こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。
最近朝が寒すぎて、暖房をタイマーで起動させておかないと布団から出られない日々。
前回は、信号機のある歩道を周回する問題をやりましたね。
数的処理の重要単元である「速さ」の出題パターンを知ることができる問題なので、解いてない方はぜひ挑戦してみてください。
今回のテーマは「ニュートン算」です。
ニュートン算の解き方は決まっていて、マスターすれば誰でも攻略できます。
以下の記事で、定番の解き方を紹介してるので、参考にしてください。
演習問題:工場の生産ラインに動員する作業員の数
ある工場では、毎日一定数の製品を製造する機械Xを用い、製造した製品を人の手作業で梱包し出荷している。この工場において、梱包されないままストックされた在庫がいくつかある状態からスタートして、Xを稼働させながら製品を梱包する作業を行う。作業員を500人動員するとちょうど5日間で全ての製品を梱包でき、作業員を600人動員するとちょうど4日間で全ての製品を梱包できる。
いま、初日に作業員を\(N\)人動員し、その翌日から1日10人の作業員を追加で動員し続けたところ、ちょうど10日間で全ての製品を梱包できたとすると、\(N\)はいくらか。
ただし、作業員1人が1日に消化できる仕事の量は全て等しいものとする。
- 240人
- 255人
- 260人
- 275人
- 290人
2
一定量の製品が製造される工場で、手作業のストックを解消するのにかかる日数をテーマにした問題です。
問題文のヒントをもとに、定量的に考察しましょう。
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。
それでは、解説スタート!
解説
すでにある在庫を処理する間も、機械Xによって製品が製造され増え続けます。
「増えながら減る」という設定は、正しく「ニュートン算」です。
ニュートン算では、必要な数量を文字でおいて連立方程式を解くのが基本的な流れになります。
「文字でおく→方程式を立てる→連立で解く」
求めたい数量だけでなく、分からない数量をとりあえず全て文字で表してみるのがコツです。
ニュートン算の3ステップその1:文字でおく
本問で分からない数量を、次のように文字でおきます。
初日に動員する作業員数:\(N\)
元々ある在庫数:\(S\)
Xが1日に製造する製品の個数:\(x\)
作業員1人が1日に梱包できる製品の個数を\(y\)
ニュートン算の3ステップその2:方程式を立てる
まず、「作業員を500人〜」の部分を、梱包する製品の全数に着目して式で表します。
つまり、元々ある在庫数\(S\)に5日間で製造される製品の数\(5x\)を加えたものが、作業員500人が5日間に処理する製品の数\(5×500×y\)に等しいので、\(S+5x=2500y\)……(i)
「作業員を600人〜」の部分を同じように定式化すると、\(S+4x=2400y\)……(ii)
次に、「初日に作業員を\(N\)人動員し、その翌日から1日10人の作業員を追加で動員し続けたところ、ちょうど10日間で全ての製品を梱包できた」という部分を数式化します。
本問の肝、\(N\)に関するトコロ
10日間に処理する製品の全数は、(i)と同様に考えて\(S+10x\)と表せます。
これが方程式の左辺にあたります。
右辺はどのように表されるでしょうか?
まず、初日に動員される\(N\)人の作業員が、10日間で処理する製品の個数は\(10×N×y\)と表せます。
次の日に追加で動員される10人が、9日間で処理する製品の個数は\(9×10×y\)で与えられます。
さらに次の日に動員される10人が、8日間で処理する製品の個数は\(8×10×y\)
……
このようにして最後の1日に動員される10人が処理する製品の個数(\(1×10×y\))までを求めると、10日間で処理される製品の個数(=10日間に処理する製品の全数)が分かります。
すなわち、\(10Ny+90y+80y+70y+60y+50y+40y+30y+20y+10y=10(N+45)y\)
これより、\(N\)に関する方程式が得られます。
\(S+10x=10(N+45)y\)……(iii)
ニュートン算の3ステップその3:連立で解く
(i)−(ii)より、\(x=100y\)
これを(i)に代入して、\(S=2000y\)
これらを(iii)に代入して、\(3000y=10(N+45)y\)
これより、\(N=255\)
よって、2が正解です。
おわりに:ニュートン算は連立方程式で
お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?
ニュートン算は「文字」→「立式」→「連立」で解けます。
在庫+新しく製造される個数分の製品を処理するニュートン算の問題でした。
ニュートン算は、必要な数量(今回は\(S\)と\(x\)と\(y\))を表す文字を導入して既知の関係を数式化し、それらを連立させて解く、というのが基本的な流れになります。
その際、必ずしも全ての未知数を求める必要はありません。
連立方程式を解いて、未知数を一つの文字で表すことができればそれでOKです。
例えば本問なら、\(x\)と\(S\)を\(y\)で表せば、あとはこれらを3つめの方程式に代入することで\(N\)を求められましたね。
\(x\)と\(S\)を具体的な数値で求めることにはこだわらなくても大丈夫なのです。
この定石は他のニュートン算の問題にも通用します。
本サイトで扱ったニュートン算の問題はこちらからチェックしてみてください。
国家総合職では、ニュートン算は出題されやすいテーマです。
普通なら今回紹介した方法(連立方程式を立てるやり方)で解けるので、問題を繰り返し解いて解法を身に付けてしまいましょう。
参考書でも、多くはニュートン算を一つの単元として扱っているはずなので、本問の解説を難しく感じた場合はそちらに戻って確認するのもよいでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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次回もお楽しみに!
略解
元々ある在庫数を\(S\)、Xが1日に製造する製品の個数を\(x\)、作業員1人が1日に梱包できる製品の個数を\(y\)とおく。
「作業員を500人〜」の部分を、梱包する製品の全数に着目して式で表す。
すなわち、\(S+5x=2500y\)……(i)
「作業員を600人〜」の部分も同様にすると、\(S+4x=2400y\)……(ii)
(i)、(ii)より、\(x=100y\)、\(S=2000y\)
次に、「初日に作業員を\(N\)人動員し、その翌日から1日10人の作業員を追加で動員し続けたところ、ちょうど10日間で全ての製品を梱包できた」という部分について、10日間に処理する製品の全数は、\(S+10x\)と表せる。
ここで、初日に動員される\(N\)人の作業員が、10日間で処理する製品の個数は\(10×N×y\)と表せる。
次の日に追加で動員される10人が、9日間で処理する製品の個数は\(9×10×y\)
さらに次の日に動員される10人が、8日間で処理する製品の個数は\(8×10×y\)
同様にして、最後の1日に動員される10人が処理する製品の個数(\(1×10×y\))までを求めると、10日間で処理される製品の個数(=10日間に処理する製品の全数)は、
\(10Ny+90y+80y+70y+60y+50y+40y+30y+20y+10y=10(N+45)y\)
よって、\(S+10x=10(N+45)y\)
\(x=100y\)、\(S=2000y\)より、\(3000y=10(N+45)y\)
これより、\(N=255\)
よって、正解は2である。
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