【国家一般職】大丈夫?「全体量1」のワナ。仕事算は単位を意識して【ペンキ塗り作業の仕事算】

【国家一般職】大丈夫?「全体量1」のワナ。仕事算は単位を意識して【ペンキ塗り作業の仕事算】 数的推理
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モクセイ
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「解法のポイント」はないこともある、かもしれない

今回のテーマは……「仕事算(方程式)

仕事算の解き方といえば、「全体量を1とおく」
これ、すごく抽象的で分かりづらいなーと筆者は思うんです。

モクセイ
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1の仕事を分かち合うってイメージしづらくない?

実は、仕事算の全体量は必ずしも1とする必要はありません。
生産数100台とか、コピー用紙1000枚とか、具体的な数だっていいんです。
仕事算は、【仕事量に単位を与える】と圧倒的に式が立てやすくなります。

今回は、【仕事量に単位を与える】と仕事算をもっと理解できるよ、というお話です。

例によって、数的処理の過去問みたいな演習問題を使ってレクチャーします。

モクセイ
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仕事算を勉強したけど式が立てられない人に超オススメ

演習問題:ペンキ塗り作業の仕事算

作業員A〜Eは、時間あたり一定の広さの壁にペンキを塗ることができる。5人全員でペンキを塗ると、ちょうど1時間で塗り終えられる広さの壁について、次のことが分かっているとき、DとEの2人でペンキを塗り終えるのにかかる時間はいくらか。

  • AとBの2人でペンキを塗ると、塗り終えるのに\(\frac{27}{10}\)時間かかる。
  • AとCの2人でペンキを塗ると、塗り終えるのに\(\frac{12}{5}\)時間かかる。
  • BとCの2人でペンキを塗ると、塗り終えるのに4時間かかる。
  1. \(\frac{9}{5}\)
  2. \(\frac{27}{13}\)
  3. \(\frac{17}{8}\)
  4. \(\frac{24}{7}\)
  5. \(\frac{11}{3}\)

ペンキ塗り作業を分かち合う問題。
一定の広さってどれくらい?

以下、詳しい解説。
あっさりした解説がお好みの方は、一番下の略解を見てね。

おっと申し遅れました。
解説は筆者、「数的処理の穴場」管理者のモクセイがお送りします。
↑これでも元塾講で国家総合職の筆記合格者

モクセイ
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おそすぎる自己紹介

それでは、解説スタート!

解説:壁の広さを枚数で表現する

決まった量を、数人で協力して減らしていってゼロにする、という問題を「仕事算」といいます。

モクセイ
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ここに「増える」が加わったものがニュートン算

ニュートン算の解き方は、以前紹介しています。

解法のポイント
ニュートン算を解く3ステップ:
「文字でおく→方程式を立てる→連立で解く」

この流れに沿って進めます。

【1】文字でおく:仕事量をタイルの枚数でとらえる

仕事算は、【仕事量に単位を与える】と解きやすくなります。

仕事量に、単位を付けてあげてください。
本問であれば、「壁の広さ」

仮に、\(n\)枚のタイルでできた壁、と考えてみます。
このとき、AとBが時間あたりに塗るタイルの枚数は、単純な足し算(\(a+b\)枚)で与えられます。

すると、かかる時間は割り算で求められます
文字で表せば、\(\frac{n}{a+b}\)

例えば、\(n\)=16枚の壁を時間あたりに塗る枚数が、Aは1枚、Bは3枚としてみます。
この場合、A&Bなら1+3=4枚(→\(a+b\))
16枚なら、\(\frac{n}{a+b}=\frac{16}{4}=4\)時間

例:A&Bが16枚のタイルを塗る場合
例:A&Bが16枚のタイルを塗る場合

【2】式を立てる:仕事にかかる時間の条件を式化

「5人全員でペンキを塗ると、ちょうど1時間で塗り終えられる」のであれば、

\[
\frac{n}{a+b+c+d+e}=1…(\mathrm{o})
\]

1つ目の条件「AとBの2人でペンキを塗ると、塗り終えるのに\(\frac{27}{10}\)時間かかる。」より、

\[
\frac{n}{a+b}=\frac{27}{10}…(\mathrm{i})
\]

2つ目の条件「AとCの2人でペンキを塗ると、塗り終えるのに\(\frac{12}{5}\)時間かかる。」より、

\[
\frac{n}{a+c}=\frac{12}{5}…(\mathrm{ii})
\]

3つ目の条件「BとCの2人でペンキを塗ると、塗り終えるのに4時間かかる。」より、

\[
\frac{n}{b+c}=4…(\mathrm{iii})
\]

【3】連立:辺々足すと「\(a+b+c=〜\)」ができる

連立方程式を解く
連立方程式を解く

(i)+(ii)+(iii)より、

\[
2(a+b+c)=\frac{28}{27}n \\
→a+b+c=\frac{14}{27}n
\]

「\(a+b=〜,b+c=〜,c+a=〜\)」から\(a,b,c\)を求める方法

辺同士を全て足して、「\(a+b+c=〜\)」の形を作る、というテクニックがあります。
ここに「\(a+b=〜\)」を入れれば、「\(c=〜\)」と求められる、というもの。

「\(a→b→c→a→…\)」と循環していることから、「サイクリックな式」と呼ばれます。
ふつうに2式ずつ足し引きしても解けるけど、こっちのが楽チンじゃない?

モクセイ
モクセイ

急がば回れ。

これを(o)に代入すると、

\begin{align}
\frac{14}{27}n+&d+e=n \\
&→d+e=\frac{13}{27}n \\
&→\frac{n}{d+e}=\frac{27}{13}…(答)
\end{align}

よって、2が正解です。

おわりに:仕事算は単位で理解する

お疲れ様でした!

仕事算では、【仕事量に単位を与える】と理解して式を立てられるのでおすすめです。
仕事算に限らず、文章題は数量同士の関係をつかむのが大切ですよ。

モクセイ
モクセイ

宿題→プリントの枚数、とか、草取り→草の重さ(グラム)、みたいに

今回は、一定量の仕事を分担したときにかかる時間の問題でした。
壁の広さをタイルの枚数で捉えると、分担した場合の時間の関係が見えやすくなります。

全体量1 vs 単位で考える
全体量1 vs 単位で考える

解き方はニュートン算と全く同じ。
収支でとらえるなら、はじめの量\(n\)に対し、収支が\(a+b\)ずつマイナス、と解釈できます。

モクセイ
モクセイ

仕事算は全てニュートン算

ニュートン算の「解法のポイント」について、もっと知りたい方はコチラ(やや難)

こっちは標準レベル。

最後に一言

こんな風に単純計算で時間管理できる仕事、現実にはほとんどないけどね

モクセイ
モクセイ

一つの仕事してる間にも別の仕事頼まれるし

最後までお読みいただきありがとうございました。

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次回もお楽しみに!

略解

仕事量(壁の広さ)を、タイルの枚数で考える。
壁全体のタイルの枚数を\(n\)、Aが時間あたりに塗るタイルの枚数を\(a\)、などとおく。

「5人全員でペンキを塗ると、ちょうど1時間で塗り終えられる」は、次式。

\[
\frac{n}{a+b+c+d+e}=1…(\mathrm{o})
\]

1つ目の条件「AとBの2人でペンキを塗ると、塗り終えるのに\(\frac{27}{10}\)時間かかる。」より、

\[
\frac{n}{a+b}=\frac{27}{10}…(\mathrm{i})
\]

2つ目の条件「AとCの2人でペンキを塗ると、塗り終えるのに\(\frac{12}{5})時間かかる。」より、

\[
\frac{n}{a+c}=\frac{12}{5}…(\mathrm{ii})
\]

3つ目の条件「BとCの2人でペンキを塗ると、塗り終えるのに4時間かかる。」より、

\[
\frac{n}{b+c}=4…(\mathrm{iii})
\]

連立方程式を解く

連立方程式を解く

(i)+(ii)+(iii)より、

\[
2(a+b+c)=\frac{28}{27}n \\
→a+b+c=\frac{14}{27}n
\]

これを(o)に代入すると、

\begin{align}
\frac{14}{27}n+&d+e=n \\
&→d+e=\frac{13}{27}n \\
&→\frac{n}{d+e}=\frac{27}{13}…(答)
\end{align}

したがって、2が正解である。

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