- 整数の分野でよく出る「倍数・約数・余り」を使った解法が身につく
- 過去問の類題を例に、本番で役立つ「解法のポイント」の使い方を学べる
- どこよりも詳しい解説で、本試験レベルの問題を完全理解
→数的処理の「あと一点」が実現!
こんにちは!
公務員試験の数的処理解説サイト「数的処理の穴場」へようこそ。
今回のテーマは……「整数」
数的処理で頻出のこの分野、今は学校教育のカリキュラムにも組み込まれているみたいですね。
筆者のころは指導要領の範囲外だったっけな
そんな整数問題は簡単そうに見えて奥が深く、問題のバリエーションは多岐にわたります。
苦手な方が敬遠しがちなのもさもありなん、という感じです。
ですが!
そんな整数分野にも、一定の出題パターンが存在します。
この記事では、多くの整数問題に活用できる解き方を詳しく解説します。
これを学べば、整数問題への苦手意識が消えること請け合い。
講義:倍数・約数・余りを利用した整数問題の解き方
整数問題の攻略に絶対必要な定石的解法を紹介します。
- 範囲を絞る
- 倍数、約数、余りから候補を書き出す
- しらみつぶしで特定
以下、ごく簡単な例題を解きながら「解法のポイント」を補足説明します。
例題) 3ケタの整数で、134で割り切れ、かつ7で割った余りが5であるものはいくつか。
【1】範囲を絞る
範囲を絞ることは、整数問題を解くための第一歩。
「134で割り切れる(=134の倍数)」という条件だけでは問題として成立しません。
終わりがないからです。
壁は高いほうが登ったとき気持ちいいもんな(©ミスチル)
しかし、ここに「3ケタの整数」という条件が加われば話は別。
\(100≦n<1000\)なので、\(n=134, 268, 402, 536, 670, 804, 938\)と挙げられます。
この「列挙できる」というのが重要です。
有限個の整数が相手なら、しらみつぶしも可能だからです。
整数問題を見たら、まずは範囲を限定できないか考えましょう。
【2】倍数、約数、余りから候補を書き出す
範囲が決まったら、倍数とか約数、余りといった条件を満たす整数を書き出します。
これが解答の候補となります。
例題で言うと、\(n=134, 268, 402, 536, 670, 804, 938\)がそれです。
【3】しらみつぶしで特定
候補が挙がったら、あとはそこから条件に合うものを探すだけです。
実際に\(n\)を一つずつ7で割ってみると、余りは順に1, 2, 3, 4, 5, 6, 0となっています。
これにより、\(n=670\)が答えだと分かります。
演習問題:4桁の虫食い整数
0または1桁の正の整数\(a, b\)を用いて、次のように表される4桁の数がある。この数が3でも11でも割り切れ、かつ7で割ると3余るときの\(a\)と\(b\)の組み合わせとして正しいのは次のうちどれか。
\[
1ab4
\]
\(a\) | \(b\) | |
1. | 1 | 6 |
2. | 2 | 5 |
3. | 5 | 8 |
4. | 8 | 2 |
5. | 9 | 1 |
5
整数の虫食い問題です。
「解法のポイント」の使い方を学んでください。
以下、詳しい解説です。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下の略解を見てね。
申し遅れました、解説は筆者、「数的処理の穴場」管理者のモクセイがお送りします。
↑これでも元塾講で国家総合職の筆記合格者
おそすぎる自己紹介
それでは、解説スタート!
解説:範囲を決めて倍数をしらみつぶし
倍数や約数、余りを扱う本問は、まさしく「解法のポイント」の使いどころです。
- 範囲を絞る
- 倍数、約数、余りから候補を書き出す
- しらみつぶしで特定
これに沿って解いてみます。
【1】範囲を絞る:千の位が1である4桁の整数
講義にもありますが、4桁である、とは\(1000≦n<10000\)ということ。
しかも、千の位が1なので、範囲は\(1000≦n<2000\)となります。
この範囲内で、候補となる整数を探そう
【2】候補を書き出す:「一の位が4である33の倍数」って?
「3でも11でも割り切れ」ることより、\(1ab4\)を\(33m\)と表してみるのがポイント。
\(m\)がいくつなのか?を考えます。
一の位が「4」と決まっているのが手がかりになります。
\(33m\)の一の位が4、ということは、\(m\)の一の位は8でなければなりません。
3の段で一の位が4なのは「3×8=24」だけ
よって、\(m=8, 18, 28, 38, 48, 58, 68, ……\)
つまり、\(33m=264, 594, 924, 1254, 1584, 1914, 2244, ……\)
ここで、\(1000≦1ab4<2000\)であったことを思い出しましょう。
これによると、\(1ab4=1254, 1584, 1914\)
(\(m=38, 48, 58\))
先に範囲を決めておいたことが、ここで効いてくるんよ
【3】しらみつぶしで特定:「7で割ると3余る」整数を探す
ここまで来れば、「7で割ると3余る」数を見つけるのはカンタン。
\(1ab4=1254, 1584, 1914\)を、それぞれ7で割ってみればOK。
次のようになります。
\(1ab4\) | 1254 | 1584 | 1914 |
\(R(1ab4)\) | 1 | 2 | 3 |
よって、\(1ab4=1914\)
つまり、\(a=9, b=1\)
以上より、5が正解です。
おわりに:整数問題は範囲を絞って書き出し、しらみつぶし
お疲れ様でした!
整数問題は範囲が決まれば書き出しが可能です。
書き出したら、あとはしらみつぶしできます。
今回は、条件をもとに4桁の虫食い整数を特定する問題でした。
千の位から範囲が決まり、一の位で候補が挙がったら、余りの条件からしらみつぶしです。
範囲を絞って書き出してしらみつぶし、という解き方は多くの整数問題に有効なので、必ず習得しましょう。
最後に、同じ虫食いの穴を埋める問題(覆面算)の過去記事を紹介しておきます。
ヤンニョムえのき、うまいからみんなも作ってみて
最後までお読みいただきありがとうございました。
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略解
千の位が1であることより、\(1000≦1ab4<2000\)
また、「3でも11でも割り切れ」ることより、\(1ab4\)を\(33m\)とおける。
\(33m\)の一の位が4だから、\(m\)の一の位は8である。
つまり、\(m=8, 18, 28, 38, 48, 58, 68, ……\)
(\(33m=264, 594, 924, 1254, 1584, 1914, 2244, ……\))
\(1000≦1ab4<2000\)より、\(m=38, 48, 58\)
すなわち、\(1ab4=1254, 1584, 1914\)
このうち、「7で割ると3余る」のは「1914」である。
よって、5が正解である。
コメント
答えとしている1964は11の倍数ではありません。
途中の解説の
よって、m=8,18,28,38,48,58,68,……
つまり、33m=274,594,924,1254,1584,1964,2244,……
の「274,594,924,1254,1584,1964,2244,……」の部分は正しくは「264,594,924,1254,1584,1914,2244,……」になります
いつもご指摘ありがとうございます!
33mを改めて計算し、「274→264」および「1964→1914」と直しました。
併せて、問題を「7で割ると3余る」とし、a=9,b=1の「5」が正解、としました。
(ご都合主義的ですが…)
この記事を作ったヤツは何を考えていたのか、タイムマシンができたら真っ先に問い詰めに行こうと思います。