こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。
「模擬テスト」を作るため、過去の記事を単元ごとに整理していたら、思いの外問題数が少ない単元があってびっくりでした。
……記事の投稿がんばります。
前回は分数の和を求める問題をやりましたね。
国家総合職としてはやや易しめの難易度設定なので、まだの方は気軽にチャレンジしてみてください。
もう解いた方は、いいタイミングで復習をしてください。
やり方として、解説だけ読み返して短時間で済ませるのもいいですが、演習の効果を高めるには解き直しがおすすめです。
初めのうちは解き直しをして正答にたどり着かないこともあるかと思いますが、全く問題ありません。
ただし、今度は「何に引っかかって正解できなかったのか」を明らかにして、その引っかかりを解消するように解説を読み込んでください。
解き直しの中で生まれた疑問をなくすことで、前回とは異なった角度から解法を理解できるようになります。
すると、次に似た問題を見たときに、知っている問題の解法を活用して解くことができるようになります。
こうして新しい問題を何度も解き直して理解を深めることは、本番で初見の問題に対応するための方法の一つです。
ぜひ、新しい問題を見たら解き直しをする習慣を身に付けてみてください。
復習がバッチリな方は、本日の問題へ参りましょう!
本日の演習問題
あるセレモニーに参加した男性のうち、一部の者はそれぞれ同伴の女性を1人連れてきており、それ以外の者は単身だった。このセレモニーについて、次のことが分かっているとき、単身で参加した男性は何人か。
- 男性同士は、全て1対1で握手を交わした。
- 女性は、それぞれ自分と同伴した男性以外の全ての人と、1対1で自己紹介を行った。
- 1対1のやりとりを1回と数えると、握手は計105回、自己紹介は計162回行われた。
- 4人
- 6人
- 8人
- 10人
- 12人
2
セレモニーに単身で参加した男性の人数を求める問題です。
ヒントをもとに、まずは男性全体の人数を明らかにしましょう。
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。
それではスタート!
詳しい解説
条件を見ると、握手を交わしたのは男性同士のみであることが分かります。
それが全部で105回だったということは、男性の参加者から1対1の組み合わせを選ぶ方法が105通りある、ということです。
男性の人数を\(m\)とおいて式にすると、\({}_m \mathrm{C}_2=105\)となります。
\[
{}_m \mathrm{C}_2=\frac{m(m-1)}{2}=105 \\
→m^2-m-210=(m-15)(m+14)=0
\]
\(m>0\)なので、\(m=15\)
よって、男性の参加者は全部で15人だったと分かります。
あとは同伴の女性の人数(\(n\)とおきます)が分かれば、単身で参加した男性の人数も分かりますね。
自己紹介が行われた回数から、\(n\)の値を求めます。
次に、条件「女性は、それぞれ自分と同伴した男性以外の全ての人と、1対1で自己紹介を行った」について考えます。
まず、\(n\)人の女性は同伴者の男性を除く14人と自己紹介を交わしており、その回数は\(14n\)です。
さらに、女性は他の全ての女性とも1対1で自己紹介を行っており、その回数は\({}_n \mathrm{C}_2\)です。
これらの合計が162回なので、次の方程式を得ます。
\[
14n+{}_n \mathrm{C}_2=14n+\frac{n(n-1)}{2}=162 \\
→n^2+27n-324=(n-9)(n+36)=0
\]
\(n>0\)なので、\(n=9\)
これより、単身で参加した男性の人数は\(15-9=6\)人
よって、2が正解です。
おわりに
お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?
セレモニーに参加した男性のうち、単身だった者の人数を数える問題でした。
握手の回数と自己紹介の回数を組み合わせで数え上げて、2段階の二次方程式で処理します。
対応関係などに比べると、一見何の単元の問題か分かりづらいので、最初の一手を見出すのに苦労した方もいるのではないかと思います。
数え上げの問題では、見落としで数え損なったり、逆に重複してカウントしてしまわないように十分注意しましょう。
本問は「場合の数」と「方程式」の中間のような内容で、カテゴリの分類が難しい問題です。
対応関係なら対応関係で、「表を作って〜」というある程度お決まりの手順があるのでいいですが、本問はそれが見えにくいところにクセがある出題だったと思います。
最初の一手が分かった人とそうでない人、明暗がはっきりと二分されやすい問題だったのではないでしょうか。
本番なら、あらかじめ考える時間を決めておいて、全く手が出なければ潔くスルーするのも一つの方法です。
特に、まだ全問見てない状況でこうした問題に固執してしまうと、時間ばかり無駄にすることにもなりかねないので、深みにはまらないように区切りを決めておくことが大切です。
ある程度問題演習の経験を積んだら、ぜひ時間を意識して解く練習にもチャレンジしてみてください。
本サイトの「模擬テスト」は、出題構成、問題数とも本番に近い形にしてあるので、役に立つはず。
本サイトでは、今後もこうした演習用の問題をアップしていく予定なので、ブックマークなどして気軽に訪れてもらえたらうれしいです。
また、運営のやる気UPと記事のクオリティアップにつながりますので、ご意見やご感想などありましたら、お気軽にコメントにてお知らせください!
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次回もお楽しみに!
略解
男性の人数を\(m\)とおくと、\(m\)人から1対1で握手を交わす2人を選出する方法が105通りなので、次式を得る。
\[
{}_m \mathrm{C}_2=\frac{m(m-1)}{2}=105 \\
→m^2-m-210=(m-15)(m+14)=0
\]
\(m>0\)であるから、\(m=15\)
次に、同伴した女性の人数を\(n\)とおき、条件「女性は、それぞれ自分と同伴した男性以外の全ての人と、1対1で自己紹介を行った」を考える。
まず、\(n\)人の女性は同伴者の男性を除く14人と自己紹介を交わしており、その回数は\(14n\)
さらに、女性は他の全ての女性とも1対1で自己紹介を行っており、その回数は\({}_n \mathrm{C}_2\)
これらの合計が162回であることから、次式を得る。
\[
14n+{}_n \mathrm{C}_2=14n+\frac{n(n-1)}{2}=162 \\
→n^2+27n-324=(n-9)(n+36)=0
\]
\(n>0\)であるから、\(n=9\)
これより、単身で参加した男性の人数は、\(15-9=6\)
よって、正解は2である。
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