【国家一般職】数的処理の過去問に学ぶ、整数を使った方程式の解き方【砲丸投げで持ち点を競うゲームと方程式】

【国家一般職】数的処理の過去問に学ぶ、整数を使った方程式の解き方【砲丸投げで持ち点を競うゲームと方程式】 数的推理
【国家一般職】数的処理の過去問に学ぶ、整数を使った方程式の解き方【砲丸投げで持ち点を競うゲームと方程式】

こんにちは!
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【1】オリジナルの演習問題
【2】どこよりも詳しい解説
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を扱う、ありそうでなかった数的処理の学習サイトです。

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ぜひ最後まで読んでいってください。

モクセイ
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「解法のポイント」はないこともある、かもしれない

今回のテーマは……「方程式」

まずは本サイトの肝である「解法のポイント」を紹介。
これで明日から1点アップ!?

解法のポイント
方程式の解き方:
  1. 未知数を文字でおく
  2. 数量の関係を式にする
  3. 連立させて解く

この「解法のポイント」について、詳しく知りたい方は以下の記事をチェック。

ぶっちゃけて言うと、これだけでこの記事の半分はおしまい。
ほら、時間的な感覚だと人生の折り返しは20歳っていうし。

モクセイ
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終了、解散!

ここからは、過去問をもとに作ったオリジナルの演習問題を解きながら、「解法のポイント」の使い方を学んでいきます

演習問題:砲丸投げで持ち点を競うゲームと方程式

A、B、Cの3人は、砲丸投げの記録で得点を競うゲームを行った。A、B、Cは、はじめにある2桁の整数が持ち点として与えられ、砲丸投げの記録を計4回競った。1回ごとに記録を比較し、1位だった者は、他の2人からそれぞれ自分の持ち点と同数の得点を受け取った。ゲームの結果および持ち点について、次のことが分かっているとき、はじめにBが持っていた持ち点はいくらか。

ただし、各回いずれも1位の者はただ1人のみであったとする。

  • 1回目はBが1位であった。
  • 2回目と3回目はともにAが1位であった。
  • 4回目はCが1位で、AとBはCに持ち点を与えた結果、持ち点がちょうど0点になった。
  • Aのはじめの持ち点は30点以下であった。
  1. 13点
  2. 19点
  3. 26点
  4. 32点
  5. 39点

4回の砲丸投げで持ち点を競う問題。
求めたいのは「はじめにBが持っていた持ち点」なので……?

以下、詳しい解説。
あっさりした解説がお好みの方は、一番下の略解を見てね。

おっと申し遅れました。
解説は筆者、「数的処理の穴場」管理者のモクセイがお送りします。
↑これでも元塾講で国家総合職の筆記合格者

モクセイ
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おそすぎる自己紹介

それでは、解説スタート!

解説:方程式を解いたら整数問題

数的処理で箇条書きの条件といえば、文章題(対応関係/位置関係/順序関係)です。
条件から確実に正しいといえる文を選ぶ、というやつ。

本問も、箇条書きの条件が与えられてますが、文章題ではありません。
本問の選択肢は、文ではなく「数値(持ち点)」だからです。

持ち点という数値を求める、というのが本問の目的であり、ゴールです。
これを明確にしておくのは大切。

目的がはっきりすると、方針を立てやすくなるからです。
カーナビでルートを調べるときも、最初に目的地を入力しますよね。
ゴールを意識するからこそ、そこへ至る道筋が見えてきます。

モクセイ
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最近のゲームは「次何するか」を教えてくれる親切設計

数値を求める方法として一番ポピュラーなのが、「方程式」です。
そこで、本問も方程式で解決できないか、と考えてみます。

方程式の「解法のポイント」の出番です。

解法のポイント
方程式の解き方:
  1. 未知数を文字でおく
  2. 数量の関係を式にする
  3. 連立させて解く

以下、この手順に沿って解いていきます。

求めるものを文字でおく

解き方要約:求めるものを文字でおく

求めたい数値を\(x\)でおくのがキホン。
本問では、「はじめにBが持っていた持ち点」を\(x\)とします。

しかし、これだけでは方程式の立てようがありません。

本問は、Bだけでなく、AとCの持ち点も調べる必要があります。
そこで、AとCのはじめの持ち点も、それぞれ\(a, c\)とおきます。

モクセイ
モクセイ

3つ目の条件がAとCの持ち点に言及してるのもヒント

A〜Cの各回の持ち点を、次のような表に整理します。

はじめ1回目2回目3回目4回目
1位BAAC
A\(a\)
B\(x\)
C\(c\)
各回の持ち点を表にする

表には 各回の1位・1回目はBが1位であった。
・2回目と3回目はともにAが1位であった。
・4回目はCが1位で、AとBはCに持ち点を与えた結果、持ち点がちょうど0点になった。
と、はじめの持ち点を書き込んであります。

持ち点を文字式で表す

ここから、 ゲームのルール1位だった者は、他の2人からそれぞれ自分の持ち点と同数の得点を受け取った にしたがって各回の持ち点を文字式で表していきます。

例えば、1回目はBが1位なので、BはAとCから\(x\)ずつ受け取った結果、持ち点が\(3x\)になります。
AとCは\(x\)ずつ減って、持ち点はそれぞれ\(a-x\)および\(c-x\)です。

はじめ1回目2回目3回目4回目
1位BAAC
A\(a\)\(a-x\)
B\(x\)\(3x\)
C\(c\)\(c-x\)
1回目のA〜Cの持ち点を文字式で表す

同じように、各回の持ち点を文字式で表します。

はじめ1回目2回目3回目4回目
1位BAAC
A\(a\)\(a-x\)\(3(a-x)\)\(9(a-x)\)\(13a-c-12x\)
B\(x\)\(3x\)\(4x-a\)\(7x-4a\)\(4x-c\)
C\(c\)\(c-x\)\(c-a\)\(c-4a+3x\)\(3(c-4a+3x)\)
2〜4回目の持ち点を文字式で表す

条件で方程式を立てて解く

解き方要約:連立方程式を解く

4回目の結果に 3つ目の条件の後半〜で、AとBはCに持ち点を与えた結果、持ち点がちょうど0点になった。 を当てはめると、方程式が2つ立てられます。

Aの持ち点がちょうど0点
→\(13a-c-12x=0\)

Bの持ち点がちょうど0点
→\(4x-c=0\)
→\(c=4x\)

Aの式に代入すると、\(13a-16x=0\)
これを\(a\)について解きます。

\[
a=\frac{16}{13}x……(☆)
\]

整数の候補を挙げてしらみつぶし

解き方要約:xは13の倍数

ここで、「\(a\)は整数である」という大前提を思い出しましょう。

(☆)が整数であるためには、\(x\)が「13の倍数」であることが必要です。
すると、\(x=13, 26, 39, ……\)

(☆)より、\(x\)と\(a\)の対応は次の通りです。

\(x\)13263991
\(a\)163248112
\(x\)と\(a\)の対応
モクセイ
モクセイ

\(x\)は2桁の整数だから91が最大

このうち、 4つ目の条件Aのはじめの持ち点は30点以下であった。 を満たすのは
\(x=13, a=16\)
のみ。

よって、1が正解です。

おわりに:文字でおいて方程式を立て、解く

お疲れ様でした!

求める対象が具体的な数値である場合は、方程式で解決できる可能性があります。
求めたいものを\(x\)とおき、方程式を立てて解く、という流れが基本です。

今回は、増減する持ち点を文字でおく方程式の問題でした。
前半で方程式を立てて解き、後半は整数問題として処理します。

未知数3つに対し、得られる方程式は2つ。
ここに「整数である」という条件が加わると、未知数を具体的に求められます。

ちなみに、候補を挙げてしらみつぶし、という解き方は整数問題で頻出です。

モクセイ
モクセイ

整数問題の「解法のポイント」も思い出してほしい

解法のポイント
絶対に覚えるべき整数問題の定石解法
  1. 範囲を絞る
  2. 倍数、約数、余りから候補を書き出す
  3. しらみつぶしで特定
最後に一言

夏、夕立のあと、湿った匂い

モクセイ
モクセイ

タモさん「雨降った?」

最後までお読みいただきありがとうございました。

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次回もお楽しみに!

略解

はじめにBが持っていた持ち点を\(x\)とおき、各回の得点を次のような表にする。

  はじめ 1回目 2回目 3回目 4回目
1位 B A A C
A \(a\)        
B \(x\)        
C \(c\)        
各回の持ち点を表にする

ゲームのルール「1位だった者は、他の2人からそれぞれ自分の持ち点と同数の得点を受け取った」にしたがい、各回の持ち点を文字式で表すと、次表の通りになる。

  はじめ 1回目 2回目 3回目 4回目
1位 B A A C
A \(a\) \(a-x\) \(3(a-x)\) \(9(a-x)\) \(13a-c-12x\)
B \(x\) \(3x\) \(4x-a\) \(7x-4a\) \(4x-c\)
C \(c\) \(c-x\) \(c-a\) \(c-4a+3x\) \(3(c-4a+3x)\)
2〜4回目の持ち点を文字式で表す

3つ目の条件の後半「〜で、AとBはCに持ち点を与えた結果、持ち点がちょうど0点になった。」を当てはめると、次の2式を得る。

\(13a-c-12x=0\)
\(4x-c=0\)
→\(c=4x\)

Aの式で、\(c\)を消去し\(a\)について解く。

\[
a=\frac{16}{13}x……(☆)
\]

(☆)において、\(a\)が整数であるためには、\(x\)が「13の倍数」であることが必要となる。
つまり、\(x=13, 26, 39, ……\)

\(x\)と\(a\)の対応は次表の通りとなる。

\(x\) 13 26 39 91
\(a\) 16 32 48 112
\(x\)と\(a\)の対応

このうち、4つ目の条件「Aのはじめの持ち点は30点以下であった。」を満たすのは
\(x=13, a=16\)のみ。

よって、1が正解である。

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