【国家一般職】ニュートン算は「収支」で考える【工場在庫の消化にかかる日数】

【国家一般職】ニュートン算は「収支」で考える【工場在庫の消化にかかる日数】 数的推理
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モクセイ
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「解法のポイント」はないこともある、かもしれない

今回のテーマは……「ニュートン算

「増えながら減る」関係を使って式を立てる文章題。
数量の変化が複雑でイメージしにくく、やっかいですよね。

苦手とする人も多いのではないでしょうか。

モクセイ
モクセイ

野菜でいうとピーマン(?)

だからこそ、ちゃんと勉強すれば周りに差をつけられます
ニュートン算は解き方のパターンが決まっているからです。

本サイトでは、「解法のポイント」として過去に詳しく説明しています。

解法のポイント
ニュートン算を解く3ステップ:
「文字でおく→方程式を立てる→連立で解く」

しかも、ニュートン算は、あるポイントに注目するともっと解きやすくなるんです。
キーワードは、

【収支に注目】

今回は、ニュートン算をもっと確実に解くために意識したいポイントを、数的処理の過去問みたいな演習問題を使って紹介します。

モクセイ
モクセイ

ガッツリ過去問レベルの内容です

演習問題:工場在庫の消化にかかる日数

1日に決まった数の製品を製造する工場において、場内にある製品の在庫を全て倉庫へ輸送する計画が立てられた。この工場は輸送用の車を2台(AとB)所有しており、1日あたりに輸送できる製品の個数は、Aは40個、Bは30個である。場内にある在庫を全て倉庫へ輸送するのに、Aのみを使った場合は60日、Bのみを使った場合は120日かかることが分かっている。当初はAとBを両方使い、ある日数で全ての在庫を輸送し終える計画であったが、途中でBが故障し5日間使用できなかったため、予定よりも多くの日数を要した。このとき、実際にかかった日数はいくらか。ただし、AとBが1日あたりに輸送できる製品の数はともに一定で、AとB以外の車を使うことはなかったものとする。

  1. 26日
  2. 27日
  3. 29日
  4. 31日
  5. 32日

工場の在庫を倉庫へ輸送する問題。
在庫を処理する間も、製品はどんどん作られています。

以下、詳しい解説。
あっさりした解説がお好みの方は、一番下の略解を見てね。

おっと申し遅れました。
解説は筆者、「数的処理の穴場」管理者のモクセイがお送りします。
↑これでも元塾講で国家総合職の筆記合格者

モクセイ
モクセイ

おそすぎる自己紹介

それでは、解説スタート!

解説:補正ありのニュートン算

本問のゴールは、「実際にかかった日数はいくらか」を知ること。
そのためには何が必要でしょう?

かかった日数は「(在庫数)÷(1日に減る数)」で求められます。
もう少し掘り下げると、(1日に減る数)は「(AとBが1日に運ぶ数)ー(1日に作られる数)」のこと。

つまり、必要なのは以下の3つ。

在庫数→不明
AとBが1日に運ぶ数→Aは40個、Bは30個
1日に作られる数→不明

在庫数」と「1日に作られる数」を知ることが、第1の目標です。

以下、問題を細分化して考えます。
本問は、大きく前半と後半の2段に分けることができます。

【1】前半:「増えながら減る」はニュートン算

“1日に決まった数の製品を製造する工場において、場内にある製品の在庫を全て倉庫へ輸送する計画が立てられた。この工場は輸送用の車を2台(AとB)所有しており、1日あたりに輸送できる製品の個数は、Aは40個、Bは30個である。場内にある在庫を全て倉庫へ輸送するのに、Aのみを使った場合は60日、Bのみを使った場合は120日かかることが分かっている。”

製品を製造しながら、倉庫へ輸送する…
増えながら減る、です。

モクセイ
モクセイ

まさに、典型的なニュートン算

ニュートン算の「解法のポイント」を使います。

解法のポイント
ニュートン算を解く3ステップ:
「文字でおく→方程式を立てる→連立で解く」

Step1:文字でおく

不明な数値を文字でおきます。

本問(の前半部)で、分からない数値を抽出しますと、

1日に作られる数→\(x\)
最初の在庫数→\(N\)

Step2:方程式を立てる

分かっている関係から、方程式を立てます。
本問では、「Aのみ」または「Bのみ」を使った場合にかかる日数を2通りに表し、=(イコール)で結びます

モクセイ
モクセイ

ここで【収支に注目】の考え方を使う

まず、Aのみの場合について。

Aは毎日40個運びます。
同時に、工場では毎日\(x\)個作られます。
【収支に注目】すれば、在庫は毎日\(40-x\)個だけ減っていくことになります。

Aのみの日数を式にする
Aのみの日数を式にする

\(40-x\)を60日間(=60回)繰り返すと、\(N\)が0です。
つまり、

\[
N=60(40-x)……(\mathrm{i})
\]

Bのみの場合も同じ。
Bが毎日30個運ぶ中、工場では\(x\)個作られます。
【収支に注目】すれば、在庫は毎日\(30-x\)だけ減ります。

全ての在庫がなくなるのに120日かかるので、

\[
N=120(30-x)……(\mathrm{ii})
\]

Bのみの日数を式にする
Bのみの日数を式にする

Step3:連立で解く

(i)と(ii)は、\(N\)と\(x\)の連立方程式。
解くと、\(N=1200\)、\(x=20\)

よくある「線分図」だと、こんな感じ↓
オレンジに注目した式が(i)、緑に注目した式が(ii)です。

線分図
線分図
モクセイ
モクセイ

赤枠のイコールに注目するのが線分図でよくある解き方

【2】後半:積み残し分を補正

“当初はAとBを両方使い、ある日数で全ての在庫を輸送し終える計画であったが、途中でBが故障し5日間使用できなかったため、予定よりも多くの日数を要した”

まず、「計画」について。

ここも【収支に注目】してみます。
在庫が減るペースは、毎日\((40+30)-x=50\)個

毎日50個ずつ減っていくと、在庫が0になるのは、1200÷50=24日後
これが当初の計画です。

計画では24日で在庫が0になる
計画では24日で在庫が0になる

では、実際はどうだったかというと…

途中でBが故障し5日間使用できなかった”

とあります。
この5日間に運ぶはずだった30×5=150個が、積み残しとして最終日(24日目)に残ります
この150個を消化するために、「予定よりも多くの日数を要した」わけです。

実際は積み残し消化に+3日
実際は積み残し消化に+3日
モクセイ
モクセイ

Bが壊れた日はいつであっても問題ナシ

AとBで運ぶ場合、在庫が減るペースは1日あたり50台。
ということは、積み残しの消化にかかる時間は、150÷50=3日

これより、実際にかかった日数は24+3=27日…(答)

モクセイ
モクセイ

前半みたいに「N+150=50×(日数)」としてもOK

以上より、2が正解です。

おわりに:ニュートン算は「収支」に注目

お疲れ様でした!

ニュートン算は、【収支に注目】すると解きやすくなります。
この考え方の良い点は、議論がシンプルになること。
解説でも、「増えながら減る」が「減る」だけに変わってましたよね。
増える分を差し引いて(40-\(x\))おけば、単に減っていくだけの問題になります。

モクセイ
モクセイ

「増えて減って、つまりどれだけ変化するの?」が重要

今回は、在庫を作りながら輸送する、という問題でした。
ニュートン算は、「文字→方程式→連立」の流れが基本。
まずはコレを使えるように練習しましょう。

その上で【収支に注目】するやり方を身につければ、正答率がアップしますよ。

オマケのもう1問↓

最後に一言

なんか会社で、来年のイベント係(飲み会とか主催するやつ)に任命されてた

モクセイ
モクセイ

次回「会社の飲み会絶対断るマン(筆者)、敗れる」

最後までお読みいただきありがとうございました。

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次回もお楽しみに!

略解

前半:

・在庫数→\(N\)
・AとBが1日に運ぶ数→Aは40個、Bは30個
・1日に作られる数→\(x\)

Aのみの場合、在庫は毎日\(40-x\)個ずつ減る。
すると、在庫が全てなくなるのにかかる日数は、

\[
N=60(40-x)……(\mathrm{i})
\]

Aのみの日数を式にする

Aのみの日数を式にする

Bのみの場合、在庫は毎日\(30-x\)個ずつ減る。
すると、在庫が全てなくなるのにかかる日数は、

\[
N=120(30-x)……(\mathrm{ii})
\]

Bのみの日数を式にする

Bのみの日数を式にする

(i)と(ii)を連立させて解くと、
\(N=1200\)、\(x=20\)

後半:

在庫が減るペースは、毎日\((40+30)-x=50\)個
在庫が0になるのは、1200÷50=24日後(計画)

「途中でBが故障し5日間使用できなかった」について。
この間、Bが運ぶはずであった30×5=150台が、24日後へ持ち越される。

実際は積み残し消化に+3日

実際は積み残し消化に+3日

これを消化するのに要する日数は、150÷50=3日

したがって、実際にかかった日数は、24+3=27日…(答)

以上より、2が正解である。

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