反射する光が通る道筋の長さ

こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。

前回は、最短ではない経路の本数を数える問題をやりましたね。
場合の数では定番の、経路数を数える問題です。
基礎的な解法が身に付いているか、力試ししませんか?
もう解いた方も、時間をおいて再度チャレンジすることをおすすめします。
復習のやり方として、解説を眺めるだけの勉強法も悪くないですが、もう一度手を動かして1から解いてみるのがベターです。
実際にやり直してみると、なかなか正答に至らないケースも多いでしょう。
解き直しで手詰まったら成長のチャンスです。
「なぜ手詰まったのか?」を自分なりに分析したら、その原因を解消できるように解説を読み込みましょう
こうすることで、解法に対する「新しい解釈」が得られ、他の問題に応用が利きやすくなります。
本番で同じ解法を使う問題が出たら、ぜひとも得点したいですよね。
解き直しで知識を定着させ、「解ける問題」を増やしていきましょう!

復習がバッチリな方は、本日の問題へ参りましょう!

本日の演習問題

図のように、1辺の長さが1である正方形の一つの頂点Aから発した光が、辺上の点B、C、Dで反射したのち、点Eにおいて観測されたとする。線分AEの長さが\(\frac{5}{7}\)であるとき、点線で示される光路の長さ(線分AB、BC、CD、DEの和)はいくらか。
ただし、各反射点において、辺に対する光線の入射角と反射角は等しいものとする。

反射光の経路長

  1. \(\frac{9}{7}\)
  2. \(\frac{9\sqrt{13}}{7}\)
  3. \(\frac{\sqrt{457}}{7}\)
  4. \(\frac{10\sqrt{5}}{7}\)
  5. \(\frac{\sqrt{636}}{7}\)

光の反射の問題です。
(入射角)=(反射角)をどう利用するかがポイント。
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。

それではスタート!

詳しい解説

(入射角)=(反射角)

であるならば、正方形の各辺をセンターにした線対称の鏡像を考えれば、光路を「折れ線」ではなく「直線」として捉え直すことができます。
もう少し詳しく言うと、次図のように、対称移動による「反射角のコピー」と入射角が対頂角の関係にあり、これらが等しいので、入射光と「反射光のコピー」は直線となります。

線対称で「折れ線」を「直線」に
線対称で「折れ線」を「直線」に

この対称移動を各反射点に対して行うことにより、最終的には点A、B、C、D、Eが一直線上に並びます。
これを利用しましょう。

まず、点Bを含む辺に関する線対称を考えます。

点Bを含む辺に関する線対称
点Bを含む辺に関する線対称

図のように展開すると、線分BCのコピーは線分BC’であり、3点A、B、C’が一直線上に並びます

次に、点Cを含む辺に関する線対称ですが、こちらは点C’の線分に関して展開すればよいですね。

点C'を含む辺に関する線対称
点C’を含む辺に関する線対称

展開すると、線分C’D’(=CD)は線分C’D”へコピーされ、4点A、B、C’、D”が一直線上に並びます

CM

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【分数の和】

解法を知ってさえいれば、あまり迷わずに解けてしまう問題です。
ちょっと考えて分からなければ、解説を見て「ふーん」でOKです。
気軽な感じでチャレンジしてみませんか?

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あとは点Dの辺に関する線対称ですが、同じように、点D”の線分に関して展開すればOKです。

点D''を含む辺に関する線対称
点D”を含む辺に関する線対称

線分D”E”(=DE)は線分D”E”’にコピーされ、5点A、B、C’、D”、E”’が一直線上です。

この直線の長さを求めるには、次図のような直角三角形AHE”’を考えます。

三平方の定理で光路長を求める
三平方の定理で光路長を求める

AE=A”E”’=\(\frac{5}{7}\)であったことを思い出すと、AH=\(\frac{19}{7}\)
三平方の定理より、AE”’\(=\sqrt{(\frac{19}{7})^2+2^2}=\frac{\sqrt{457}}{7}\)

よって、3が正解です。

おわりに

お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?

反射の法則を使って、光がたどった経路の長さを求める問題でした。
「線対称で展開して直線にする」という発想を、何もないところから生み出すのは難しいと思います。
なので、解けなかった方もあまり落ち込まなくて大丈夫です。
ただし、本番で同じような問題が出たときのために、こういう解き方もあるんだ、ということは知っておきましょう。

平面図形は数的処理の中でも大きな分野の一つなだけに、狙われやすい分野でもあります。
ありがちなのは面積を問う問題で、主に公式を使うパターンと相似比を使うパターンがあります。
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次回もお楽しみに!

略解

正方形の各辺について線対称に展開していくと、5つの反射点が一直線上に並ぶ。

例えば、点Bを含む辺について線対称に展開すると、次図のように3点A、B、C’が直線となる。

点Bを含む辺に関する線対称

点Bを含む辺に関する線対称

このようにして順次線対称に展開していくと、最終的にAからEに至る光路を一つの直線として捉えることができる。

三平方の定理で光路長を求める

三平方の定理で光路長を求める

あとは、AE=AE”’=\(\frac{5}{7}\)であるから、直角三角形AHE”’に対し三平方の定理を用いることができる。

AE”’\(=\sqrt{(\frac{19}{7})^2+2^2}=\frac{\sqrt{457}}{7}\)

したがって、3が正解である。

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