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「解法のポイント」はないこともある、かもしれない
今回のテーマは……「対応関係」
年に1問は当たり前、2〜3問出る年もザラにあります。
ここを盤石にできれば、試験ではかなり優位に立てます。
同時に、最も苦手意識を持ちやすい単元であったりもします。
筆者もなかなか初見の問題を解けるようにならず、かなり悩まされました。
そんな筆者が見出した、対応関係の極意をお教えします
対応関係の極意はただ一つ。
それは……
【表を作って解くこと】
まずは適切なフォーマットを用意すること
- 項目が2つ→○×式
- 項目が3つ→数字など書き込み式
この「解法のポイント」は、以下の記事で詳しく説明しています。
今回は、過去問をもとに作ったオリジナルの演習問題を解きながら、「解法のポイント」の使い方を学んでいきます。
表を使った解き方が身につくと……
どう解くか?で悩まなくなる
+ 思考を整理できる
→素早く、確実に正解にたどり着く
あと正解できるようになって楽しい
演習問題:出張スケジュールと対応関係
ある会社には、A、B、Cという3つの支社がある。この会社に勤務する3人の社員X、Y、Zが、10月1日〜9日の9日間に各支社へ出社する計画を立てる。計画の要件は次の通りである。
- 各社員は1日単位で出社するが、複数の日にわたって同じ支社に出社してもよい。
- 各支社を移動する時間は、1日単位の移動日とする。移動にかかる日数は、AーC間は2日間、AーB間およびBーC間は1日間とし、この間はどの支社にも出社できない。
- この9日間は、いずれの社員もいずれかの支社に出社するか、あるいは移動日であるとし、Cには必ず連続する2日間だけ出社する。
- 1日はA、6日はC、9日はBで、それぞれ支社ごとの会議があり、いずれの社員も該当の支社に出社しなければならない。
- 4日はZだけがBに出社、5日はYだけがCに出社とする。
計画の実施状況について、1日〜6日の間は計画通りであったが、6日の夜に1人が体調を崩し、7日以降出社できなかった。そこで、7日にCに出社する予定であったこの社員を、7日を移動日として8日から2日間Bに出社させた。その結果、X、Y、Zの3人はいずれも2日間ずつBに出社していたことが分かった。このとき、確実に正しいといえるのはどれか。
- 10月2日、Yは移動日であった。
- 10月3日、ZはBに出社した。
- 10月7日、Xは計画通りCに出社した。
- 10月8日、Yは計画では移動日であったが、Bに出社した。
- 10月8日、Zは計画通り移動日であった。
2
出張のスケジュールに関する問題。
選択肢は目指すべきゴールのヒントを与えてくれます。
以下、詳しい解説。
あっさりした解説がお好みの方は、一番下の略解を見てね。
おっと申し遅れました。
解説は筆者、「数的処理の穴場」管理者のモクセイがお送りします。
↑これでも元塾講で国家総合職の筆記合格者
おそすぎる自己紹介
それでは、解説スタート!
解説:選択肢の項目を対応関係の表にする
条件が与えられて、確実に正しいといえる選択肢を選ぶ……
本問は、典型的な文章題。
加えて、選択肢はいずれも「いつ」「誰が」「どこに」という内容です。
このことから、「対応関係かな?」と当たりをつけます。
対応関係の表のフォーマットを作る
対応関係の極意は、【表を作って解くこと】だと言いました。
まずは適切なフォーマットを用意すること
- 項目が2つ→○×式
- 項目が3つ→数字など書き込み式
表の項目は、選択肢を見て判断します。
本問に必要な情報は、「いつ」「誰が」「どこに」の3つ。
項目が3つ、ということで、「書き込み式」の表にします。
次のようなフォーマットに、A〜Cを書き込みます。
1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 | 9日 | |
X | |||||||||
Y | |||||||||
Z |
条件をそのまま対応関係の表に記入
まずは条件を見て、すぐに記入できそうなことを記入します。
改めて条件を眺めると、後ろ2つは表に書き込めます。
4つ目の条件1日はA、6日はC、9日はBで、それぞれ支社ごとの会議があり、いずれの社員も該当の支社に出社しなければならない。 より、3人とも1日はA、6日はC、9日はBに出社しています。
5つ目の条件4日はZだけがBに出社、5日はYだけがCに出社とする。 より、4日のZはB、5日のYはCです。
両日とも、あとの2人は移動日になる
1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 | 9日 | |
X | A | → | → | C | B | ||||
Y | A | → | C | C | B | ||||
Z | A | B | → | C | B |
7日と8日の対応関係が確定
これより、7日のスケジュールも分かります。
つまり、
3つ目の条件の後半〜、Cには必ず連続する2日間だけ出社する。
より、7日のXとZはCで、Yは移動日です。
1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 | 9日 | |
X | A | → | → | C | C | B | |||
Y | A | → | C | C | → | B | |||
Z | A | B | → | C | C | B |
Yは5日と6日がCだから、7日は必ずどこかへ移動する
続いて、8日のスケジュールも決まります。
2つ目の条件各支社を移動する時間は、1日単位の移動日とする。移動にかかる日数は、AーC間は2日間、AーB間およびBーC間は1日間とし、この間はどの支社にも出社できない。
を加味すれば、8日のXとZは移動日で、YはBに出社、となります。
8日のXとZは、どこかに出社すると移動の時間がなくなるからです。
Yも、移動日の条件を考えると、消去法でBに決まります。(※)
※実はこの時点で、Yのスケジュールは計画通りだったことが確定します(後述)
1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 | 9日 | |
X | A | → | → | C | C | → | B | ||
Y | A | → | C | C | → | B | B | ||
Z | A | B | → | C | C | → | B |
Aには間に合わないし、CだとBへ移動する時間がない
Xのスケジュールが確定
次に、Xに注目。
3日のあとの二日間、Xは移動日で確定しています。
二日かかるのは、A→Cの移動だけ。
ということは、3日のXはAに出社、とするしかありません。
ここから、やはり移動日の条件を考えると、2日のXはAに出社、に決まります。
1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 | 9日 | |
X | A | A | A | → | → | C | C | → | B |
Y | A | → | C | C | → | B | B | ||
Z | A | B | → | C | C | → | B |
Yのスケジュールが確定
Yのスケジュールも決まらないか、考えてみます。
Xと同じように、3日がどこだったか、から考えます。
結論から言うと、3日のYは移動日です。
仮に3日がAだとすると、A→Cを一日で移動しなければならず、間に合いません。
では、Bはどうか。
3日がBだとすると、A→B→Cの移動となり、移動日の条件は満たしますが……
問題文のラスト〜、X、Y、Zの3人はいずれも2日間ずつBに出社していた
に矛盾します。
Yは当初の計画通りだったはずなので、計3日間Bに出社したことになってしまいます。
Yは変更の余地がないから、計画通りだったのは確定してる
ならCは?
3日がCだとすると、Cから一日かけてCへ移動する、という訳の分からない計画になります。
消去法で、3日のYは移動日に決まります。
この場合、2日がAであれば、3日&4日にA→Cの移動を経て5日にCに出社、となって丸く収まります。
1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 | 9日 | |
X | A | A | A | → | → | C | C | → | B |
Y | A | A | → | → | C | C | → | B | B |
Z | A | B | → | C | C | → | B |
計画の変更を加味すればZも決まる
あとはZのスケジュール。
ここでようやく、
問題文の後半部分1人が体調を崩し、7日以降出社できなかった。そこで、7日にCに出社する予定であったこの社員を、7日を移動日として8日から2日間Bに出社させた。その結果、X、Y、Zの3人はいずれも2日間ずつBに出社していた
が登場します。
計画に変更のあった者は誰か
結論を言うと、体調を崩したのはZで、代わりはXです。
まず、Yは候補から外せます。
もしYが「7日以降出社できなかった」場合、Yは一度もBに出社しなかったことになるからです。
さらに、Yは「7日にCに出社する予定」ではないので、代わりの社員でもありません。
同様に、Xが「7日以降出社できなかった」場合も条件を満たしません。
消去法で、体調を崩したのはZに決まります。
すると、残るXが代わりの社員であったことになります。
Xの変更後のスケジュールを表に書き入れておきます。
ついでにZの7日以降は消しておく
1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 | 9日 | |
X | A | A | A | → | → | C | C(→) | →(B) | B |
Y | A | A | → | → | C | C | → | B | B |
Z | A | B | → | C |
条件「2日間ずつBに出社」を使う
ここに、
問題文のラスト〜。その結果、X、Y、Zの3人はいずれも2日間ずつBに出社していた
を加味すれば、Zのスケジュールも確定します。
やはり移動の時間を考慮すると、2日が移動日、3日がBに出社、となります。
1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 | 9日 | |
X | A | A | A | → | → | C | C(→) | →(B) | B |
Y | A | A | → | → | C | C | → | B | B |
Z | A | → | B | B | → | C |
一方は必ずBで、2日がBだと移動の時間がない
この表より、確実に正しいといえる選択肢は2だけ。
よって、2が正解です。
おわりに:対応関係には○×式か書き込み式の表
お疲れ様でした!
対応関係のコツは、【表を作って解くこと】
対応関係の問題があったら、表を作って解くと考えてまず間違いありません。
選択肢を見て、表に盛り込む項目を決めます。
項目が2つなら○×式、3つなら数字などを入れる書き込み式、です。
今回は、3人が3つの支社へ出張する計画を立てる問題でした。
表を作って、記入できることを記入し、新たに分かることを記入、というよくある流れで解きます。
要所要所で消去法を使い、最後はただ一通りの表が完成します。
違うパターンが「なぜダメか?」もちゃんと分かるのが理想
この社員たちは移動日が休日扱いなんだろーな
求人票に「明るい職場です!」とか書いてそう
最後までお読みいただきありがとうございました。
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略解
「いつ」「誰が」「どこに」という3つの項目を、次のような表で調べる。
1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 | 9日 | |
X | |||||||||
Y | |||||||||
Z |
4つ目の条件「1日はA、6日はC、9日はBで、それぞれ支社ごとの会議があり、いずれの社員も該当の支社に出社しなければならない。」より、3人とも1日はA、6日はC、9日はBに出社。
5つ目の条件「4日はZだけがBに出社、5日はYだけがCに出社とする。」
より、4日のZはB、5日のYはC。
1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 | 9日 | |
X | A | → | → | C | B | ||||
Y | A | → | C | C | B | ||||
Z | A | B | → | C | B |
7日について
3つ目の条件の後半「〜、Cには必ず連続する2日間だけ出社する。」
より、7日のXとZはC、Yは移動日となる。
8日について
2つ目の条件「各支社を移動する時間は、1日単位の移動日とする。移動にかかる日数は、AーC間は2日間、AーB間およびBーC間は1日間とし、この間はどの支社にも出社できない。」
より、8日のXとZは移動日、YはBに出社。
1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 | 9日 | |
X | A | → | → | C | C | → | B | ||
Y | A | → | C | C | → | B | B | ||
Z | A | B | → | C | C | → | B |
Xについて
4&5日の2日間はA→Cの移動に決まる。
→3日はA
すると、移動日を考慮すれば、2日もAとなる。
1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 | 9日 | |
X | A | A | A | → | → | C | C | → | B |
Y | A | → | C | C | → | B | B | ||
Z | A | B | → | C | C | → | B |
Yについて
仮に3日がAだとすると、A→Cの移動が間に合わない。
Bだとすると、問題文のラスト「〜、X、Y、Zの3人はいずれも2日間ずつBに出社していた」に矛盾する。
Cだとすると、CからCへ移動することになってしまう。
→3日のYは移動日(2日はA)
1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 | 9日 | |
X | A | A | A | → | → | C | C | → | B |
Y | A | A | → | → | C | C | → | B | B |
Z | A | B | → | C | C | → | B |
Zについて
体調を崩した社員はZ、代わりはX
XやYを「7日以降出社できなかった」とすると、「Bに2日間出社」の条件に合わない。
→体調を崩したのはZ
さらに、Yは「7日にCに出社する予定」ではない。
→代わりはX
問題文のラスト「〜。その結果、X、Y、Zの3人はいずれも2日間ずつBに出社していた」および移動の時間を考慮すると、2日が移動日、3日がBに出社、となる。
1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 | 9日 | |
X | A | A | A | → | → | C | C(→) | →(B) | B |
Y | A | A | → | → | C | C | → | B | B |
Z | A | → | B | B | → | C |
この表より、確実に正しいといえる選択肢は2だけ。
よって、2が正解である。
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