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【国家一般職】「約数」を制す者は整数問題を制す【約数を利用した整数問題】

【国家一般職】「約数」を制す者は整数問題を制す【約数を利用した整数問題】 数的推理
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モクセイ
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「解法のポイント」はないこともある、かもしれない

今回のテーマは……「整数

整数ってスゴイんです。
「整数である」という条件があるだけで、たった一つの式から2つ3つの未知数がわかっちゃうことも。

モクセイ
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普通は未知数と同じ数だけ式が必要になる

ともかく。

整数問題の解き方には一定のパターンがあるって知ってますか?
整数、という数の性質をテーマとする以上、問題のバリエーションにも限りがあるからです。

整数問題を攻略するコツは、定番の解き方を知ること

今回は、約数を使うパターンをピックアップ。
大事なのはこれ↓

(A式)×(B式)=整数

この形に表せば、約数のペアを書き出してしらみつぶしできるよね、という考え方です。

今回も、数的処理の過去問みたいな問題を使って、定番の解き方を学びます。

モクセイ
モクセイ

中学数学の知識があればイケる

演習問題:約数を利用した整数問題

次の式を満たす整数a,b,cについて、a+b+cはいくらか。
ただし、0<a<b<cとする。

a^2b^4+4a^2b^2+4a^2-c^2-105=0

  1. 7
  2. 8
  3. 11
  4. 14
  5. 17

実質的にa,b,cを求めよ、という問題。
与えられた式をじっと眺めてみると……?

以下、詳しい解説。
あっさりした解説がお好みの方は、一番下の略解を見てね。

おっと申し遅れました。
解説は筆者、「数的処理の穴場」管理者のモクセイがお送りします。
↑これでも元塾講で国家総合職の筆記合格者

モクセイ
モクセイ

おそすぎる自己紹介

それでは、解説スタート!

解説:因数分解で「約数×約数=整数」に持ち込む

a+b+cを求めよ、という問題。
単純に考えれば、a,b,cがいくつなのかが分かればOKです。

しかも、条件に注目。

“整数a,b,cについて、~。ただし、0<a<b<cとする”

これ、もう「a,b,cを求めて」って言わんばかりでしょ?

モクセイ
モクセイ

はっきり言えばいいのに、素直じゃないんだから

a,b,cを具体的に求めることなく、「a+b+c=~」を導き出して終わるパターンもあります。

整数の重要な性質の一つが、「約数」
登場人物が全て整数なら、【(A式)×(B式)=整数】の形はすなわち「A式(or B式)=約数」

本問も、次の式を変形して【(A式)×(B式)=整数】の形を作り出します
みんな大好き「因数分解」を使います。

a^2b^4+4a^2b^2+4a^2-c^2-105=0……(☆)

モクセイ
モクセイ

因数分解が、お好きでしょ♪(?)

以下、【(A式)×(B式)=整数】を念頭に置きながら式変形していきます。

因数分解の定石その1:共通因数でくくる

因数分解は、まず共通因数でくくること。
次数(右肩に乗ってる数)が少ない文字に注目すると、大抵うまくいきます。

式☆であれば、次数が少ないのはa
a^2でくくってみます。

共通因数aでくくる
共通因数aでくくる

因数分解の定石その2-1:公式を使う

因数分解で次に考えることは、公式を使うこと。
必死におぼえた因数分解の公式を思い出し、「使えるものはないかな~?」と探します。

因数分解の公式まとめ
因数分解の公式まとめ

(☆1)をじーっと眺めますと……

a^2でくくったカッコ内!!

公式(ii)が!!!

使えるんです!!!!

モクセイ
モクセイ

なんだこのテンション

2乗の因数分解
2乗の因数分解

因数分解の定石その2-2:平方(2乗)の差に注目

さて、目標は【(A式)×(B式)=整数】の形を作り出すことでした。
(☆2)はまだこの形ではありません。

ということは、、、
さらに因数分解をする必要があります。

モクセイ
モクセイ

共通因数はムリってことで公式を使う

再び式をじーっと眺めます。

2乗の差に気づいてほしい。
公式(iv)を使ってさらに因数分解できます。

2乗の差の因数分解
2乗の差の因数分解
モクセイ
モクセイ

「(A式)×(B式)=整数」の形になりました

候補を書き出す:2つの{}は105の約数

A式&B式は105の約数です。

105の約数のペア
105の約数のペア

A式 > B式」に注意すれば、A式&B式を次のように書き出せます

モクセイ
モクセイ

cを足したもの(=A)の方が引いたもの(=B)より大きい

A式とB式のペアを書き出す
A式とB式のペアを書き出す

全パターンをしらみつぶし

各パターンそれぞれで、「A=~」と「B=~」を辺同士足し合わせます。(cを消去)
上から順に、a(b^2+2)=53, 19, 13, 11

いずれも素数なので、a=1

同じく「約数×約数」で考えます。
「素数=1×その数自身」なので、ab^2+2の一方は1のはず。
b^2+2は2以上なので1ではない
a=1に決まります。

よって、b^2+2=53, 19, 13, 11
b^2=51, 17, 11, 9

このうち、2乗を取り払って整数になるのは9だけ
b=3

このとき、(A式, B式)=(15, 7)
つまり、a(b^2+2)+c=15
c=4

(a,b,c)=(1,3,4)は、「0<a<b<c」を満たしています。

これより、a+b+c=1+3+4=8

以上より、2が正解です。

おわりに:整数には書き出し&しらみつぶし

お疲れ様でした!

整数問題には定番の解き方があります。
その一つが、約数を利用して解くやり方
今回は、因数分解を使って【(A式)×(B式)=整数】の形を作って解く問題でした。
この形ができれば、あとは約数のペアを書き出してしらみつぶしできます。

【(A式)×(B式)=整数】を作って約数に持ち込む、という解き方はぜひ覚えてください。

整数問題には、このほかにも定番の解き方があります。
以下の記事も参考に。

「範囲→書き出し→しらみつぶし」の3ステップ↓

余りの問題の解き方↓

最後に一言

自動洗浄のトイレ行くと座ってないのに水流れるよね

モクセイ
モクセイ

これがVIP待遇ってやつ?

最後までお読みいただきありがとうございました。

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