【国家総合職】数的処理の位置関係を解くコツ、あります【寄宿舎に居住する6人の部屋の位置関係】

こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。
ようやく正月休みのボケが抜けて、休み前の日常が戻ってきた今日この頃。

前回は、立方体の頭上から光を当ててできる影の大きさを比べる問題をやりましたね。
空間図形の問題でありながら、他分野の解法も同時に確認できる内容なので、まだ解いてない方はぜひ挑戦してみてください。

今回のテーマは「位置関係」です。
位置関係は、条件の情報量に注目するのがコツです。
以下の記事で詳しく説明しているので、まだ見てない方は参考にしてください!

演習問題:寄宿舎に居住する6人の部屋の位置関係

図のような15室の部屋を持つ寄宿舎に、6名の居住者がそれぞれいずれかの1部屋を借りて住んでいる。6名が居住する部屋以外は空室とする。次のことが分かっているとき、一から五の部屋について確実にいえるのはどれか。

  • 6名が居住する部屋について、いずれも横方向に隣り合う部屋のうちの少なくとも一方は空室である。
  • 6名が居住する部屋のうちのいずれか2部屋は、横方向に隣接している。また同様に、いずれか2部屋は縦方向に隣接している。
  • 6名が居住する部屋は、いずれも廊下をはさんで向かい合わない位置にある。
  • 6名が居住する部屋のうち、下側の一辺が廊下に面しているのは2部屋のみである。
  • 廊下1にのみ面している部屋のうち、2部屋には居住者がいる。
  • 2本の廊下に接している部屋のうち、1部屋には居住者がいる。
  • 廊下をはさんで詰所と向かい合う部屋、あるいは詰所に隣接する部屋のいずれか1部屋には居住者がいる。

寄宿舎の間取り図

  1. 一と二の部屋には居住者がいる。
  2. 二と三の部屋は空室である。
  3. 三と四の部屋には居住者がいる。
  4. 四と五の部屋は空室である。
  5. 五と一の部屋には居住者がいる。

6名が居住する部屋の位置関係を明らかにする問題です。
この手の問題では、分かることを図や表に落とし込んで紐解いていくのが基本です。
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。

それでは、解説スタート!

解説

分かりやすさのため、次図のように一から五以外の部屋をアルファベットで区別します。

各部屋をアルファベットで区別
各部屋をアルファベットで区別

位置関係の問題は、文量の多い条件から手を付けるのがコツです。

解法のポイント
位置関係は制約の厳しい条件から
文量の多い条件に注目

本問では、 2つ目の条件6名が居住する部屋のうちのいずれか2部屋は、横方向に隣接している。また同様に、いずれか2部屋は縦方向に隣接している が最も条件文が長いです。

2つ目の条件の後半〜。また同様に、いずれか2部屋は縦方向に隣接している より、(三とF)または(CとG)または(Dと五)のいずれかに居住者がいることになります。

モクセイ
モクセイ

縦に並ぶ2部屋は真ん中の区画にしかあり得ないことに注目

たかだか3通りの分岐なので、総当りで調べます。

(i)(三とF)のとき
1つ目の条件6名が居住する部屋について、いずれも横方向に隣り合う部屋のうちの少なくとも一方は空室である よりCとGが、 3つ目の条件6名が居住する部屋は、いずれも廊下をはさんで向かい合わない位置にある よりAとHが、いずれも空室であることが確定します。

三とFに入居者がいる場合
三とFに入居者がいる場合

次に、 2つ目の条件の前半6名が居住する部屋のうちのいずれか2部屋は、横方向に隣接している。〜 の2部屋の位置を考えます。
場所の候補は、(二とB)、(Bと一)、(DとE)、(四とI)、(IとJ)です。

このうち、(Bと一)および(DとE)および(IとJ)は、 1つ目の条件6名が居住する部屋について、いずれも横方向に隣り合う部屋のうちの少なくとも一方は空室である を満たすことができないので除外します。
残りは(二とB)および(四とI)
(二とB)に居住者がいるとした場合、 4つ目の条件6名が居住する部屋のうち、下側の一辺が廊下に面しているのは2部屋のみである に合わなくなります。

モクセイ
モクセイ

下側の一辺が廊下の部屋が二、B、Fの3つになってしまうよ

よって「横方向に隣接している」2部屋は(四とI)に決まります。
これより、五とJは空室であることが確定します。

四とIに入居者がいる場合
四とIに入居者がいる場合

すると、 7つ目の条件の前半廊下をはさんで詰所と向かい合う部屋、あるいは詰所に隣接する部屋のいずれか1部屋には居住者がいる より、Eには居住者がいることが決まりますね。
これにより、一とDは空室。

居住者のいる残りの1部屋は、二あるいはB、どちらのパターンもあり得るので、次図の2通りが可能性として残ります。

三とFに入居者がいる場合の位置関係
三とFに入居者がいる場合の位置関係

(ii)(CとG)のとき→×
条件「(居住者の部屋は)廊下をはさんで向かい合わない位置にある」より、二と四は空室です。
次に、条件「いずれか2部屋は、横方向に隣接している」について、該当し得るのは(Bと一)、(DとE)、(IとJ)です。
ところが、これらはいずれも条件「横方向に隣り合う部屋のうちの少なくとも一方は空室」を満たすことができません。

モクセイ
モクセイ

それぞれ一、E、Jが空室に隣り合わないね

(iii)(Dと五)のとき→×
条件「(居住者の部屋は)廊下をはさんで向かい合わない位置にある」より、BとIは空室です。
また、条件「横方向に隣り合う部屋のうちの少なくとも一方は空室」より、Gも空室です。
このとき、条件「いずれか2部屋は、横方向に隣接している」を満たしうる2部屋は、(Aと二)、(三とC)、(Hと四)です。
しかし、これらはいずれも条件「横方向に隣り合う部屋のうちの少なくとも一方は空室」を満たしません。

モクセイ
モクセイ

それぞれA、三、Hが空室に隣り合わない

結局、全ての条件を満たす部屋の位置関係は(i)の2パターンのみです。
これらについて、選択肢を検討すると、確実に正しいのは3しかありません。

よって、3が正解です。

おわりに:位置関係は制約の多い条件から

お疲れ様でした!
いかがだったでしょうか?

位置関係は、制約のキツイ(=文量の多い)条件から考え始めると上手くいきます。

15室の中から居住者のいる部屋の位置を確定させる問題でした。
縦方向に隣接する部屋の組み合わせが3通りしかないことに気づけば、しらみ潰しが可能です。
素早く処理するなら、(i)で2パターンの位置関係が分かった時点で選択肢を検討して、解答が一つに決まるようならそこで終わるのもアリです。

モクセイ
モクセイ

国家総合職でも、パターンが3つ以上残るケースはめったにないよ

位置関係は判断推理の中核を担う重要な単元です。
国家総合職でも、順序関係と並んで出題率が高くなっています。
対応関係と並行して、入念に対策しましょう。
一方を対策すれば他方にも良い影響があります。

モクセイ
モクセイ

位置関係も対応関係も、同じ「文章題」だからね

両方とも苦手な場合は「対応関係」を優先して対策するのがオススメ。
何と言っても頻出なので。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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次回もお楽しみに!

略解

次図のように、一から五以外の部屋をアルファベットで区別する。

各部屋をアルファベットで区別

各部屋をアルファベットで区別

条件「いずれか2部屋は縦方向に隣接している」について、この条件を満たす2部屋の組み合わせは(三とF)または(CとG)または(Dと五)のいずれかである。

(i)(三とF)のとき
条件「横方向に隣り合う部屋のうちの少なくとも一方は空室」よりCとGが、条件「廊下をはさんで向かい合わない位置にある」よりAとHが、いずれも空室であることが確定する。

次に、条件「いずれか2部屋は、横方向に隣接している」について、場所の候補は(二とB)、(Bと一)、(DとE)、(四とI)、(IとJ)である。
このうち、(Bと一)および(DとE)および(IとJ)は、条件「横方向に隣り合う部屋のうちの少なくとも一方は空室」を満たさないので不適。
(二とB)および(四とI)について、(二とB)に居住者がいるとした場合、条件「下側の一辺が廊下に面しているのは2部屋のみ」に合わないので不適。
これより「横方向に隣接している」2部屋は(四とI)に決まる。
これより、五とJは空室である。

また、条件「廊下をはさんで詰所と向かい合う部屋、あるいは詰所に隣接する部屋のいずれか1部屋には居住者がいる」より、Eには居住者がいることが分かる。
これにより、一とDは空室となる。
居住者のいる残りの1部屋は、二あるいはBであるから、次図の2通りが可能性として残る。

三とFに入居者がいる場合の位置関係

三とFに入居者がいる場合の位置関係

(ii)(CとG)のとき
条件「(居住者の部屋は)廊下をはさんで向かい合わない位置にある」より、二と四は空室である。
次に、条件「いずれか2部屋は、横方向に隣接している」について、該当し得るのは(Bと一)、(DとE)、(IとJ)である。
ところが、これらはいずれも条件「横方向に隣り合う部屋のうちの少なくとも一方は空室」を満たすことができないので不適。

(iii)(Dと五)のとき
条件「(居住者の部屋は)廊下をはさんで向かい合わない位置にある」より、BとIは空室である。
また、条件「横方向に隣り合う部屋のうちの少なくとも一方は空室」より、Gも空室である。
このとき、条件「いずれか2部屋は、横方向に隣接している」を満たしうる2部屋は、(Aと二)、(三とC)、(Hと四)である。
しかし、これらはいずれも条件「横方向に隣り合う部屋のうちの少なくとも一方は空室」を満たさないので不適。

以上より、選択肢を検討すると、確実に正しいのは3しかない。

よって、正解は3である。

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