【国家総合職】知れば1点UP!ニュートン算が得意になる魔法の3ステップ【果樹園における果物の収率】

こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。

引っ越した後に郵便局へ出した転居届がようやく機能し始めて、新居に郵便物が転送されるようになりました。
引っ越してすぐに出したはずだったのに、実際に転送されるまで1ヶ月ほどタイムラグがありました。
これから引っ越しをされる方は、引っ越し前の早い段階で転居届を出しておくことをおすすめします。

この記事を読むと……
  • 数的処理で頻出のニュートン算を扱った問題の解き方が分かる
  • 過去問の類題を例に、本番で役立つ「解法のポイント」の使い方を学べる
  • どこよりも詳しい解説で、本試験レベルの問題を完全理解

  →数的処理の「あと一点」が実現!

今回のテーマは「ニュートン算」。
ニュートン算とは、「増えながら減っていく状況」を扱った問題のことです。
ありがちなのが、

  • 受付の窓口業務(客を処理する間も客が増え続ける)
  • 牧場の草を食べる牛(草を食べる間も新しく草が生える)
  • 穴の空いたタンクへの注水(水を注ぐ間も水が漏れ出す)

公務員試験の数的処理では、こうしたニュートン算の問題が時折出題されます。
頻出というほどではありませんが、決まったやり方で解けるので得点源にしやすくオススメです。
この機会に対策をしっかり身につけてしまいましょう!

この記事では、公務員試験の数的処理で頻出のニュートン算を扱った問題について、まずはじめに解き方の流れを紹介します。
それから過去問の類題を一緒に解いて理解していただくことで、本番で使える解法を身につけていってもらいます!

講義:ニュートン算の考え方

ニュートン算の基本的な流れは、

  1. 分からない数字を文字でおく
  2. 収支の関係を方程式で表す
  3. 連立させて目的の数量を得る
解法のポイント
ニュートン算を解く3ステップ:
「文字でおく→方程式を立てる→連立で解く」

まずはニュートン算の問題であることに気づくことが大切です。
ニュートン算だと分かったら、あとは分からない数字をとりあえず文字でおいて、方程式を立ててみるのがオススメです。

(例題)
ある牧場では、80頭の牛を放すと21週間で草を食べつくし、93頭の牛を放すと18週間で食べつくす。
1週間で生える草の量は一定とし、またどの牛も1週間で食べる草の量は同じであるとする。
この牧場で、100頭の牛を10週間放したのち、さらに何頭の牛を加えて放牧したら、2週間で草を食べつくすか。

(答)

1週間に生える草の量をxとする。
1週間に1頭の牛が食べる草の量をyとする。
もともと生えていた草の量を左辺と右辺、それぞれで表すと、

80y×21-21x=93y×18-18x ・・・①
これを整理しましょう。
1680y-21x=1674y-18x
-3x=-6y
x=2y

これを①の左辺に代入すると、
1680y-41y=1638y となります。
もともと生えていた草は、1638y と表すことができます。
これを用いて、
「この牧場で、100頭の牛を10週間放したのち、さらに何頭の牛を加えて放牧したら、2週間で草を食べつくすか」
という内容を方程式にしてみましょう。
新しく加える牛をz頭とします。
牛が食べ尽くした草の総量を表す式は、
100y×10+2(100+z)y=1638y+12x
x=2yですから、これを代入すると、
1000y+200y+2yz=1638y+24y
1200y+2yz=1662y
両辺をyで割って、
1200+2z=1662
2z=462
z=231
答は、231頭 です。

山と数学、そして英語。:ニュートン算と連立方程式

演習問題:果樹園における果物の収率

毎月一定数の果物が実をつける果樹園がある。ここではある決まった個数の果物ができるごとに、同じ性能を持つ機械を何台か用いて、できた果物を全て収穫することにしている。全ての果物を収穫するのにかかる日数は、6台の機械を使った場合は5日、5台の機械を使った場合は9日である。
ところが、この果樹園はある日を境に野生動物による被害を受けるようになり、現在は毎日一定数の果物が収穫されずに廃棄されている。この状況下で5台の機械を使って果物を収穫したところ、全て収穫するのに8日かかった。このとき、毎月実をつける果物の個数は、野生動物の被害を受けて1日あたりに廃棄される果物の個数の何倍か。
ただし、野生動物の被害を受けていない果物は全て収穫されるものとする。

  1. 165倍
  2. 350倍
  3. 485倍
  4. 680倍
  5. 720倍

国家総合職で頻出の、ニュートン算の問題です。
「毎日」なのか「毎月」なのかといった、単位の扱いにも注意しましょう。
以下で詳しく解説します。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。

それではスタート!

解説

収穫する間も実が増える、という設定は、まさしく「増えながら減っていく状況」です。

モクセイ
モクセイ

「ニュートン算の問題だ!」と気づいてほしい

解法のポイント
ニュートン算を解く3ステップ:
「文字でおく→方程式を立てる→連立で解く」

収支の関係をもとにいくつか方程式を立てて、それらを連立させて解くことで目的の量(ここでは毎月実をつける果物の個数)を得る、というのが基本的な流れになります。

ニュートン算の3ステップ:文字でおく

今回は以下のように未知数を4つ導入します。

果物の全数\(X\)
実をつける果物の個数(1ヶ月ごと)\(x\)
1台の機械が収穫できる果物の個数(1日ごと)\(y\)
被害に遭う果物の個数(1日ごと)\(z\)

こうすると、\(x=○z\)の○に入る数字が分かればいいことになりますね。

モクセイ
モクセイ

\(x=○z\)の形を得るのを目標に進めよう

ニュートン算の3ステップ:方程式を立てる

ここからは4つの文字を使って方程式を立てていきます。

まず、「(全ての果物を収穫するのにかかる日数は)6台の機械を使った場合は5日」という部分で1つ方程式ができます。
(得られる果物の個数)=(収穫する果物の個数)という関係式を作るんです。

左辺は、収穫開始時には\(X\)だけあった果物に、収穫する5日間にできる果物の個数である\(\frac{x}{30}×5\)を加えたものです。

モクセイ
モクセイ

「毎月」の収量が\(x\)だから、「毎日」の収量は\(\frac{x}{30}\)だ!

右辺は、機械1台あたりの5日間の収量は\(5y\)なので、6台では\(5y×6\)です。

これらにより、方程式は以下のように立てられます。

\[
X+\frac{5}{30}x=30y・・・\mathrm{(i)}
\]

次に、同じようにして「(全ての果物を収穫するのにかかる日数は)5台の機械を使った場合は9日」の部分に対し、方程式を作ります。

得られる果物の個数:収穫開始時の\(X\)に、収穫する9日間にできる果物の個数である\(\frac{x}{30}×9\)を加えます。
収穫する果物の個数:機械1台あたりの9日間の収量は\(9y\)なので、5台では\(9y×5\)です。

これらにより、次のような方程式が得られます。

\[
X+\frac{9}{30}x=45y・・・\mathrm{(ii)}
\]

さらに、「ところが〜」以降の「5台の機械を使って果物を収穫したところ、全て収穫するのに8日かかった」という部分でも、1つ方程式を作れます。

得られる果物の個数:収穫開始時の\(X\)に、収穫する8日間にできる果物の個数である\(\frac{x}{30}×8\)を加え、被害に遭った個数である\(8z\)を除きます。
収穫する果物の個数:機械1台あたりの8日間の収量は\(8y\)なので、5台では\(8y×5\)です。

これらにより得られる方程式は以下です。

\[
X+\frac{8}{30}x-8z=40y・・・\mathrm{(iii)}
\]

与えられた条件から作れる方程式は以上です。

モクセイ
モクセイ

あとは連立方程式を解くだけ!

ニュートン算の3ステップ:連立で解く

(ii)-(i)より、\(\frac{4}{30}x=15y\)
よって、\(y=\frac{4}{30×15}x\)

目標は「\(x=○z\)の形」なので、代入で消せるように\(y\)について解きました。
(i)に\(y\)を代入し、\(y\)を消去しましょう。

\[
X+\frac{5}{30}x=30×\frac{4}{30×15}x
\]

よって、\(X=\frac{3}{30}x\)
ここでも、あとで\(X\)を消せるように\(X\)について解きました。

あとは、これら\(X\)と\(y\)を(iii)に代入すれば、\(x\)と\(z\)の関係式になります。

\[
\frac{3}{30}x+\frac{8}{30}x-8z=40×\frac{4}{30×15}x
\]

これを\(x\)について解くと、\(x=720z\)

よって、5が正解です。

おわりに:ニュートン算は連立方程式で解決

お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?

ニュートン算は、「文字でおく→方程式を立てる→連立で解く」です。

ニュートン算の基本的な解き方を知っていれば、対応可能な問題だったのではないでしょうか。
通常の方程式の問題のように、分からない数値をとりあえず文字で置いたあと、連立方程式で不要な文字を消去していくことになります。
特に初めは文字が入り乱れて混乱しやすいので、目標を明確に意識することが大切です。

モクセイ
モクセイ

筆者もよく上司から「目的を見失うな」って注意されるよ

本問でいう\(x=○z\)のように、最終的に求めたい数値は何なのか、それを知るにはどんな形の方程式が必要なのか、を最初にはっきりさせておくと道に迷わなくてすみます。
本問であれば、ゴールが\(x=○z\)の形だと分かっていれば、\(X\)や\(y\)は不要だから消去できるように連立方程式でこれらについて解こう、と意識できるようになりますよね。

ニュートン算は、国家総合職の数的処理では出題されやすいテーマなので、苦手な方もまずは簡単な問題から解けるように練習してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

本サイトでは、今後もこうした演習用の問題をアップしていく予定なので、ブックマークなどして気軽に訪れてもらえたらうれしいです。
また、運営のやる気UPと記事のクオリティアップにつながりますので、ご意見やご感想などありましたら、お気軽にコメントにてお知らせください!
いいねボタンだけでも押して行っていただけると、投稿の励みになりますので、ぜひポチッとよろしくお願いします!

次回もお楽しみに!

略解

以下の通り、4つの未知数を導入する。

果物の全数 \(X\)
実をつける果物の個数(1ヶ月ごと) \(x\)
1台の機械が収穫できる果物の個数(1日ごと) \(y\)
被害に遭う果物の個数(1日ごと) \(z\)
まず、「(全ての果物を収穫するのにかかる日数は)6台の機械を使った場合は5日」という部分について、(得られる果物の個数)=(収穫する果物の個数)という関係式を作る。
(「毎月」の収量が\(x\)であるから、「毎日」の収量は\(\frac{x}{30}\)となることに注意)

\[
X+\frac{5}{30}x=30y・・・\mathrm{(i)}
\]

「(全ての果物を収穫するのにかかる日数は)5台の機械を使った場合は9日」の部分について、同様に方程式を立てる。

\[
X+\frac{9}{30}x=45y・・・\mathrm{(ii)}
\]

「5台の機械を使って果物を収穫したところ、全て収穫するのに8日かかった」という部分についても、同様に方程式を立てる。

\[
X+\frac{8}{30}x-8z=40y・・・\mathrm{(iii)}
\]

(ii)-(i)より、\(y=\frac{4}{30×15}x\)
(i)に\(y\)を代入し、\(X\)について解くと、\(X=\frac{3}{30}x\)

これらを(iii)に代入し、\(x\)について解くと、\(x=720z\)

したがって、正解は5である。

コメント

タイトルとURLをコピーしました