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「解法のポイント」はないこともある、かもしれない
今回のテーマは……「対応関係」
まずは本サイトの肝である「解法のポイント」を紹介。
数的処理の問題に幅広く使える、解き方のテクニックです。
まずは適切なフォーマットを用意すること
- 項目が2つ→○×式
- 項目が3つ→数字など書き込み式
この「解法のポイント」について、詳しく知りたい方は以下の記事をチェック。
今回も、過去問をもとに作ったオリジナルの演習問題を解きながら、「解法のポイント」の使い方を学んでいきます。
演習問題:鉄道路線の降車駅と対応関係
ある鉄道の路線上にある駅を、停車する順にP、α、β、γとしたとき、X社に最も近い駅はP、最も遠い駅はγである。ある日、この路線を利用するX社の社員A〜Gが、Pで、同時刻にγ行きの列車に乗車した後、それぞれα、β、γのいずれかで下車した。下車した駅について、次のことが分かっているとき、確実に誤りであるとはいえない記述はどれか。
ただし、γはこの路線の終着駅であるとする。
- AはDが降りる1駅前で下車した。
- BはGが降りる2駅前で下車した。
- CとEは同じ駅で下車した。
- GはFが降りる1駅後で下車した。
- A〜Gの中に、αで下車した者は2人いた。
- AはCが降りる1駅後で下車した。
- AはFが降りる2駅前で下車した。
- BとDは同じ駅で下車した。
- DはFが降りる1駅前で下車した。
- EとFは同じ駅で下車した。
5
A〜Gが下車した駅の前後関係の問題。
最初に何をすべきか、少し分かりにくいかも?
以下、詳しい解説。
あっさりした解説がお好みの方は、一番下の略解を見てね。
おっと申し遅れました。
解説は筆者、「数的処理の穴場」管理者のモクセイがお送りします。
↑これでも元塾講で国家総合職の筆記合格者
おそすぎる自己紹介
それでは、解説スタート!
解説:「A〜G」と「駅」の対応関係を表にする
選択肢を見るに、本問は「A〜Gがどの駅で降りたか?」が分かれば解けます。
つまり、A〜Gと下車した駅の対応関係を調べよ、というのが主旨です。
本サイトでは、対応関係の問題で表を作ることの重要性を繰り返し伝えています。
まずは適切なフォーマットを用意すること
- 項目が2つ→○×式
- 項目が3つ→数字など書き込み式
必要な項目は「A〜G」と「下車した駅」の2つ。
そこで、次のような○×式の表を用意します。
α | β | γ | |
A | |||
B | |||
C | |||
D | |||
E | |||
F | |||
G |
調べたい項目が2つなら○×式で
分かることを対応関係の表にする
2つ目の条件BはGが降りる2駅前で下車した。 より、Bはα、Gはγで下車したことが決まります。
「αβγ」に「B○G」をあてがうイメージで
すると、 4つ目の条件GはFが降りる1駅後で下車した。 より、Fはβで下車したことも決まります。
また、
1つ目の条件AはDが降りる1駅前で下車した。
は、Aの1駅後がD、ということ。
これより、Aはγではなく、Dはαではないことになります。
「αβγ」に「AD」をあてがうなら「AD○」か「○AD」
ここまでを対応関係の表に書き込みます。
α | β | γ | |
A | × | ||
B | ○ | × | × |
C | |||
D | × | ||
E | |||
F | × | ○ | × |
G | × | × | ○ |
CとEを考えるとAとDの対応関係が決まる
ここで、 3つ目の条件CとEは同じ駅で下車した。 について考えてみます。
上の表と 5つ目の条件A〜Gの中に、αで下車した者は2人いた。 を合わせると、CとEが下車した駅はαではないことが分かります。
CとEがαだと3人になってしまう
これより、αで下車したもう1人はAとするしかありません。
すると、Dはβで下車したことも確定します。
対応関係の表に記入します。
α | β | γ | |
A | ○ | × | × |
B | ○ | × | × |
C | × | ||
D | × | ○ | × |
E | × | ||
F | × | ○ | × |
G | × | × | ○ |
条件から決まるのはここまで。
CとEが「βの場合」と「γの場合」は、いずれも可能性として残ります。
α | β | γ | |
A | ○ | × | × |
B | ○ | × | × |
C | × | ○ | × |
D | × | ○ | × |
E | × | ○ | × |
F | × | ○ | × |
G | × | × | ○ |
α | β | γ | |
A | ○ | × | × |
B | ○ | × | × |
C | × | × | ○ |
D | × | ○ | × |
E | × | × | ○ |
F | × | ○ | × |
G | × | × | ○ |
この表をもとに選択肢を検討すると、確実に誤りであるとはいえないのは5だけ。
よって、5が正解です。
おわりに:対応関係には表。2項目なら○×で
お疲れ様でした!
対応関係の基本は、表を作ること。
選択肢をヒントに表に含める項目を決めます。
項目が2つなら○×式、3つなら文字の書き込み式が有効です。
今回は、A〜Gが下車した駅を調べる問題でした。
必要な項目は「A〜G」と「駅」の2つなので、○×式の表にします。
CとEの駅が確定しなくても、誤りとはいえない記述は選べます。
もう一問、学べるドン。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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略解
「A〜G」と「下車した駅」の対応関係を、○×式の表にする。
2つ目の条件「BはGが降りる2駅前で下車した。」より、Bはα、Gはγで下車したことになる。
すると、4つ目の条件「GはFが降りる1駅後で下車した。」より、Fはβで下車したことも決まる。
さらに、1つ目の条件「AはDが降りる1駅前で下車した。」より、Aはγではなく、Dはαではない。
α | β | γ | |
A | × | ||
B | ○ | × | × |
C | |||
D | × | ||
E | |||
F | × | ○ | × |
G | × | × | ○ |
3つ目の条件「CとEは同じ駅で下車した。」について考える。
上の表と、5つ目の条件「A〜Gの中に、αで下車した者は2人いた。」より、CとEが下車した駅はβかγであり、αのもう1人はAで確定する。
加えて、Dはβで下車したことも決まる。
α | β | γ | |
A | ○ | × | × |
B | ○ | × | × |
C | × | ||
D | × | ○ | × |
E | × | ||
F | × | ○ | × |
G | × | × | ○ |
対応関係は確定せず、CとEが「βの場合」と「γの場合」が可能性として残る。
α | β | γ | |
A | ○ | × | × |
B | ○ | × | × |
C | × | ○ | × |
D | × | ○ | × |
E | × | ○ | × |
F | × | ○ | × |
G | × | × | ○ |
α | β | γ | |
A | ○ | × | × |
B | ○ | × | × |
C | × | × | ○ |
D | × | ○ | × |
E | × | × | ○ |
F | × | ○ | × |
G | × | × | ○ |
表より、確実に誤りであるとはいえない選択肢は5だけである。
よって、5が正解である。
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