【国家総合職】あなたの知らない対応関係の裏ワザ【社員の入退館記録】

こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。

前回は、大型連休を実現させることのできる年を探す問題をやりましたね。
社会人には興味深いであろう内容なので、まだの方はぜひチャレンジしてみてください。

今回のテーマは「対応関係」です。
対応関係は、「定石」を知るだけでグッと正解に近づけます。
最初に「あること」をするのがコツです。
以下の記事で詳しく説明しているので、参考にしてください!

演習問題:社員の入退館記録

図のような正方形の間取りを持つある会社では、一、二、三の位置に人検知センサーを設置し、社員の出入りを記録している。4名の社員A、B、C、Dのある日の入出状況について、分かっていることは以下の通りである。

社屋の見取り図

  • 各人は「朝」「昼」「夜」のいずれかの時間帯の境に、入館と退館をそれぞれ1回ずつ行った。
  • 各人は、一および二のセンサーによる検知が可能な正面入口から入館し、二および三のセンサーによる検知が可能な東出口から退館した。
  • この日、「朝」の時間帯より以前から会社にいる者もいた。また、「夜」の時間帯に会社にいる者もいた。

この日は定期点検のため、「朝」「昼」「夜」の各時間帯において、3台のセンサーのうち1台が機能を停止していた。稼働するセンサーが常に2台となるように、各時間帯の境に停止する1台を交替させる形で点検が行われ、点検以外の事由でセンサーの機能が停止することはなかった。
各センサーの記録を調べると、この日の4名の出入りの状況について次のことが分かった。このとき、確実に正しいといえる記述はどれか。
なお、表はA〜Dのうち、各時間帯に社内にいた者の人数を示したものである。

一:「朝」と「昼」の時間帯に稼働していた。AとDが、同じ時間帯に入館した記録が残っている。
二:4名全てが入館した記録、およびBとDが退館した記録が残っている。
三:Bを除く3名が退館した記録が残っている。

3 1 不明
  1. Aは「昼」に会社にいて、「夜」に退館した。
  2. 「昼」に会社にいたのはBであった。
  3. 「夜」に会社にいたのはBとCであった。
  4. Cは「朝」に会社にいて、「昼」に退館した。
  5. Dは「昼」に退館した。

会社にいる人の出入り状況を調べる問題です。
まずは与えられた情報を整理するところから、ですが、上手くまとめられそうですか?
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。

それでは、解説スタート!

解説

まず、本問が対応関係の問題であることに気づけるでしょうか?
見分け方としては……

いくつかの条件が与えられるのは、対応関係、位置関係、順序関係のいずれかになります。
問題文の内容的に、順序関係ではないのは明らかです。
かつ、座席などの図もありません。
(位置関係では座席などの図が始めに与えられる)
消去法で「対応関係だ」と判断できます。

問題のジャンルを見抜くのって案外重要ですよ。

モクセイ
モクセイ

ジャンルが分かれば対処法も自ずと決まってくるからね

対応関係は、最初に表を用意するのが定石でしたね。

解法のポイント
対応関係は表で可視化する
まずは適切なフォーマットを用意すること
  • 項目が2つ→○×式
  • 項目が3つ→数字など書き込み式

表の項目は、条件と選択肢を見て決めます。
本問では、「A〜D」が「朝〜夜」のいずれに「入館/退館」したのかが問われています
これを知るには、センサーの入退館の記録がヒントになりますが、そのためには各「センサー」が動いていた「時間帯」を知る必要があります
まずは、以下のように、「センサー(一〜三)」と「時間帯」に関する○×式の表を用意します。

モクセイ
モクセイ

稼働していた時間帯は「○」、停止していた時間帯は「×」ね

×

表には 一の記録に関する条件「朝」と「昼」の時間帯に稼働していた。〜 を書き込んでおきました。

「稼働するセンサーが常に2台となるように」とあるので、各時間帯に停止していたセンサーが1台ずつあることになります。
どの時間帯に停止していたか、という点から二と三が稼働した時間帯を考えると、あり得るケースは以下の2つです。

(i)
×
×
×
(ii)
×
×
×

順番に検討しましょう。

まず(i)の場合を考えます。
二は「昼」と「夜」に稼働し、「4名全てが入館した記録」を持っています。
一の「AとDが、同じ時間帯に入館した記録」と合わせると、AとDは「昼」に入館したことになります。
ところがこの場合、「昼」の時間帯にAとDの少なくとも2名が社内にいることになり、与えられた表の内容と矛盾します。
(表によると、「昼」に社内にいたのは1名だけ)

モクセイ
モクセイ

筆者は社内でランチ派かな♪(←…は?)

よって、(i)のパターンは消え、正解は(ii)のパターンで確定します。

ここからはA〜Dの時間帯による入退館を明らかにします。
すでに作った表に追記する形で、「A〜D」の「時間帯」を含めたフォーマットを追加し、ここに「入出」を書き込みます。

×
×
×
A
B
C
D
人数31不明

ここまでで、AとDはともに「朝」の時間帯に入館したことが確定しているので、これを書き込んでおきます。

二の「BとDが退館した記録」より、Dは「朝」と「夜」のいずれかに退館したことになりますが、「朝」は入館で確定なので、消去法でDの退館は「夜」だったことが分かります。
これより、Dは「昼」に会社にいたことになります。

また、三は「Bを除く3名が退館した記録」を持っています。
これは「三が稼働していた時間帯に、Bは退館しなかった」と解釈できるので、Bの退館は「朝」であったことが確定します。
さらに、「昼」の時間帯に会社にいたのはDだけなので、Bの入館は「夜」であったことも決まります。

同じく、「昼」の時間帯に会社にいたのはDだけであることより、Aは「昼」に退館したことになります。
これにより、Aは「夜」は会社にいなかったことが決まります。

×
×
×
A×
B×
C
D
人数31不明
モクセイ
モクセイ

在不在は○×で表すよ

あとはCの入退館ですが、三の「Bを除く3名が退館した記録」より、Cは「昼」と「夜」のいずれかに退館していることが分かります。

「昼」に退館した場合、入館が「朝」だったケース(ii-a)と「夜」だったケース(ii-b)、どちらも条件を満たします。

(ii-a)
×
×
×
A×
B×
C×
D
人数31不明
(ii-b)
×
×
×
A×
B×
C
D
人数31不明

「夜」に退館した場合、「朝」の人数が3人であるためにはCが「朝」に入館していなければなりません。
ですがこの場合、「昼」にCとDの2名が会社にいることになり、人数の条件を満たしません。

以上より、条件を満たすのは(ii-a)と(ii-b)のみで、確実に正しい記述は4しかありません。

よって、4が正解です。

おわりに:対応関係は表が重要

お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?

対応関係は、初手で適切な表を用意できればかなり有利に進められます。
問題のジャンルの見分け方は、解説の冒頭にある通り。
順番がテーマなら順序関係、座席などの図があれば位置関係、それ以外は対応関係です。

本問はゲートに設置されたセンサーの記録から、社員の入退館履歴を明らかにする問題でした。
センサーが稼働した時間帯と4名の出入り、両者を順に明らかにしていく必要があります。
通常の対応関係のように、表を作って解いていきます。

場合によっては、解説のように、あり得るケースを書き出してみるのも有効です。
特に、分岐が2〜3通りくらいしかないようなら、しらみ潰しが効果的です。
場合分けするときは、ヌケモレなく必ず全てのパターンを網羅しましょう。
本番は時間が限られていて焦りますから、ミスには特に注意が必要です。

モクセイ
モクセイ

場合分けの前に確定できる情報は、全て表に書き込んでおこう

最後までお読みいただきありがとうございました!

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次回もお楽しみに!

略解

「稼働するセンサーが常に2台となるように」という条件を、「時間帯ごとに1台ずつ交替で呈していた」と読み替えると、各センサーの稼働状況としてあり得るのは次の2通りである。

(i)
×
×
×
(ii)
×
×
×

(i)について、二は「昼」と「夜」に稼働し「4名全てが入館した記録」を持っていることと、一の「AとDが、同じ時間帯に入館した記録」とを合わせると、AとDは「昼」に入館したことになる。
ところがこの場合、「昼」の時間帯にAとDの少なくとも2名が社内にいることになるので不適。

以下、(ii)のパターンで考察を進める。

 
×
×
×
       
A    
B      
C      
D    
人数 3 1 不明

この表と、二の「BとDが退館した記録」より、Dの退館は「朝」ではなく「夜」だったことが分かり、Dは「昼」に会社にいたことになる。

また、三の「Bを除く3名が退館した記録」を、「三が稼働していた時間帯に、Bは退館しなかった」と解釈すると、Bの退館は「朝」であったことが確定する。
このことと、「昼」の時間帯に会社にいた人数を合わせて考えると、Bの入館は「夜」であったことも決まる。

同じく、「昼」の時間帯に会社にいたのはDだけであることから、Aは「昼」に退館したことになる。
これより、Aは「夜」は会社にいなかったことが決まる。

 
×
×
×
       
A ×
B ×
C      
D
人数 3 1 不明

Cの入退館について、三の「Bを除く3名が退館した記録」より、Cは「昼」と「夜」のいずれかに退館していることになる。

「昼」に退館した場合、入館が「朝」だったケース(ii-a)と「夜」だったケース(ii-b)、どちらも条件を満たす。

(ii-a)
×
×
×
       
A ×
B ×
C ×
D
人数 3 1 不明
(ii-b)
×
×
×
       
A ×
B ×
C
D
人数 3 1 不明

「夜」に退館した場合、「朝」の人数が3人であることより、Cは「朝」に入館したことになる。
しかしこの場合、「昼」にCとDの2名が会社にいることになるから、条件を満たさず不適。

以上、(ii-a)および(ii-b)より、確実に正しいといえる記述は4しかない。

よって、正解は4である。

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