶 |
B | コーヒー | 麦茶 | 紅茶 |
C | 麦茶 | ウーロン茶 | コーヒー |
D | ウーロン茶 | 紅茶 | 麦茶 |
1日目(a) | 2日目(c) | 3日目(b) | |
A | ウーロン茶 | 紅茶 | コーヒー |
B | 紅茶 | コーヒー | 麦茶 |
C | コーヒー | 麦茶 | ウーロン茶 |
D | 麦茶 | ウーロン茶 | 紅茶 |
以上から、正解は4となります。
おわりに
お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?
「誰が」「いつ」「何を」という3つの要素を条件に沿って明らかにする、対応関係を扱った問題としては典型的ともいえる内容でしたね。
ただし、表の横の並びが最後まで確定しないところはひとクセある問題でした。
A〜Dを縦に、日数を横に並べて、各マスに飲み物の名前を記入していくのが最も分かりやすいかと思います。
このフォーマットがぱっと思い浮かぶまで練習することが必要です。
与えられた情報をもとに表を作って対応関係を調べる問題は、国家総合職の数的処理では頻出なのでぜひとも攻略したいところ。
この記事をここまで読んでくれた貴方なら大丈夫かと思いますが、苦手な方は参考書に戻って、簡単な問題で考え方のプロセスをおさらいするのもおすすめです。
この機会に、対応関係の問題をきっちり対策して得意分野にしてしまいましょう!
本ブログでは、今後もこうした演習用の問題をアップしていく予定なので、ブックマークなどして気軽に訪れてもらえたらうれしいです。
また、運営のやる気UPと記事のクオリティアップにつながりますので、ご意見やご感想などありましたら、お気軽にコメントにてお知らせください!
次回もお楽しみに!
略解
(コーヒー、紅茶、ウーロン茶)=450円
(コーヒー、紅茶、麦茶)=400円
(コーヒー、ウーロン茶、麦茶)=350円
(紅茶、ウーロン茶、麦茶)=300円
数字は合計額である。すると、条件ウより、A〜Dの飲み物の組み合わせは以下のように決まる。
A:(コーヒー、紅茶、ウーロン茶)
B:(コーヒー、紅茶、麦茶)
C:(コーヒー、ウーロン茶、麦茶)
D:(紅茶、ウーロン茶、麦茶)
次に、以下のような表を作り、まず縦の列の並びを確定させる(abcは日にちに当たる)。
a | b | c | |
A | |||
B | |||
C | コーヒー | ウーロン茶 | 麦茶 |
D |
まず、Cにおいて、a、b、cをそれぞれコーヒー、ウーロン茶、麦茶と仮定する。
条件エを満たすようにBのa、b、cを考えると、次のようになる。
a | b | c | |
A | |||
B | 紅茶 | 麦茶 | コーヒー |
C | コーヒー | ウーロン茶 | 麦茶 |
D |
条件アより、AのaとDのaは次のように決まる。
a | b | c | |
A | ウーロン茶 | ||
B | 紅茶 | 麦茶 | コーヒー |
C | コーヒー | ウーロン茶 | 麦茶 |
D | 麦茶 |
これにより、Aのcは紅茶となり、残りの項目も次のように定まる。
a | b | c | |
A | ウーロン茶 | コーヒー | 紅茶 |
B | 紅茶 | 麦茶 | コーヒー |
C | コーヒー | ウーロン茶 | 麦茶 |
D | 麦茶 | 紅茶 | ウーロン茶 |
あとは条件オとカに基づいて、a、b、cの順序を確定させる。
(i)Aの1日目がコーヒーの場合
条件カを満たすのは、b→a→cの順番のみである。
1日目(b) | 2日目(a) | 3日目(c) | |
A | コーヒー | ウーロン茶 | 紅茶 |
B | 麦茶 | 紅茶 | コーヒー |
C | ウーロン茶 | コーヒー | 麦茶 |
D | 紅茶 | 麦茶 | ウーロン茶 |
このとき、Bが条件オを満たす。
(ii)Aの1日目が紅茶の場合
c→a→bとc→b→aが候補となる。
このうち、c→a→bは条件オを満たす者がいないので不適。
c→b→aはCが条件オに適合する。
1日目(c) | 2日目(b) | 3日目(a) | |
A | 紅茶 | コーヒー | ウーロン茶 |
B | コーヒー | 麦茶 | 紅茶 |
C | 麦茶 | ウーロン茶 | コーヒー |
D | ウーロン茶 | 紅茶 | 麦茶 |
(iii)Aの1日目がウーロン茶の場合
a→b→cとa→c→bが候補となる。
このうち、a→b→cは条件オを満たす者がいないので不適。
a→c→bはAとDが条件オを満たします。
1日目(a) | 2日目(c) | 3日目(b) | |
A | ウーロン茶 | 紅茶 | コーヒー |
B | 紅茶 | コーヒー | 麦茶 |
C | コーヒー | 麦茶 | ウーロン茶 |
D | 麦茶 | ウーロン茶 | 紅茶 |
(i)、(ii)、(iii)より、正解は4である。
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