9人の男女による弁当の注文

こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。

「模擬テスト」のページに、採点機能を実装しました。
問題ごとにラジオボタンにチェックを入れて、一番下の「答え合わせ」ボタンを押すと、○×を判定してくれます。
本格的な力試しをするも良し、遊び感覚で何問かだけ解いてみるも良し、大いに活用してもらえれば嬉しく思います。

前回は、社員の入退館履歴をチェックする問題をやりましたね。
国家総合職の数的処理では定番中の定番、対応関係の問題です。
最頻出分野であるからこそ、たくさんの問題にチャレンジしてレパートリーを増やしておきましょう。
もう解いた方は、今ここで解き方の流れを思い出せますか?
まずは解法の一つ一つをしっかりと暗記してほしいですが、ゆくゆくは学んだ解法を自分の糧として活用するところまで力を付ける必要があります。
そのためには、解法を丸暗記するだけに留まらず、何度も解き直しをしてアウトプットの経験を積むのが効果的です。
演習問題は一度だけ解いただけで安心せず、何度も再チャレンジして味わい尽くすのがおすすめです。

復習がバッチリな方は、本日の問題へ参りましょう!

本日の演習問題

A〜Fの男性6人と、G、H、Iの女性3人は、あるお店の仕出し弁当を一つずつ、それぞれ計4回注文した。弁当は和食、洋食、中華のいずれかを任意に選択することができる。9人の注文状況について、次のことが分かっているとき、確実に正しいといえる記述はどれか。

  • 1回目の注文で、和食、洋食、中華をそれぞれ選んだ者の人数は全て等しかった。
  • 4回目の注文では、9人全員が和食を選んでいた。
  • 女性3人が選んだメニューを各回ごとに見ると、3回目の注文までは3人とも異なるメニューを選んでいた。
  • 一つ前の回と異なるメニューを注文した者の数は、それぞれ3人ずつであった。
  1. 男性で1回目の注文に和食を選んだ者は、いずれも4回目の注文まで選ぶメニューを変えなかった。
  2. 女性で1回目の注文に和食を選んだ者は、いずれも4回目の注文まで選ぶメニューを変えなかった。
  3. 9人全員が、一度は一つ前の回と異なるメニューを選んだ可能性がある。
  4. 洋食を選んだ者の数が半数を超えることはなかった。
  5. 女性のうち少なくとも1人は、1回目から4回目の注文まで、選んだメニューが全て一致した男性がいなかった。

9人の男女が注文したメニューを当てる問題です。
勉強がある程度進んだ方なら、なんとなくでもいいので「表を作るのかな?」と勘付いてほしいところ。
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。

それではスタート!

詳しい解説

9人が各回に注文したメニューが何だったか分かるように、以下のような表に和洋中を書き込んでいきます。

ABCDEFGHI
1
2
3
4

選択肢をよく読むと、本問では各個人が何を注文したか、というところまで正確に把握する必要はないことが分かります。
(「男性」とか「女性」とか、あるいは「9人全員」など、大づかみな指定があるだけで、A〜Iを名指しして注文内容を問うような選択肢はありません)
A〜Iの区別は実はあってないようなもので、ある程度こちらで注文内容を決めてかかることができるのです。

例えば、「1回目の注文で、和食、洋食、中華をそれぞれ選んだ者の人数は全て等しかった」という条件からは、上表のような注文を推測することができます。
和洋中がそれぞれ3人ずついれば、個別には誰がどれを選んでいようが構わないのです。
(女性3人に関する条件に注意。3回目までは3人全員が異なるメニューを選んでいます)

「3回目の注文までは3人とも異なるメニュー」という条件があり、かつ人数も少ないので、ここからは特に女性の注文内容に焦点を当てて、条件を満たすパターンを洗い出したいと思います。

パターンを洗い出すには、あり得るケースを全て網羅する必要がありますね。
女性3人の注文内容について、何をよりどころに網羅性を確保したらよいでしょう?

ここまで一切話題に上らなかった、「一つ前の回と異なるメニューを注文した者の数は、それぞれ3人ずつであった」という条件がここで役に立ちます。

もう少し具体的に言いましょう。
この条件から、メニューの変更が行われる回数は全部で9回(3人×3回)と決まるので、このうち女性がメニューを変更した回数はいくつだったのか?で場合分けします。
(残った回数分は男性のメニュー変更と考えて帳尻を合わせます)

「1回のときから9回のときまで、9通りも調べるの!?」

驚いた方、安心してください。
他の制約条件を考えることで、ある程度場合分けのパターンを減らすことができます。

例えば、女性がメニューを変更した回数が1回のみ、というケースは本問では起こり得ません。
なぜなら、女性が1人(=1回)だけメニューを変更すれば、必ず他の2人のうちの誰かとメニューがカブり、「1回目から3回目の注文までは、女性3人はメニューが異なる」という条件を満たせないからです。

また、女性のメニュー変更が9回、というパターンも起こり得ません。
9回の場合、3人がそれぞれ3回ずつメニューを変えたことになりますが、前述の条件より、3回目の注文は「和・洋・中」であるはずなので、4回目が「和・和・和」となるためには2人(=2回)だけメニューを変更すれば済むからです。

さらに、男性6人のメニューが4回目に全て和食となるためには、最低でも4人(=4回)の変更が必要なので、女性3人の変更回数としては、6回と7回と8回のケースも除外されます。

結局、女性がメニューを変更した回数としてあり得るのは、2〜5回(計4通り)のいずれかしかありません。

(i)女性のメニュー変更が2回のとき
この2回は、3回目「和洋中」→4回目「和和和」の変更に他なりません。
あとの7回は男性の変更として考えます。
3回目の注文では、あと1人の変更で全員が和食となることより、「和×5と洋or中×1」という状況でなければなりません。
これを表にすると次のようになります。

ABCDEFGHI
1
2
3
4

あとは2回目の注文内容ですが、1回目が和食だった2人の状況によって、
(i-a)2人とも注文を変えなかった場合

(i-b)1人だけ注文を変えた場合
の2通りに分岐します。
(2人とも注文を変えた場合は、3回目につながらなくなるので不適)
(i-a)と(i-b)、それぞれあり得るケース(のうちの一つ)を示したものが次表です。

(i-a)ABCDEFGHI
1
2
3
4
(i-b)ABCDEFGHI
1
2
3
4

この時点で、選択肢のうち1と4は正解ではないと分かります。
残りの選択肢については、(i)だけでは判断できず、(ii)以降を調べる必要があります。

(ii)女性のメニュー変更が3回のとき
3回のうち2回は、3回目「和洋中」→4回目「和和和」の変更にあたります。
あとは残り1回がどのタイミングか、ですが、1人が単独でメニューを変更するケースが条件を満たさないのは前述の通りです。
よって、(ii)は不適です。

(iii)女性のメニュー変更が4回のとき
4回のうちの2回はやはり3回目「和洋中」→4回目「和和和」の変更です。
残りの2回は、洋食と中華を選んだ2人が同じタイミングで変更した場合のみ条件を満たします。
(1回目→2回目のときと2回目→3回目のとき、どちらでも構いません)

次に男性側について、変更回数は5回ですが、4回目に全員が和食を選ぶ状況になることを考えると、まず1回目が和食の2人はずっと和食のままでなければなりません。
(最初に和食だった人が変更すると、再び和食に戻るために2回の変更が余分に発生し、変更の回数が足りなくなります)
これを前提とすると、条件を満たすパターンは「1回目に洋or中だった1人が2回変更し、残りの3人がそれぞれ1回ずつ変更するケース」しかありません。

以上をもとに表を作成すると、次のようなパターン(一例)が考えられます。

(iii)ABCDEFGHI
1
2
3
4

ここまでで残った選択肢(2,3,5)を検討してみると、いずれもまだ正誤を判定できません。
残りの(iv)を考察する必要がありますね。

(iv)女性のメニュー変更が5回のとき
5回のうち2回は、例によって3回目「和洋中」→4回目「和和和」の変更に使われます。
残った3回は、3人が同じタイミングに変更したと考えなければなりません。
(2人だけが同時としてしまうと、1回だけが余ってしまうので条件を満たしません)
変更のタイミングは、1回目→2回目のときでも2回目→3回目のときでも構いません。

あとは男性側ですが、4回の変更で4回目に全員が和食となるためには、1回目が洋食の2人と中華の2人がそれぞれ1回ずつで和食に変更する必要があります。

以上をもとに表を作成すると、次のようなパターン(一例)が挙げられます。

(iv)ABCDEFGHI
1
2
3
4

この表より、選択肢2は正解ではないことが分かります。
また、ここまでの結果を見ると、9人のうち少なくとも1人は一貫して同じメニューを選ぶ人がいるので、3も正解の候補から外れます。

消去法で5が正解と分かりますが、一応内容を検討してみると確かに記述内容が正しいことが分かります。

よって、5が正解です。

おわりに

お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?

9人が注文した弁当のメニューがどう変化していったかを当てる問題でした。
設定はシンプルながら、相応の手応えを感じられた方も多かったのではないでしょうか。
表を作るところまではありがちな数的処理の問題ですが、本問の難しさは「場合分け」にあります。
一般に、場合分けは起こりうる全てのケースを列挙するのがセオリーですが、本問でその考え方をしていては日が暮れてしまいます。
ここでは選択肢を絞り込むことが目的なので、そのために必要な情報が得られるようなケースを選び出して検討することが必要です。
例えば、解説の(i-b)では、選択肢4を踏まえてわざと洋食の人数が多くなるような状況を想定し、一例を示しています。
ちょっとセコい気もしますが、選択肢が不正解であることを説明できればOKです。
通常の機械的な場合分けが通用せず、どんなパターンを挙げるのか、頭を使わなければならないところに本問の難しさがあります。
ちんぷんかんぷんだった方は、まずはオーソドックスな場合分け、起こり得るケースを全て挙げることで解決できるパターンの問題から攻略することをおすすめします。
過去問の中で、本問はどちらかというと異質なタイプの問題なので、解けなかった方もそこまで落ち込まなくて大丈夫です。
ただし、しっかり解き直しをして解法を理解するようにしておいてくださいね。

本サイトでは、今後もこうした演習用の問題をアップしていく予定なので、ブックマークなどして気軽に訪れてもらえたらうれしいです。
また、運営のやる気UPと記事のクオリティアップにつながりますので、ご意見やご感想などありましたら、お気軽にコメントにてお知らせください!
いいねボタンだけでも押して行っていただけると、投稿の励みになりますので、ぜひポチッとよろしくお願いします!

次回もお楽しみに!

略解

条件「1回目の注文で、和食、洋食、中華をそれぞれ選んだ者の人数は全て等しかった」および「4回目の注文では、9人全員が和食を選んでいた」を表にすると、以下のようになる。

  A B C D E F G H I
1
2                  
3                  
4

また、条件「女性3人が選んだメニューを各回ごとに見ると、3回目の注文までは3人とも異なるメニューを選んでいた」および「一つ前の回と異なるメニューを注文した者の数は、それぞれ3人ずつであった」より、3回目の注文状況として以下のケースがあり得る。

  A B C D E F G H I
1
2                  
3
4

さらに、これら2つの条件を同時に満たすケースを考えると、女性がメニューを変更した回数は通算で(i)2回、あるいは(ii)4回、あるいは(iii)5回でなければならない。

(i)女性がメニューを変更した回数が2回のとき
この2回は、3回目「和洋中」→4回目「和和和」の変更にあたる。
2回目の注文内容を考えると、1回目が和食だった2人の状況によって
(i-a)2人とも注文を変えなかった場合

(i-b)1人だけ注文を変えた場合
の2通りに分岐する。
(i-a)と(i-b)、それぞれ可能なケース(の一つ)を示したものが次表である。

(i-a) A B C D E F G H I
1
2
3
4
(i-b) A B C D E F G H I
1
2
3
4

これら表より、選択肢のうち1と4は不正解であると分かる。
残りの選択肢の正誤を判断するため、(ii)以降を調べる。

(ii)女性がメニューを変更した回数が4回のとき
条件を満たす注文状況として、次のようなパターン(一例)がある。

(ii) A B C D E F G H I
1
2
3
4

ここまでで残った選択肢(2,3,5)を検討すると、いずれも正誤を判定できない。

(iii)女性がメニューを変更した回数が5回のとき
条件を満たす注文状況として、次のようなパターン(一例)がある。

(iii) A B C D E F G H I
1
2
3
4

この表より、選択肢2は正解ではないことが分かる。
また、ここまでの結果より、9人のうち少なくとも1人は一貫して同じメニューを選ぶ人がいることが分かるため、3も正解の候補から外れる。
消去法により、5が正解の選択肢と決まる。

以上より、5が正解である。

コメント

タイトルとURLをコピーしました