【国家一般職】推論は解き方の見極めから。数的処理なら「命題」か「真偽表」【施設の有無に関する推論】

【国家一般職】推論は解き方の見極めから。数的処理なら「命題」か「真偽表」【施設の有無に関する推論】 判断推理
【国家一般職】推論は解き方の見極めから。数的処理なら「命題」か「真偽表」【施設の有無に関する推論】

こんにちは!
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モクセイ
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「解法のポイント」はないこともある、かもしれない

今回のテーマは……「推論(集合と論理)

数的処理で手堅く1点を得るなら、ココをしっかり対策するのがおすすめ。
なぜって、頻繁に出題される単元だからです。

しかも、パターンがほぼ決まっているので対策しやすい。
実は、公務員試験の推論問題を解く方法って、ほぼ2つしかないんです。

解法のポイント
推論の正誤を判断する方法3パターン
  1. 命題として処理(対偶や三段論法)
  2. 真偽表を作る
  3. その他

今回は、推論問題の解き方のパターンと使い分けを、数的処理の過去問みたいな演習問題を解きながら学んでいきます

モクセイ
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手っ取り早く+1点したい方にオススメな内容です

演習問題:施設の有無に関する推論

X県内にある全ての市について、百貨店、水族館、博物館、遊園地、動物園、美術館の有無を調べたところ、次のことが分かった。このとき、論理的に正しいといえるのは次のうちどれか。

  • 水族館のある市には、博物館がある。
  • 遊園地のある市には、動物園がある。
  • 博物館のある市には、動物園があり、かつ美術館もある。
  • 百貨店のない市には、美術館がない。
  1. 百貨店のある市には、博物館がある。
  2. 水族館のある市には、百貨店がある。
  3. 博物館のない市には、遊園地がない。
  4. 遊園地のない市には、動物園がない。
  5. 美術館のない市には、百貨店がない。

施設の有無についての推論問題。
適切な解法を見極めてください。

以下、詳しい解説。
あっさりした解説がお好みの方は、一番下の略解を見てね。

おっと申し遅れました。
解説は筆者、「数的処理の穴場」管理者のモクセイがお送りします。
↑これでも元塾講で国家総合職の筆記合格者

モクセイ
モクセイ

おそすぎる自己紹介

それでは、解説スタート!

解説:命題か?真偽表か?

推論問題の解法パターンをおさらい。

解法のポイント
推論の正誤を判断する方法3パターン
  1. 命題として処理(対偶や三段論法)
  2. 真偽表を作る
  3. その他

本問の条件は、全て「(〜がある)市には、(〜がある)」という文言です。
言い換えれば、「(〜がある)ならば(〜がある)」ということ。

これより、本問は【1】の命題による解法が使えると判断できます。

考える人
考える人

施設の有無(○×)だから真偽表じゃないの?

真偽表が有効なのは、○×を調べる項目が4つ以下のとき。

本問は、項目が6つ(百貨店、水族館、博物館、遊園地、動物園、美術館)もあるので、真偽表で解くのは困難です。

モクセイ
モクセイ

\(2^6=64\)通りを書き出すのはツライ

条件を命題に翻訳する

解き方要約:条件を命題にする

1つ目の条件水族館のある市には、博物館がある :\(水族館 \Rightarrow 博物館 \)

2つ目の条件遊園地のある市には、動物園がある :\(遊園地 \Rightarrow 動物園 \)

3つ目の条件博物館のある市には、動物園があり、かつ美術館もある :\(博物館 \Rightarrow (動物園 \land 美術館) \)

これは、次の2つの命題に分割できます。

\[
博物館 \Rightarrow 動物園 \\
博物館 \Rightarrow 美術館
\]

4つ目の条件百貨店のない市には、美術館がない :\(\overline{百貨店} \Rightarrow \overline{美術館} \)

以下、これらをもとに選択肢を一つずつ検討します。

1→×:推論と同じ形を探す

解き方要約:推論と同じ形を探す

推論を命題の形式で表すと、

\(百貨店 \Rightarrow 博物館\)

条件を使ってこの命題を導出できるか考えます。
それには「\(百貨店 \Rightarrow 〜\)」の形が必要です。

ところが、条件の中にこの形を含む命題はありません。
つまり、推論を表す命題を導出するのは不可能です。

したがって、選択肢1は誤りとなります。

2→○:命題を分割し三段論法で

解き方要約:分割と三段論法

推論:\(水族館 \Rightarrow 百貨店\)

「\(水族館 \Rightarrow 〜\)」の形を探すと…
ありました。
1つ目の条件が「\(水族館 \Rightarrow 博物館 \)」です。

「\(博物館 \Rightarrow 〜\)」の形があれば、三段論法で次につながります。

「\(博物館 \Rightarrow 〜\)」の形を探すと、3つ目の条件が見つかります。
これを三段論法でつなげます。

三段論法で命題をつなぐ
三段論法で命題をつなぐ

この次も同様です。
今度は「\(動物園 \Rightarrow 〜\)」もしくは「\(美術館 \Rightarrow 〜\)」の形を探します

よくよく見ると、4つ目の条件の対偶が該当すると気づくはず。
「\(美術館 \Rightarrow 百貨店\)」なので、三段論法により次のようになります。

三段論法により推論を導出
三段論法により推論を導出

つまり、「\(水族館 \Rightarrow 百貨店\)」は真です。

したがって、選択肢2は正しいといえます。

3→×:対偶も忘れずにチェック

解き方要約:対偶も忘れない

推論:\(\overline{博物館} \Rightarrow \overline{遊園地} \)

1つ目の条件の対偶をとると、「\(\overline{博物館} \Rightarrow 〜\)」の形が表れます
つまり、「\(\overline{博物館} \Rightarrow \overline{水族館}\)」

今度は「(\overline{水族館} \Rightarrow 〜\)」の形を探しますが、条件の命題(とその対偶)の中にこの形はなく、次につながりません。
つまり、推論を導出することができません。

したがって、選択肢3は誤りです。

4→×:推論と同じ形が条件にあるか?

解き方要約:条件から推論を導けるか?

推論:\(\overline{遊園地} \Rightarrow \overline{動物園} \)

「\(\overline{遊園地} \Rightarrow 〜\)」を探しますが、条件の命題(とその対偶)の中にこの形はなく、推論を導出できません。

したがって、選択肢4は誤りです。

5→×:対偶を三段論法でつなぐ

解き方要約:条件を三段論法でつなぐ

推論:\(\overline{美術館} \Rightarrow \overline{百貨店}\)

「\(\overline{美術館} \Rightarrow 〜\)」の形を探すと、3つ目の条件(分割した2つ目)の対偶がこれに当たります。
これと1つ目の条件の対偶を三段論法でつなげると、次のようになります。

\[
\overline{美術館} \Rightarrow \overline{博物館} \Rightarrow \overline{水族館}
\]

今度は「\(\overline{水族館} \Rightarrow 〜\)」の形が必要ですが、条件の命題(とその対偶)の中にこの形はありません。

したがって、選択肢5は誤りです。

モクセイ
モクセイ

「\(〜 \Rightarrow \overline{百貨店} \)」の形がないから×、と考えてもOK

以上より、2が正解です。

おわりに:推論は「命題」または「真偽表」で解く

お疲れ様でした!

推論は「命題」と「真偽表」、どちらで解くか判断するのが第一歩。

今回は前者、命題で解くタイプの推論問題でした。
条件、選択肢とも命題に変換しやすいシンプルな文言になってます。
対偶や三段論法、命題の分割といった基礎力が問われます。

こういう問題は落とすと周りに差をつけられるので注意。

モクセイ
モクセイ

簡単な問題も、気を抜かない

オマケのもう一問。
やや簡単な方↓

こっちはちょっと難しめ↓

最後に一言

アクションゲームの新武器にもれなくワクワクする

最後までお読みいただきありがとうございました。

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次回もお楽しみに!

略解

1つ目の条件:\(水族館 \Rightarrow 博物館 \)
2つ目の条件:\(遊園地 \Rightarrow 動物園 \)
3つ目の条件:\(博物館 \Rightarrow (動物園 \land 美術館) \)
4つ目の条件:\(\overline{百貨店} \Rightarrow \overline{美術館} \)

選択肢1→×
推論:\(百貨店 \Rightarrow 博物館\)

条件(およびその対偶)に「\(百貨店 \Rightarrow 〜\)」の形を含むものがないから、推論命題を導出するのは不可能。

したがって、選択肢1は誤り。

選択肢2→○
推論:\(水族館 \Rightarrow 百貨店\)

1つ目の条件と3つ目の条件に三段論法を用いる。

三段論法で命題をつなぐ

三段論法で命題をつなぐ

4つ目の条件の対偶を考えると、再び三段論法が使える。

三段論法により推論を導出

三段論法により推論を導出

これは推論命題に他ならない。

したがって、選択肢2は正しい。

選択肢3→×
推論:\(\overline{博物館} \Rightarrow \overline{遊園地} \)

1つ目の条件の対偶は、「\(\overline{博物館} \Rightarrow \overline{水族館}\)」
「(\overline{水族館} \Rightarrow 〜)」の形をもつ条件命題があれば三段論法が使えるが、条件(とその対偶)にこの形はなく、推論命題を導出することができない。

したがって、選択肢3は誤り。

選択肢4→×
推論:\(\overline{遊園地} \Rightarrow \overline{動物園} \)

条件(とその対偶)に「\(\overline{遊園地} \Rightarrow 〜\)」の形がないため、推論命題を導出できない。

したがって、選択肢4は誤り。

選択肢5→×
推論:\(\overline{美術館} \Rightarrow \overline{百貨店}\ )

推論命題の導出には「\(〜 \Rightarrow \overline{百貨店} \)」の形が必要となるが、条件(とその対偶)にこの形を含む命題はない。

したがって、選択肢5は誤り。

以上より、2が正解である。

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