こんにちは。初めましての方は初めまして。ご覧いただきありがとうございます!
本サイト、「数的処理の穴場」を運営しておりますモクセイと申します。
今回のテーマは「推論」です。
毎年ではないにしろ、出題率の高い分野です。
数的処理第一問目のアイツ
そんな「推論」ですが、実はコスパの良い分野だったりします。
「推論」には解き方のパターンが存在するからです。
このパターンを知ってしまえば、正解率はグンとアップしますよ。
解き方のパターンについては、以下の記事で詳しく解説してます。
知らない方は必見です。
演習問題:街頭アンケートに関する推論
ある街で、6つの質問からなる○×式のアンケート調査を行った。調査結果について、次のことが分かっているとき、確実に正しいといえるのはどれか。
ただし、回答者はすべての質問に○か×のいずれかで回答したものとする。
- 第2問に×と回答した者は、第4問に○と回答した。
- 第3問に○と回答した者は、第1問に×と回答した。
- 第6問あるいは第2問に○と回答した者は、第3問に○と回答した。
- 第6問に×と回答した者は、第5問に○と回答した。
- 第1問に○と回答した者は、第5問に○と回答した。
- 第2問に○と回答した者は、第5問に○と回答した。
- 第3問に○と回答した者は、第4問に○と回答した。
- 第4問に○と回答した者は、第1問に○と回答した。
- 第6問に○と回答した者は、第1問に○と回答した。
1
街頭アンケートの調査結果に関する問題です。
始めに「どのパターンか?」を見極めることが大切。
以下、詳しい解説になります。
回りくどい説明が嫌な方は、一番下に略解としてコンパクトにまとめてあるので、そこだけ読んでいただくのでも大丈夫です。
それでは、解説スタート!
解説:命題か、真偽表か
推論の解法パターンは3つです。
- 命題として処理(対偶や三段論法)
- 真偽表を作る
- その他
与えられた条件や選択肢は、いずれも「〜ならば…」とか「〜のとき…」という表現に言い換えられます。
こういう表現があったら、【1】の「命題として処理」する方法が最善でしたね。
○×だから真偽表じゃないの?
真偽表を使った解き方が有効なのは、多くても4項目のYES/NOを扱うケースに限られます。
今回は6つある質問のそれぞれに○×があるので、真偽表を持ち出すのは得策ではありません。
項目が増えるほど、表のサイズは大きくなりますからね。
\(2^6\)=64通りを書き出すのはちょっとキツい
以下、命題の考え方で解いていきます。
条件を命題で表す
まず、次のように条件を命題化してみます。
\begin{align}
\overline{第2問} \Rightarrow 第4問 \tag{1}\\
第3問 \Rightarrow \overline{第1問} \tag{2}\\
(第6問 \lor 第2問) \Rightarrow 第3問 \tag{3}\\
\overline{第6問} \Rightarrow 第5問 \tag{4}
\end{align}
式(3)は次のように分割しておきます。
\[
第6問 \Rightarrow 第3問 \tag{3-1}
\]
\[
第2問 \Rightarrow 第3問 \tag{3-2}
\]
あとはこれらの条件をもとに、推論の真偽を選択肢ごとに調べるだけ。
選択肢1→真:対偶をとって三段論法
推論を命題化すると次のようになります。
\[
第1問 \Rightarrow 第5問
\]
「\(第1問 \Rightarrow 〜\)」の形を導くために、式(2)の対偶を考えます。
\[
第1問 \Rightarrow \overline{第3問}
\]
ここから「\(\overline{第3問} \Rightarrow 〜\)」の形があれば、三段論法で次につながります。
式(3−1)および(3−2)の対偶がそれです。
\[
\overline{第3問} \Rightarrow \overline{第6問} \\
\overline{第3問} \Rightarrow \overline{第2問}
\]
今度は「\(\overline{第6問} \Rightarrow 〜\)」あるいは「\(\overline{第2問} \Rightarrow 〜\)」の形が必要です。
条件を見ると、式(4)がそれです。
しかも、それは「\(〜\Rightarrow 第5問\)」という形になっています。
\[
第1問 \Rightarrow \overline{第3問} \Rightarrow \overline{第6問} \Rightarrow 第5問
\]
これは正しく推論命題そのものではありませんか。
したがって、選択肢1の推論は真です。
念のため、残りの選択肢も調べます。
選択肢2→偽:三段論法でつなぐ
推論:\(第2問 \Rightarrow 第5問\)
「\(第2問 \Rightarrow 〜\)」の形をもつのは式(3−2)です。
これと式(2)が三段論法でつながります。
\[
第2問 \Rightarrow 第3問 \Rightarrow \overline{第1問}
\]
次に「\(\overline{第1問} \Rightarrow 〜\)」の形が必要ですが、条件(と対偶)からはこの形を導くことはできません。
条件からは推論を導けない、ということ。
したがって、選択肢2の推論は偽です。
選択肢3→偽:推論から逆算
推論:\(第3問 \Rightarrow 第4問\)
「\(第2問 \Rightarrow 〜\)」の形をもつのは式(2)ですが、ここも「\(\overline{第1問} \Rightarrow 〜\)」の形がありません。
次につながらないので、条件からは推論を導けません。
したがって、選択肢3の推論は偽です。
選択肢4→偽:条件から推論を導けるか
推論:\(第4問 \Rightarrow 第1問\)
これはそもそも「\(第4問 \Rightarrow 〜\)」の形をもつ条件がないので、推論を導くことはできません。
したがって、選択肢4の推論は偽です。
選択肢5→偽:やはり三段論法で
推論:\(第6問 \Rightarrow 第1問\)
「\(第6問 \Rightarrow 〜\)」の形をもつのは式(3−1)です。
ここから三段論法により式(2)につながります。
\[
第6問 \Rightarrow 第3問 \Rightarrow \overline{第1問}
\]
ここから次につながらないので、条件から推論を導くことはできません。
したがって、選択肢5の推論は偽です。
以上より、1が正解です。
おわりに:「ならば」の条件のある推論は命題で
お疲れ様でした!
推論の解き方は2つ、「命題」と「真偽表」(+その他)です。
ならば式の条件があれば命題、好き嫌いなら真偽表です。
今回は、○×式のアンケート結果にまつわる推論の問題でした。
二者択一なので真偽表かと思いきや、命題で解くのが最短です。
ゴリ押しで64通りを調べるのもダメじゃないけどね
解き方さえ決まれば、あとはさほど複雑なことはありません。
命題の分割や対偶、三段論法といった手法は必修です。
今のPCスペック低すぎてアップデートで絶対にカクつく
最後までお読みいただきありがとうございました。
本サイトでは、今後もこうした演習用の問題をアップしていく予定なので、ブックマークなどして気軽に訪れてもらえたらうれしいです。
また、運営のやる気UPと記事のクオリティアップにつながりますので、ご意見やご感想などありましたら、お気軽にコメントにてお知らせください!
この記事が参考になったら、ぜひシェアしてください!
Tweet次回もお楽しみに!
略解
条件:
\begin{align}
\overline{第2問} \Rightarrow 第4問 \tag{1}\\
第3問 \Rightarrow \overline{第1問} \tag{2}\\
(第6問 \lor 第2問) \Rightarrow 第3問 \tag{3}\\
\overline{第6問} \Rightarrow 第5問 \tag{4}
\end{align}
式(3)は次のように分割できる。
\[
第6問 \Rightarrow 第3問 \tag{3-1}
\]
\[
第2問 \Rightarrow 第3問 \tag{3-2}
\]
選択肢1→真
推論:\(第1問 \Rightarrow 第5問\)
式(2)の対偶は「\(第1問 \Rightarrow \overline{第3問}\)」
これと式(3−1)の対偶「\(\overline{第3問} \Rightarrow \overline{第6問} \)」に三段論法を適用する。
\[
第1問 \Rightarrow \overline{第3問} \Rightarrow \overline{第6問}
\]
さらに、式(4)より、
\[
第1問 \Rightarrow \overline{第3問} \Rightarrow \overline{第6問} \Rightarrow 第5問
\]
よって、選択肢1の推論は真である。
選択肢2→偽
推論:\(第2問 \Rightarrow 第5問\)
式(3−2)と式(4)に三段論法を適用すると、
\[
第2問 \Rightarrow 第3問 \Rightarrow \overline{第1問}
\]
与えられた条件では、これより先に論理を進めることはできない。
よって、選択肢2の推論は偽である。
選択肢3→偽
推論:\(第3問 \Rightarrow 第4問\)
式(2)は「\(第3問 \Rightarrow 〜\)」の形をもつが、与えられた条件ではこれより先に論理を進めることはできない。
よって、選択肢3の推論は偽である。
選択肢4→偽
推論:\(第4問 \Rightarrow 第1問\)
「\(第4問 \Rightarrow 〜\)」の形をもつ条件がないため、この推論を導くことはできない。
よって、選択肢4の推論は偽である。
選択肢5→偽
推論:\(第6問 \Rightarrow 第1問\)
式(3−1)と(2)に三段論法を用いると、
\[
第6問 \Rightarrow 第3問 \Rightarrow \overline{第1問}
\]
与えられた条件では、これより先に論理を進めることはできない。
よって、選択肢5の推論は偽である。
以上より、1が正解である。
コメント